ミシュラン一つ星の abysse です。
目黒浩太郎シェフは、海に囲まれた日本の風土を生かす。
テーマは、自然界で繋がる“海と森”。里山の清らかな水が川となる。それが大地を潤し海に流れ循環する。
その摂理を料理で表す。一皿の中に海と山が混在し、水と土の食材が調和する。アビスでは肉を忘れ、深海の魚、森の食材を意識したい。
海産物と緑がテーマです。
繊細かつ複雑な味わい、海のミネラルやダシの旨みも感じられ、盛り付けはアートそのもの。
食器やテーブルクロスなど、レストランを構成するパーツにも妥協がない。
ペアリングで合わせるワインも料理のミネラル、旨みにマッチしたものが選ばれていて統一感が素晴らしい。
総じて最高の体験でした
ランチのコース料理11品で13200円。
ですが、1品当たりの金額はどう見ても平均1200円で収まらないレベルだと思います・・
稚鮎 じゃがいも 姫竹
アップで撮ってるので大きく見えますが、実物は第二関節より先くらいの小ささです。
ケンサキイカ ブルーベリー 昆布
斬新な組み合わせでした。さらに驚きだったのが、シャンパーニュとのマリアージュ。
シャンパーニュはピノノワール(黒ぶどう)主体なので、果皮を潰さなくてもわずかながら黒ブドウのポリフェノール、アントシアニンが滲み出ます。
赤ワインになるとラズベリー、ストロベリー、ブルーベリーなどのアロマになるのですが、そのニュアンスをブルーベリーソースに合わせている。
かつ、熟成したシャンパーニュの旨み、ミネラル感が昆布の旨みとかイカにもピッタリ。
こういう発想があるんだなあと、驚きのマリアージュでした。
鯵 アーティチョーク 生胡椒
ワインはチリ、カサブランカ・ヴァレーのソーヴィニヨン・ブラン。
新樽ちょっと使ってるような感じ。検索したがドンピシャの情報なし。
新世界ソーヴィニヨンブランのパッションフルーツ香 + 樽香は青背の魚には相性が良い。
青臭い生臭さを消しつつも、魚とワインの爽やかさが引き立つ。
雲丹 牡丹雲丹 新玉ねぎ ズッキーニ
ワインはイタリアのオレンジワイン。フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州だと思うが、品種は聞いたことないな。
ウニ美味しかったー。。
ドイツ、ザールのリースリング。作り手はカンツハイム。ここで出てくるとは。
残糖が違います。
左はよりドライ、右は残糖が多くて甘さも感じられる。
共通しているのは、シトラス(レモン、グレープフルーツ)、ハチミツ(アカシア)、白い花、ペトロール(石油香)、ちょっとゴムっぽい香り。
岩牡蠣 黒もずく オクラ
さまざまな海の緑が使われていました。10種類くらい。
とにかく、ミネラルと旨みです。その繊細さを活かすワインのペアリング。
太刀魚 インゲン
新鮮な太刀魚なので炙りでぷりぷり。骨も綺麗に取り除かれ。
真蛸 トウモロコシ
キジハタ 青スジ海苔 アオサ
モチモチの白身魚、パリッと焼いた皮。注がれるソースの旨み。
メロン 酒粕 フロマージュブラン 木の芽
デザートです。上品すぎる・・😍
こんな美味しいデザート、1000-1500円くらいではまず見かけないなあ。
マンゴー ベルベーヌ バラ
メロンと合わせて2品で3000円と言われても違和感なし。
ラズベリー タルト
こちらは Anniversary Plate ということでご用意いただきました。
とにかく、どこにも手を抜いている気配がありません。
最後まで妥協なし。
といっても、レストランでの居心地に必要以上の緊張感があるわけでもない。
ほとんどが若いスタッフでしたが、程よく気さくな感じで、気疲れもしない。
調理場での仕事も、サービスも、粛々と進められていました。
料理、ワイン、サービス・・目の肥えた人を連れてきたとしても、絶対に間違いないお店だと思います。