Nolfolkへ足を伸ばしたら、やはり海が見たい。
前に住んでいた家は、海に近くて毎日海を見ていたので、ケンブリッジに暮らし始めて
しばらくは、海が恋しくて仕方がなかった。
イギリスの海岸まで車を飛ばしたものの、冬の海は灰色の空の下、陰鬱な感じでとてもがっかりしたのだった。
でも、そんな中で、スタジオジブリの映画の原作になっている「思い出のマーニー」の舞台になった、海辺の小さな村を見つけた。
引き潮の湿地帯には、ボートが地面に横たわっていて、石造の村は静かで、不思議な景色だった。
その村にほど近いところに、人気のあるビーチHolkham Beachというのがある。
道路から見えるのは、牧草地の間を海の方に向けて伸びる道と、その両脇の駐車場。そして濃い緑の松の木の森だ。
通り過ぎるたびに、そこに多くの人が向かうのをいつも見ていたので、今回は行ってみようと計画して出かけた。
駐車して、松の木の森に向かって歩き始める。
その森を通り過ぎると、綺麗な海岸があるらしい。
少し風が強くて、人々は軽いジャケットやセーターを着ている。
松林を通り過ぎたら、開けた視界。
うっすらと煙るような優しい紫色が地面を覆って広がっていた。
シーラベンダーの開花する季節だったのだ。
シーラベンダーは、日本ではスターチスという名前でよく知られている。
サンディエゴにも咲いているけれど、これだけの範囲で花が咲いているとため息が出るような風景。地面は海水の水溜りがあちこちにあるので、塩水の中育つ植物なのだと思う。
スターチスのことを調べてみると、原産地が、世界中の海岸、砂漠、荒地とある。
日本では、綺麗なお花屋さんでしか見かけたことのない花だったので、そんなワイルドな強い花なんだ!と意外な気がした。
それにしても、シーラベンダーって、素敵な名前。
森を抜けると湿った平原が広がるばかり。海の気配がするのに、全然海が見えてこない。
ひたすら、海のある方に向かって歩く。
やっと、海!!!
空は曇りだし、少し寒いけれど、開けた海の景色はやっぱりいい。
海水も、そんなに冷たくなくて、気持ちがいい。
海辺に着くのに、車を止めてから2キロくらい歩いた。
馬のフンがたくさん落ちていたから、乗馬するのにいい所なのだろう。
足を水に浸したら、満足したので、また道を引き返した。
その後、近くのWells Next The Seat というポートタウンへドライブして行った。
この写真は、少し寂しい感じだけれど、実際は、人がたくさんいて
波止場に座ってフィッシュアンドチップスを食べていたり、カニ取り🦀をしていた。
小さな四角い網に餌を入れて海に落とすと、カニが引き寄せられて、網に入る仕組みで
手のひらサイズのカニが透明なプラスチックのバケツの中でガシャガシャ音をさせていた。
この辺りは、クロマークラブというのが獲れるので、釣った蟹を食べる人もいるのだろう。見た感じは、子供たちの遊びという感じで、最後は海に戻すのだろうなあという印象だった。
このまちで、良さそうなレストランがあったら食事をしたいなと思ったのだけれど、どこも混んでいたので、アイスクリームを食べながら、散歩することにした。
教会やお城の廃墟を巡ったり、海に行ったり、夏の観光を楽しんだ一日だった。