都内病院勤務の内科医による病気解説ブログ -5ページ目

バセドウ病バセドー病絢香はこんな治療をする

甲状腺の働きが活発になり過ぎるバセドウ病の治療は、甲状腺ホルモンが過剰につくられないようするものです。バセドウ病の治療方法には、抗甲状腺剤の内服、手術(甲状腺亜全摘術)、アイソトープ治療(放射性ヨード内服)の3つの治療法がありますが、病気の程度やライフスタイルによって選択は異なります。

はじめは抗甲状腺剤を服用し、個人差や病気の状態など経過を見て治療法を決めます。薬は長期服用する必要があるので、それが困難な場合は手術やアイソトープ治療も考えます。

どの治療法を選ぶにしても、ポイントは甲状腺ホルモンを正常な量にコントロールする事です。そして、甲状腺ホルモン量が正常になれば、健康な人と変わらない生活ができます。

 抗甲状腺剤の内科療法
病気の軽い人、甲状腺腫が小さい人などですが1年~数年間の服用が必要です。

 長所  ・外来治療 ・治療効果が可逆性 ・妊娠・授乳が可能
 短所  ・治療期間が長い ・實解率が低い ・副作用(白血球減少症、薬疹)
 適応  ・年齢の制限はない ・甲状腺腫の小さい人 ・薬を規則的に服用できる人

 甲状腺亜全摘術の外科療法
甲状腺腫が大きく、早く確実に治したい人ですが、入院が必要で傷跡が残ります。

 長所  ・短期に實解が得られる ・永久實解率が高い
 短所  ・入院が必要 ・手術瘢痕が残る
 ・術後の反回神経麻痺や副甲状腺機能低下症はまれ
 適応  ・若年者から中年者 ・薬の副作用がある人 ・甲状腺腫が大きい人
 ・甲状腺腫瘍の合併している人 ・社会的事情(早期に確実に實解希望の人)

 アイソトープの放射線療法
50歳以上で甲状腺腫が小さい人ですが、将来甲状腺機能低下症になる可能性があります。

 長所  ・治療が簡単 ・永久實解率が高い
 短所  ・妊娠中、授乳中は不可 ・晩発性甲状腺機能低下症の発生が多い
 適応  ・50歳以上の人 ・手術後に再発した人
 ・3ヶ月以内に妊娠の可能性のない人


治療中何か症状が出現した時は、甲状腺ホルモンが変動した可能性がありますので、必ずお申し出て下さい。また同じ自覚症状があっても、他の病気でも出現する可能性がありますので、追加の検査や薬が必要な場合があります。

3種類のいずれかの治療を選択し、治療効果が現れれば症状はほとんどなくなります。日常生活では、運動・仕事・妊娠・授乳など健康な人と同じように何でも出来るようになり、日常生活で制限等は一切ありません。

バセドウ病バセドー病絢香の病気の説明

バセドウ病について
甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病です。この病気は、甲状腺臓器の特異性な自己免疫疾患のひとつで、1000人中2~6人いると言われており、女性患者が男性患者より5倍と多いのも特徴としてあげられます。

甲状腺ホルモンの図 甲状腺機能異常があると、全身にさまざまな症状が現れます。

まず新陳代謝が活発になり、その為に常にジョギングしているような状態で、脈拍が速く、汗が多く、暑がりで疲れやすくなる、37.5℃前後の微熱といった症状が現れます。

精神的には、落ち着きが無く、いらいら感や不眠になり、食欲が増しても体重が減ってしまう人や、むしろ食べ過ぎて体重が増えてしまう人もいます。

顔つきや目つきがきつくなったり、眼が出てくる眼球突出はバセドウ病の代表的な症状ですが、眼球突出をきたす割合は3割程度です。特に喫煙している方に多く禁煙することが重要です。

