難関校合格への62の戦略 | 2025 中学受験に向けて

2025 中学受験に向けて

2024年1月現在・小学5年生の娘の中学受験までの学習、活動などを綴っていきたいと思います。SAPIX には新2年生から通塾中。

ある方のブログで紹介されていた難関校合格への62の戦略(熊野孝哉著)を読んでみました。

 

低学年のうちに知っておくべきこと、高学年になって改めて読み直すべきことが書かれていると思います。先取り学習、公文に対する対応も記載があり、中学受験を志すのであればできるだけ早めに読む価値はあるでしょう。

 

戦略というより、戦術、コツみたいな内容も多かったのですが、

今の我が家が記憶しておくべきポイントを5つ挙げてみました。

 

 

12  難関校受験生の多くは作業、読解、数学系の応用問題が手薄になっている
思考系の応用問題は4つに分類される。
1) 塾で学習する「受験算数」の延長で対応できる問題(算数系)
2) 主に作業力・処理能力が要求される問題 (作業系)
3) 主に読解力・整理能力が要求される問題 (読解系)
4) 数学的要素を含む問題 (数学系)
 
SAPIX の問題はこれらの要素に対応できているな、と感じます。
低学年は楽しむことを目的に、高学年とは違うという声も聞きますが、十分にエッセンスはあるのではないかと。場合分けで考える問題、順序立てて考える問題などは 2), 3) に通じる。
4) について、『数学的要素を含む(公式などの知識が必要ということではなく、思考の過程が数学的という意味で)タイプの応用問題で、感覚ではなく理詰めで考えることが要求されます。』とありますが、これは小学校受験で問われる推理・思考系の問題だったり、SAPIX でよく出てくるパズル系の問題が該当すると思います。
 
時折、“パズル系の問題は受験算数ではないからやる意味がない” という声を耳にするのですが、受験算数とはそもそもなんなのでしょうか・・・。
私が算数、受験算数というものを良く理解していないこともあるので、間違っているのかもしれませんが。
 
文部科学省には小学校の算数の目標として、次のような説明があります。
算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/san.htm
各学年ごとの難易度に合わせて、数と計算、量と測定、図形、数量関係、算数的活動、といった学習テーマがあります。面積や時間を計算するといった狭義の算数だけではなく、これらをベースに “日常の事象について見通しを持ち筋道を立てて考え” というのが算数の本質であり、受験算数とはこの目標を包含していると私は考えています。
“パズル” として片付けられてしまう問題の多くはこの目標から逸脱していないと思うのですが、違うのでしょうか?
(# もちろん、学校の教科書だけで複雑な受験レベルの応用問題に対応できるとは思っていませんが、負の数とか二次関数のような中学の数学は受験算数には一切必要ないと思っています。)
 
例えば、「最高レベル問題集」は、良問、難問揃いの良い問題集だとは思うのですが、少なくとも2年生、3年生の問題集では読解力や整理能力はそこまで問われていないと思いますし、見通しを持って筋道立てて理詰めで考えなければならない余地はそれほどない問題が多いと感じます。
「きらめき算数脳」や「デイリーサピックス」のような問題をこなしておかないと、4) を伸ばす素養は身につかないように感じます。
 
*筋道を立てて考える --> ゴールへの最短ルートを考える
こういったものの考え方ができるということは、プログラミングの素養があるということでもあります。
1万行のプログラムを1万行、100行に短縮して書ける力。コンピュータで300日かかるシミュレーションを、3日に、さらに43分で処理できるということにつながっていきます。
社会の生産性そのもので、人の命をより有意義なことに使うために不可欠なものです。
コンピュータに限りませんが、効率よいプロセスを考えることは全てに通じますね。
 
 
27  得意分野の「劣化」に注意する
これもありますね。得意だから、できているから、と思って練習量を減らすことで人並み以下になってしまう。忘れてできなくなってしまう。
 
 
30 「何問解けたか」ではなく、「解ける問題が何問増えたか」を意識する
テストは「もともと解ける問題が解けた事実を確認するだけ」になってしまう、確かにその通りだと思いました。解説を読んで理解できた問題と区分して、対応できることを増やす、それを確認していくことが大事ですね。
 
 
44  単発ではなく複数回の結果で判断する
平均点よりも中央値の方が実力を反映している。まさにその通りだと思います。
 
 
48 「普通に出来た」ことを評価する
スポーツでも同じですね。ファインプレーとかまぐれ当たりで結果を出すよりも、普通のプレーをどれだけ確実にできるかが大事。平凡なレベルの選手のエースボールはプロでも取るのが難しいことがありますが、プロは平凡なプレーのクオリティが高く、ミスが少ない。
レベルが低い選手ほど、会心のエースボールが自分の実力だと勘違いし、それが試合でできないことを「調子が悪かった」と言いますが、実力とは平時に確率的に最も多く出現する能力だと思います。まさに、"中央値" が実力値であって、"異常値" ではない
 
勉強で言えば、超難問が解けた、テストが会心の出来だった、というのは素直に褒めてあげていいと思いますが、普段通りできたこと、日常の計画をきっちりこなせたこと自体がそもそも評価の対象であるということだと思います。
いざという時に表面に出てくるのは会心のあたりではなく、日常の実力。