ミラノ中央駅から電車で約3時間。国境を超えてスイスのツェルマットへやってきた。

 

↑ミラノからジュネーブ行きの電車に乗った。

 

電車で食べるためのフルーツやピザ、サンドイッチを持ち込んでワクワクしながら指定座席に座った。とても座り心地のいい席。スイスに近づくにつれ、窓のシャッターの色が濃い緑色から淡い色に変わって行くのを不思議に思いながらウトウトしつつ国境を越えた。

 

↑駅で買ったピザ。

2時間後、ツェルマットシャトルという電車に乗り換えた。

 

この電車に乗ってから、景色がどんどんスイスらしくなってきて、ものすごく楽しい。

車窓の景色を楽しんでいるとあっという間に時間が経ってしまう。

 

↑通り過ぎる駅も、とっても可愛らしい。

 

灰白色の、ミネラルをたっぷり含んだような水が、かなりの勢いで流れてゆく川。

 

 

建物は焦茶色なのだけれど、この木材は最初はもっと明るい色なのだそうだ。

それが太陽に晒されて、どんどん濃い色になって行くのだそう。

窓際には、ピンク色の花が溢れている。この焦茶色の建物と山岳風景と窓を飾る花というのがアルプスの夏の景色なのだろうか。

 

時々マッターホルンの頂が見えるようになってきて、雪を抱いた大きな山並みを眺めながら私たちはツェルマットに到着した。

 

ツェルマットは、環境に考慮して、街を走るのは電動の車のみ。(救急車や消防車は別)

タクシーやシャトルも電気自動車という面白い街だ。

でもこの電動自動車、あまりに静かすぎて気配を感じず、ある意味危険なので、音楽を鳴らすとかカウベルをつけるとかしてほしい。と、私は思った。

 

さて、この日のツェルマットの天気予報は雨だった。

幸いにも、まだ雨は降り始めておらず、空には青いところがまだあったので、私たちはホテルに荷物を下ろして、すぐに登山鉄道に向かった。

これは、グルナーグラート鉄道といって、ツェルマットの街からグルゴナートの頂上、3,089mの高さまで35分ほどで連れていってくれる。

この電車、乗車券が高い!一万円以上する!

でも、ここまで来たら、絶対に乗りたいではないか、、、。

私たちは、渋々乗車券を購入して登山鉄道に乗り込んだ。

 

 

これが、すごい。アルプスの高いところへグイグイと登ってゆく。

窓からは、野生のビーバーや放牧されている山羊を見ることもできた。

 

↑山の上から見た登山鉄道。

 

頂上についた。

高いところのせいなのか、あまりに景色が雄大なせいなのかわからないけれど、眩暈がした。

こんなすごい景色のところに、35分くらいで上がってきても良いものなのか?と思うくらいに

なんだか人間界から隔たれた場所のような、すごい景色だった。

 

私は氷河(グレイシャー)というものを初めて見た。すごい迫力で、大自然の威力のようなものを感じた。

 

自分がこの場所に立っていることが信じられないような、自然の大迫力を目の前に足がすくむような気がした。

あっけに取られて立ちすくんでいると、なんだか知っている匂いが漂ってきた。

振り向くと、2人の韓国人の若者が韓国のインスタントラーメン、辛ラーメンを食べていた!

 

 

なんと売店で、辛ラーメンが7.50フランクで売られているのだった(高っ!)

日清のカップヌードルは、完全に、こういったロケーションでのビジネスチャンスと逃したなと日本人として、軽い悔しさを覚える、、、。いや、今からでも遅くないのでは。

 

ところで、この頂上から40分ほど下ったところに湖があり、そこにうつる逆さマッターホルンが美しいと聞いていたので、私たちは結構急な下りのハイキングの道を歩き始めた。

 

 

遠くから雷鳴が聞こえているのは、少し気になっていた。

そのうち雨粒がぽつり、ぽつりと落ちてきた。

すると、そこらへんの石が濡れて、その色が鉱物らしい青と緑の間のとても美しい色に変化した。

灰色だった石たちが、急に生き生きとした濡れた宝石のような色に輝いた。

 

高山植物の鈴のような形の紫色の可憐な花が咲いていた。

なんだか、全てが現実ではないような美しさだった。

 

たどり着いた湖は、思ったよりも小さくて浅い水溜りのようだった。

天気が悪いので期待していなかったけれど、意外にもカメラを通すと湖面にはマッターホルンの影がはっきりと映し出されていた。

 

 

夫は、急に高度の高いところから下山しているせいか、何度もオナラの音をさせていた。

まるで、ビンテージカーのエンジン音のような振動性のあるオナラをするので私は感心していたのだけれど彼なりに石を蹴飛ばしたりして、誤魔化している様子だったので、何も言わないでいた。

 

ところで、この湖を見た後くらい。こだまを試すべく、彼は「ハロゥゥゥ!!!」と滑らかで雄々しい大声を出した。すると、2度も3度もその声はアルプスの山の中にエコーして響いていった。

すると、次に彼は大声で、日本語で「おならしたぁぁぁ!!!」とバリトンを響かせた。

すると、何人もの彼のコピーが山のあちこちから同じ言葉をエコーさせた。

 

悔しいことに、私は笑い崩れてしまった。このての小学生レベルの笑いを彼はよく試してくるのだけれど、基本的に私はポーカーフェイスで対処している。

でも、この時は全く油断していた。

思い切り笑わせれてしまったのだった。

 

下山途中の駅で電車に乗ってツェルマットの村に戻った。

空はすっかり灰色で、雨やどりしないといけないくらいの雨ふりになった。

 

この後食べたチーズフォンデュのこと。なんでも高いスイスのこと。それはまた明日に続きます。スイスの旅、お付き合いください!