甲状腺腫の写真 甲状腺腫とは、甲状腺が腫れて大きくなっていることで、甲状腺の腫れは首が太くなってきて気づきます。しかし、自分の顔は毎日鏡で見ているのにその下の首は、かなり腫大しても気づかない事があります。

又、60歳以上の高齢者は甲状腺が腫れにくい為、甲状腺疾患が見逃される理由の1つだと思われます。


 バセドウ病はなぜ起きるか
体質の変化により、自分の甲状線を異物とみなして、甲状腺の細胞の表面にあるTSHレセプターに対する自己抗体(TSHレセプター抗体、TRAb)が産生されます。

このTRAb が甲状腺のTSHレセプターにくっつくと、常に甲状腺を刺激する為に、甲状腺ホルモンを作り続けるバセドウ病になると考えられています。
TSHレセプターの画像


 バセドウ病の症状
甲状腺ホルモンが必要量より大量に産生され、血液中に多く流れ全身の新陳代謝を活発にさせる為に、以下のような様々な症状が現れます。

 全身症状  暑がり、疲れやすい、だるい、体重減少、又は体重増加
 体温  微熱
 顔つき・首  目つきがきつい、眼球突出、複視、甲状腺腫大
 神経・精神症状  イライラ感、落ち着かない、集中力低下、不眠
 循環器症状  動悸、頻脈、心房細動、心不全、むくみ、息切れ
 消化器症状  食欲亢進、食欲低下、口渇、軟便、排便回数増加
 皮膚  発汗、脱毛、かゆみ、皮膚が黒くなる
 筋骨症状  脱力感、筋力低下、骨粗鬆症、手足のふるえ
 周期性四肢麻痺(男性のみ)
 月経  月経不順、無月経、不妊
 血液値  コレステロール低下、血糖上昇、血圧上昇、肝障害


イチロウが胃かいよう胃潰瘍ってどんな病気か解説します

胃潰瘍胃かいよう

社会の多様化、複雑化がすすむ現代では、多くの方がストレス性の潰瘍に悩まされています。
今回は胃潰瘍について説明します。
胃潰瘍の原因
自分の胃液によって、胃・十二指腸の粘膜を自己消化してしまい、部分的に組織の欠損が起きた状態が、胃・十二指腸潰瘍で、消化性潰瘍とも呼ばれています。
胃潰瘍は、中年以降に多く、また、十二指腸潰瘍は、青年・壮年に多くみられます。
男女差では、男性に多いのが特徴です。消化性潰瘍と一口にいっても、短期間で治るもの、手術が必要なものなど、程度によって治療の方法は異なります。
コントロールしにくい、精神的ストレスが、多くの場合、その主因であるため、胃・十二指腸潰瘍の治療や再発防止には、医師の指示のもとで、しっかりした治療を受けなければなりません。
最近、欧米ではヘリコバクター(Helicobacter pylori)と言う菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発や悪化に関係があるとされ、その除菌治療が十二指腸潰瘍の再発防止に極めて有効とする報告が数多くなされています。ただ、除菌による再発防止のメカニズムにはまだ不明の点が多く、一方、胃潰瘍では除菌と再発防止の関連は十二指腸潰瘍ほどはっきりした成績は得られていません。
現在のところわが国ではヘリコバクター除菌の是非についてのコンセンサスは得られていませんが、ヘリコバクターの影響がある症例も現実で、今後の課題だと思います。


胃潰瘍の症状
一般症状・局所症状ともに胃潰瘍に特異的なものはありません。
潰瘍の自然歴のなかで、比較的古い、再発を繰り返した潰瘍においては食後の心窩部痛(みぞおちの痛み)、胸やけなどの定型的な症状を示しますが、高齢者では痛みを自覚しない場合もあり、不定愁訴や吐血が初発症状の方もあります。

