名古屋駅に程近い実家の新築過程。

古い名古屋城城下町としての街並と名古屋駅から迫るビジネス街としての空気が交わる敷地。
ここが生まれ育った場所。

物心ついたときから、素直に受け入れる事ができなかった旧宅。
そこに新たな息吹を吹き込もうと建築家を志した。

現実との理想とのギャップに光を見いだせず、
自分の理想郷はどこ??...と探し歩いた20代。
彷徨い歩き、移り住み続け、気がついたら関東、関西主要三都市全てに住民表を移していた。
海のムコウでも生活した。

時には、ここにずっといたい...
と思った土地もあったけど、
そこは誰かが用意してくれた住み心地。
自分は何もしていない。

建築家でという形ではないけれど、
誰かを癒し、明日への元気を与えられる環境をつくりたいという気持ちは変わらず持ち続けている。

そんな可能性を一番秘めているのは、結局のところ、
名古屋だと思った。

都市の移住の履歴は断続的でも、
時間はつながって、
大学時代の友が自分の育った土地を再生してくれている。

空間を模索し続けた自分の姿を唯一傍らで見届けてくれた若き才能が、
今最大限に僕の意図を汲み取り、立ちはだかる困難にぶつかりながらも、
答えを見つけだし、空間に落とし込んでくれている。

ここは自邸。誰かに提供できる類いの空間ではない。

でも近い将来、誰もが足を運べ、体感できる空間としての幸せを一つの形に表現し、
提案していきたい。

ビジネスとしての効率ではなくて、
その土地を想う強い気持ちを一人一人が持てるなら、
きっと集合体としての素晴らしい街が出来ていくと思う。

名古屋もまだまだ捨てたもんじゃない。

美しい海もなければ、神々しい山々もないけれど、
名古屋城っていう歴史が造りあげた偉大な山がある。

安易なものに流されず、磨き続ければ、
きっと輝くダイヤの原石。

家外観

家階段詳細
<自室のロフト部へ続く鉄階段>
参考にと渡したパリの部屋の写真から、
階段のディテールに設計の小宮君は惹かれたらしい。
マニアックな折り目、継ぎ目にこだわってくれた。
階段
sardenia 8

イタリア、サルディーニャ島の街です。
Santa Teressa Gallura というコルシカ島と目と鼻の先にある街。
坂のある景色っていいですね。
この坂を登ったらどんな景色が広がっているのだろう....

そんなイメージが膨らみます。
登ったら....


mare sardo

こんな海がこの街にはあります。
何をしなければいけないってあおられるような時間はなかった。
ただ夜9時前には暗くなる。
ただそれだけ。
イタリアの日没は夏は夜8時30位です。
そのかわり日の出は7時過ぎだったりしますけど....

(* ̄Oノ ̄* 癒されます.....
日本で暮らしていると、昼食の時間は11:30もしくは12:00から、
遅くとも1:30には店に入って....
夜は早いところでは17:30から、まっ普通は18:30から19:30にスタート
って考えますよね。

これがイタリアになると昼は12:30から営業開始、
夜は20:00スタートが一般的。
だから普通に皆で食事に行こうとなると
20:30もしくは21:00に予約を取ることになる。

レストランで働いているとスタッフの食事が昼は11:30
夜は18:30に食べることが多い。

随分ゆっくりだなぁと慣れるまでに時間がかかったが、
この感覚は結構好きだったりする。
夕方小腹が減ったらBar(バール)に入って、
プロセッコやビールと一緒に生ハム、サラミなんかのちょっとしたスナック
をひっかける。乙である。

イタリアにいる時、ちょっと休みをとってスペインまで出かけた。
フランス経由、マルセイユ辺りから
スペイン、バルセロナ近郊の目的のレストランへ予約の電話。

私「明日の昼に予約をしたいんだけど....」
スタッフ「大丈夫ですよ。何時にいらっしゃいますか?」

(イタリアが12:30だから....スペインはもう少し遅い可能性がある。
だから...)

私「13:00でお願いします。」
スタッフ「失礼ですが、どちらから電話されてますか?」

(...........................)

私「フランスからだけど.....」
スタッフ「スペインの昼は13:30から始まります。」

ラテンの国で流れる時間は日本との実質の時差以上のずれがあります。

どっちがいいってものでもなく、慣れの問題なんだけど、

「何を食べるか」
という問題から
「如何に食べるか」

という方向にこれからはシフトしていくんじゃないかなぁ。

都会にいれば、デパートで各地の評判のレストランの味を堪能できるご時世だけど、
実は味そのものが食事の豊さに占める割合はそれほど大きくないと思う。

美味しいもの、うまいもん、
いろんな情報がとびかってるけど、
ほんとはそんなもの大したことじゃなくて、
日常の喧噪、ルーティーンから抜け出して、
わざわざ探しにいく、その事が楽しいのでは?

ラテンの地から学ぶ食事感覚。
それは彼らにとっては新しいものじゃなくて、
代々受け継がれてきた感覚。

これ単なる時間の違いじゃなくて、ここに人生の楽しみ方のヒントがあるんだと思う。