都内病院勤務の内科医による病気解説ブログ -4ページ目

パニック障害の症状

パニック障害(ぱにっくしょうがい)

身体的疾患が認められないにもかかわらず、動悸、めまい、息苦しさ、振るえなどが起こり、このままでは命の危険があるのではないかと感じられるパニック発作を経験した後に、再びパニック発作が起こるのではないかという不安や恐怖が高まったり、パニック発作を経験した場所や状況を避けて生活したりするようになる病気。
(例)電車の中で突然過呼吸が起こり、以後電車に乗ることが怖くなり、電車に乗ることを避けるようになる。治療としては、薬物療法 による症状の緩和や、 カウンセリング による不安や恐怖心の除去が主なものとなります。

糖尿病について詳しく解説しました。少し専門的ですが、理解しておくことは大切なことです。

糖尿病(2型糖尿病)

糖尿病とは、血中のブドウ糖(グルコース)濃度、つまり「血糖」が高い状態が続く病気です。食事で摂取する糖分は消化され、血中に入り、ブドウ糖として体内で使われますが、膵臓から血中に出るインスリンによって血糖は調節されています。このインスリンの働きが不十分だと血糖値は高くなります。

高血糖でははじめはほぼ症状のない人がほとんどですが、口渇感、頻尿(多飲多尿)などの症状が現れてきます。そしてそのまま放置していると、全身の様々な臓器に様々な障害をもたらします。糖尿病加療も高血圧加療と同様に血糖自体を下げるのが最終目標ではなく、糖尿病による合併症を防ぐのが加療の目的です。合併症は主に、眼障害、腎障害、神経障害です。眼障害、つまり糖尿病性網膜症は悪くなると失明に至ります。腎症も悪くなると人工透析(人工透析の原因のトップは糖尿病です!) をしなければならなくなります。神経障害は、知覚障害、膀胱排尿障害、勃起障害(ED)などが起こりえます。また血管障害により下肢の壊疽をきたし下肢を切断しないといけないとか、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすとか、とにかく合併症が起きれば生活の質や生命にかかわる重症となります。また糖尿病が進むと免疫力が低下し、様々な感染症を引き起こしやすくなり、敗血症に至ることもあります。


当院での糖尿病の診断は血糖値を調べることで行います。空腹時血糖値126mg/dl以上(随時血糖値200mg/dl以上)を参考にして、糖尿病かどうかを診断します。またHbA1cが6%を超えているかどうかも糖尿病の診断と糖尿病コントロールの参考にしています。


次に治療ですが、これには食事・運動療法、薬物療法があります。食事・運動療法が治療の基本ですが、これでコントロールが不良のときには薬物療法を併用します。


食事療法ではまず1日のカロリー摂取量を重症度や体格などから決めます。その中で炭水化物、蛋白質、脂質やその他のビタミンなどをバランスよく摂ります。これはカロリー摂取を決める簡単な一例ですが、体重(kg)÷{身長(m)の2乗}(BMIという)が22程度を標準体重といい、標準体重1kgあたり25~30kcalを目安として一日のカロリー摂取量を決めます。またジョギングや水泳などの適度な運動療法の継続も糖尿病加療とその予防には不可欠です。


薬物療法には経口血糖降下剤を使用する場合とインスリン注射を使用する場合があります。当院では基本的に薬物療法は経口薬のみの加療を行っておりますが、食事・運動の必要な程度は個人個人によって非常に多様なため、食事・運動療法指導に関しては患者さんの個人個人に合わせて細かく行っています。

高脂血症というのはなんで放置しておくとだめなんですか

 高脂血症というのは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(代表的なものはトリグリセリド)が、多過ぎる病気のことです。「血液の中にアブラなんかあるの?」って思うかな。だけど、血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質がとけこんでいるんです。
 ところが、血液中の脂肪が異常に増えても、ふつうは、痛くもかゆくもないんです。だから、自分では全然気づかないし、「高脂血症です」といわれても、それが何を意味するのかピンとこない人が多い。それで、そのまま放置してしまうんですね。
 じゃあ、放置したらどうなるんだろう。増えた脂質がどんどん血管の内側にたまって、動脈硬化になってしまいます。ところが、動脈硬化になっても、まだ自覚症状がありません。ついには、心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こして、やっと高脂血症の重大さに気づくというわけですね。
 血液中にある4種類の脂質のうち、多過ぎると問題なのは、コレステロールと中性脂肪です。高脂血症には、