胃潰瘍の診断
 自覚症状だけでは胃潰瘍の確定診断は出来ませんし、胃癌などでも心窩部痛、胸焼けもありますので、必ず検査が必要です。
 検査としては胃透視と胃内視鏡検査があります。
胃透視はバリウムという液体を飲んでいただき、レントゲンで潰瘍部のバリウムの溜まり(ニッシェ;影)を見つけます。胃透視だけでの診断には限界がありますので、出来れば内視鏡の併用が必要です。
内視鏡検査は潰瘍の存在診断のみならず、潰瘍の病期、すなわち活動期(A stage図-1)、慢性退行期(H stage図-2)、瘢痕期(S stage図-3)などを診断できます。
下の内視鏡写真は胃潰瘍の治癒過程です。39歳男性で、図2は2週間後、図3は1ヶ月後です。H2 stageといえます。この症例の1年後の再発写真は後半にあります。
 図-1 図-2 図-3
 また潰瘍縁や周辺の粘膜の不整な状態から,良悪性を鑑別できますし、悪性の可能性が有ればすぐに生検(顕微鏡による病理検査)も行えます。
出血を伴う胃潰瘍では内視鏡的な止血術も可能で、胃潰瘍の検査には欠かすことは出来ません。
初めての方は検査に少し苦痛はありますが、最近の内視鏡は細く、苦痛も減り、最近の電子内視鏡検査では、検査後にすぐに写真を見ることが出来ます。

胃潰瘍治療の実際
a. 一般療法
 潰瘍患者さんでは、生活環境と潰瘍の発生・再発に因果関係を認めることが少なくないため、因果関係の推測できるストレス因子があれば、その除去を考えます。
b. 食事療法
 酸分泌抑制薬の適切な内服下では、原則として食事制限は不要です。刺激物を控える程度でよいでしょう。
c. 嗜好習慣
 主として喫煙とアルコールが問題とされてきましたが、ほとんどの例で潰瘍の治癒遷延化・再発因子とは認められません。したがって、再発との関連が濃厚な例に限って制限します。
d. 薬剤
 消炎鎮痛薬では胃潰瘍を引き起こす可能性がありますが、そのほかにも副腎皮質ホルモン、糖尿病薬、抗生物質、降圧薬など多くの薬剤が潰瘍の発生と難治化に関係しうると考えられます。
 しかし、一般的には酸分泌抑制薬が適切に内服されておれば処方を神経質に回避する必要はありません。これら薬剤は基礎疾患に対し継続投与の必要なことが多く、潰瘍との関連性が強い場合には、より胃粘膜障害の少ない薬剤への変更、酸分泌抑制薬の増量または制酸薬、粘膜被覆薬との併用を試みます。ただ消炎鎮痛薬では坐薬でも胃粘膜障害を引き起こす例があることを知っておくべきです。
e. 薬物療法
H2(エッチツウ)プロッカーと言う酸分泌抑制薬が胃潰瘍に使われだして、胃潰瘍の薬物療法は全く変わりました。潰瘍の治癒率もあがり、胃潰瘍で胃の手術を受けることはほとんどなくなりました。
H2プロッカーには、最初のタガメットに始まり、ガスター、ザンタック、アルタット、など多くの薬剤が開発されています。
また最近ではPPIというH2プロッカーよりもっと制酸機能の強い薬剤も発売され早くかつ高い治癒率をもたらしています。
維持療法胃潰瘍に対し防御因子強化薬を初期治療から併用すると質の高い潰瘍治癒が得られ再発の抑制につながるという成績があります。また治癒後の維持療法に用いると再発抑止に有用だといわれています。

割礼と包茎の種類と包茎手術、仮性包茎

通常、包茎とは大人になっても包皮が亀頭を覆ったままの状態を指します。
大きく分類すると≪仮性包茎≫≪カントン包茎≫≪真性包茎≫の3つのタイプに分けることができます。

