SAPIXの3年生の社会のテキストは全部で 16部 + 夏期講習(4回)、冬季講習(2回)となりました。日本の都道府県の気候や産業に触れる内容です。
カリキュラムによると、4年生で地理を深め、5年生夏終了までに地理を完成、9月以降は歴史、6年生は公民、時事問題、図、グラフ、統計データの読み取り・分析と続く流れのようです。
我が家では、3年生では社会の復習にあまり時間をかけず、プリントの白紙部分をやる程度にしていました。関連する You Tube の映像を見せたり。すごろくなどのゲームを通じて都道府県の位置関係や名称に触れることも (あまり覚えてないと思いますが)。
都道府県名などはiPhone, iPad でのアプリ(「日本地図パズル」など)を利用して遊ぶようにしていましたが、形は覚えているが名前で位置を。
どちらかというと地理よりも興味のある歴史に注力、歴史漫画を読み、関連する歴史物語を読み、歴史に関するテレビ番組を見たり、史跡を訪れたり、塗り絵をしたり。頭の中で物語を描き、映像化するための素材に触れること、体験を積むことを重視してきました。
スマホの「旧国名パズル」も旧国名を知るには有用でした。
テストですぐに点数が取れるような緻密なムラのない勉強はしていません。
新4年生になると、塾での授業が週2日に増えます。
国語と算数だけでも負担なのに、社会と理科に手が回るのか心配ですが・・、学年が上がるとさらに大変だと思うので、4年生のうちに基礎は抑えておこうと思います。
では、何をやるか。
SAPIXの年間学習法、テキスト、入室案内記載の指導方針を見ながら考えてみました。
まず、「地理分野」に限定します。
日本の地形や気候、それらと深く結びついた産業、暮らしに「なぜ」「どうして」と疑問を持つことが大切であるということが問われていて、教材もそれを考えさせるようにできています。
とてもよくできていて、論理的に考えさせるようになっているなと思ったのですが、
この構造、私が趣味で勉強しているワインの資格、WSETと同じだなと思いました。
ワインはブドウから作られるものであり、ブドウは農産物であり、気候や地形、地層の影響をとても受けやすい植物です。これを理解するには、各地域が地球上でどのようなところに分布しているのか、どんな気候の影響があるかなど、自然要因の側面から理解する必要があります。もう一点、その自然要因からくる欠点を克服する取り組みだったり、歴史的・政治的、ビジネス的な要素からくる人的要因を考える必要があります。
日本の農業、産業においてもほぼ同じように体系立てて理解することができます。
例えば、自然要因の側面では、緯度や標高、地形の要素に注目。
・日本列島北部の夏は涼しい、冬は寒い。特に、北部の冬は人が住むにはとても厳しい。
なぜか?
緯度の影響:赤道から遠く、北極に近いから。寒冷地からの海流(寒流)が冷たい海水や空気を運んでくるから。
標高の影響:長野、群馬などの標高が高い地域や山麓。
気候の影響は?
「やませ」のような冷たい空気が岩手の夏を寒くする。
不作になることが多いから、ねぶた祭りのような豊作を願う祭りが生まれる。
日本海側では特に雪が多い。
本州中央部の山脈で雪雲はカットされる。
植物が発芽・熟成するための温度が低い
冷涼な気候に向いている果物、野菜もあれば、不作になる要因でもある。
夏も涼しいので、嬬恋村などで高山野菜が作られる。
・日本列島南部の夏は暑い、冬も比較的温暖 (北に比べて)
なぜか?赤道に近いから。赤道に近い場所からの暖流が暖かい海水を運ぶ。
影響は?
寒流とぶつかる場所(三陸沖)ではプランクトンが大量に発生、良い漁場が生まれる
本州南部、沖縄では台風の影響を受ける (強風を凌ぐ沖縄の住居の構造、利根川沿いの水郷地帯の早場米など)
暑さに強い植物(野菜、果物、穀物)の生育に適している。(雨からくる湿度が病害の原因になる可能性も高くなる)
人的要因の面では、
・利根川の流れは江戸の街を守るため、江戸に流れ込む流れを人為的に変えられて茨城・千葉方面を流れるようになった。
・加工貿易のため、鹿嶋では掘り込み港が作られ、工業が発達。
・佐賀の陶磁器は朝鮮半島の影響を受けている (地理的要因も)。
など。
ほとんどの重要事項はこんな感じで整理していけると思います。
紐づかないことや特定名称などはこの過程である程度は自然に身につくでしょうし、テスト的なことは最後の段階でしっかり詰めれば良いので。
ただ、こういった地学的な要素を前提として叩き込むには、
地球環境において日本列島がどこにあるか、標高の高低はどうなっているかなど、
繰り返し繰り返し問いかけ、考える必要があります。(地学の知識とのつながり)
大人にとっても簡単ではありませんが、いったんこれが身につくと、細かなことを覚えていなくても、ロジカルに導き出すことができます。
(ただし、単純な知識を問う問題に正解できるかどうかは分かりません。)
さらに、農業 = 植物を育てるもの。植物は光合成をするものだから、水、光(日照)が必要であり、発芽と完熟には一定水準以上の熱が必要であるという生物分野の知識とつながるものであることが理解できるようになります。(=理科のための理科ではない知識が得られる)
ちなみに、野菜の発芽条件などをなぜ夏野菜が夏に育つのか、冬野菜が冬に収穫できるのかがよく分かりますね。
子供の頃、祖父母が稲刈り以降に育てた大根を正月前後に収穫したものです。。
主な種子の発芽適温
15~20℃:レタス、ホウレンソウ
15~25℃:ニンジン
15~30℃:キャベツ、ダイコン、カリフラワー
20~25℃:ハクサイ、ブロッコリー、カブ
20~30℃:トマト、ナス、ピーマン、ゴボウ
25~30℃:キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ
https://agri.mynavi.jp/2018_
一見、高度で難解なことをやらせようとしているかもしれませんが、
広範囲で深い勉強をするには、骨格がしっかりできていた方が楽だと思います。
枝葉となる知識は覚えようとしなくてもその過程である程度身に付きますから。
どのようにこの学習を進めるか。
「できる子図鑑」、「できる子ノート」でまとめられているような、ノートづくりを楽しくやれたらいいなと思っています。
対比して表現できるもの、2軸くらいで表現できるもの。
うまくできるか分かりませんが、1−2週に1つのテーマを。
娘は絵が得意、特に表情やポーズを的確に表すイラストは客観的にみて秀逸なので、それを活用してうまくまとめられるようなテーマ設定をしていきたいなと思います。
テーマ選定が難しいので、一通りSAPIXの社会のテキストを読み込み、5年生の地理の教科書くらいを読もうとしているところですが・・。
初めは、「寒い地域、暑い地域」のような対極的な要素の表現ですかね。
この社会の勉強に使える時間を考えると、厳選する必要がありそうです。
1年で50本もやれないと思いますから。
うまく実現できて15−20本でしょうか・・・。
イラストに凝りすぎて他の勉強が進まない。その可能性も大いにあります。
理科の勉強の方向性も決めていかないといけませんね。
ただ、理科のサピックスの指導方針を見ても、観察、スケッチ、調べる、ということが4年生のテーマでもあるので、いろいろなものをしっかりスケッチさせるということは、うちの子にとっては楽しいことにつながっていくのではないかな、と思います。
あまりそういう視点で理科を考えていなかったので、これは新しい発見でした。