ペニスの基本構造
ペニスは、陰茎と亀頭に分けることができます。さらに、表面は皮膚に包まれ、その内側の組織とゆるく結合しているため、移動性に富んでいます。この皮膚で亀頭を包む部分が包皮です。通常、子供の段階では包皮は亀頭を覆っていますが、大人になるにつれ徐々にむけはじめ、亀頭が露出してきます。

包茎には3つのタイプがあります

仮性包茎

■仮性包茎(早めのご相談を)

もっとも多い包茎のタイプで、平常時は包皮が亀頭を覆っています。手でむくと亀頭を簡単に露出させることができます。勃起するとほとんど亀頭が自然に露出する正常に近い仮性包茎から、勃起してもほとんど皮を被ったままの重度の仮性包茎まであります。

カントン包茎

■カントン包茎(できるだけ早めのご相談を)

平常時には亀頭をどうにか露出させることはできます。しかし包皮の出口が狭いため、無理にむいたりすると、包皮口が亀頭の根元を締めつけ元に戻すことができなくなります。その結果、大きく腫れてしまうこともあります。

真性包茎

■真性包茎(すぐにでもご相談を)

包皮口が非常に狭く、平常時でも手でむくことができません。亀頭が常に覆われているため、亀頭の成長を阻害し、いわゆる先細りのペニスになってしまいます。正常なセックスは不可能で、絶対に早期の手術が必要です。

正常なペニス

正常なペニス

平常時に包皮が亀頭の傘の下までむけていて、亀頭が常に露出しています。ただし、勃起時に包皮の長さがピッタリのものから、ややあまり気味のものまで、さまざまです。余り気味だと、徐々に性感が妨げられ、精力の低下を招くことがあります。

包茎を放っておくと…

包茎は病気ではありません。しかし、包茎であるために、仲間や女性とのコミュニケーションの輪に入るのをためらっているとしたら、楽しい青春時代も台無しです。包茎でいいことなんて一つもない、というのが現実です。一日も早く、どこに出しても恥ずかしくない男性自身と、男の自信を手に入れましょう。

  1. 亀頭の発育が遅れ先細りになりやすい
  2. 余った皮がペニスの性感を低下させる
  3. 性感の低下で、インポになりやすい
  4. 亀頭が敏感なため、早漏になりやすい
  5. 亀頭が露出しないので、内側にカスが溜まりやすい
  6. 溜まったカスが酸化し、悪臭を発する
  7. 通気性が悪くばい菌の温床になり、性病にかかりやすい
  8. 亀頭にコンジロームや白いブツブツができやすい
  9. セックスの際、亀頭が充分に機能を発揮しにくくなる
  10. 包茎コンプレックスから異性に対して消極的になりやすい

男の割礼と包茎手術について

 男性の割礼が、性器ヘルペスやがんの原因にもなるウイルス感染のリスクを軽減することがわかった。米国とウガンダの研究チームが25日、発表した。

 医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載されたこの研究は、2つの臨床試験で合計3000人以上の成人を対象に行われた。それによると、割礼をすることで、異性間の性交渉で性器ヘルペスに感染するリスクは25%減少し、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染するリスクは約30%減少することが分かったという。


 HPVは、世界で最もよくみられる性感染症で、毎年30万人の女性が死亡している子宮頸(けい)がんの原因にもなっている。


 この研究に資金を提供した米国立衛生研究所のAnthony Fauci氏によると、これまで、割礼によって異性間の性交渉によるHIVの感染リスクが半減するという研究結果は示されてきた。しかし、米国では割礼をする人の割合は減少。同氏は「新たな研究で、割礼が性器ヘルペスやHPVの感染にも効果があるという有力な証拠が示された」と述べた。


 この研究で、HIVやHPVの感染率が高いアフリカなどの開発途上国では、割礼を予防策として用いることができる可能性も示された。


 2007年以降、世界保健機関(WHO)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、異性間性交渉によるHIV感染が広がっている地域では、感染リスクを低減させることができるとして割礼を推奨している。



ヘルペスについてなど

ブログにのってるので、よかったら御参考に