(1) コレステロールのみが多いタイプ(高コレステロール血症)
(2) 中性脂肪のみが多いタイプ(高中性脂肪血症)
(3) 両方とも多いタイプ(高コレステロール高中性脂肪血症)


の3タイプがあります。
 

血液中の総コレステロール、とくにLDL(悪玉)コレステロールが多過ぎると、動脈の壁にくっついて動脈が厚く硬くなります。だから、高コレステロールが動脈硬化にとって大問題なことは明らかですね。
 中性脂肪は、それ自体は動脈硬化の原因にはなりません。だけど、中性脂肪が多いと、HDL(善玉)コレステロールが減ってLDLコレステロールが増えやすくなるんです。だから、間接的に動脈硬化の原因となります。また、中性脂肪の多い人は、あとで話す「死の四重奏」と呼ばれる危険因子をいくつも持っていることが多いんですね。
 どのタイプかによって治療も違ってくるので、お医者さんは患者さんがどのタイプかを、きちんと診断して、指導や治療を行います。




   
いいや。多過ぎることは問題だけど、コレステロールや中性脂肪自体は大事なものなんですよ。
ふつう、血液中に含まれているものは、からだになくてはならないものです。脂質も大切な栄養素で、コレステロールは細胞や細胞膜の重要な成分だし、ホルモンや胆汁酸などの材料にもなっているんです。
   
人の体にある体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪があります。太ももやお尻につくのは皮下脂肪が多く、太るとおなかのまわりに増えてくるのはおもに内臓脂肪です。
体脂肪は脂肪細胞がたくさん集まったもので、脂肪細胞にはあまった中性脂肪がたくわえられています。いわば非常用のエネルギーの貯蔵ですね。また脂肪細胞は、内臓のまわりについたりもします。
太ると目の敵にされる体脂肪ですが、少なすぎてもこまります。寒さや熱から身を守る断熱材や、振動や衝撃から内臓を守るクッションの役割も果たしているためです。女性の場合、ダイエットしすぎて体脂肪が極端に減ると生理が止まることもあります。

絢香が発表したバセドウ病 その原因と治療方法

絢香が発表したバセドウ病 その原因と治療方法
シンガーソングライターの絢香が、結婚会見で「バセドウ病」であることを公表した。先日、概要の説明はしたが、ここでは病気になる原因とその治療について考えたい。

 バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気であり、若い女性に比較的多い。甲状腺は、のど周辺にあり、気管を囲むような形で存在している。ここでつくられる甲状腺ホルモンは、発育や成長、新陳代謝を活発にするために欠かせないホルモンだが、過剰につくられると、首の腫れ、不整脈、高血圧、イライラ、のどの渇きなどさまざまな症状があらわれる。これがバセドウ病である。

 バセドウ病は、リウマチや膠原病などといった自己免疫疾患の1つであるが、いずれも根本的な原因がはっきりわかっていない。親から受け継ぐ遺伝的な要因もあるようだが、生活リズムの乱れなど、環境的な要因にも大きく影響されるようである。

 難病と考えられやすいバセドウ病だが、適切な治療により、治すことも十分可能である。もっとも一般的なのは薬物療法であり、1~2年ほど薬を服用し続けて、徐々に薬の量を減らしていくというものである。他にも放射線治療や手術療法などの治療法が確立されており、決して治すことが不可能な病気ではない。

 他人事のようなイメージがあるかもしれないが、バセドウ病をはじめとする自己免疫疾患は、どんな健常人であっても、突然発症する可能性を秘めている。原因は完全に解明されたわけではないがが、やはり規則正しい生活が何よりの予防になるようだ。しっかりと休息をとり、ストレスを発散するリラックスを心がけよう。

 まだまだ謎の多いバセドウ病だが、現在は医学の進歩のおかげで、通常の生活をおくることもできる。絢香も適切な治療を受けることで、今後も変わらぬ活躍を期待したいものである。

結核ハリセンボンがかかった病気の症状について

結核の症状とは?

結核の症状ですが、

呼吸器症状と一般症状があります。

呼吸器症状
・咳
・痰
・血痰
・喀血
・胸痛
・呼吸困難

3週間以上続く咳は、重要な指標となっています。

3週間以上咳が続いたら、結核を疑ってみることも必要となってき

ます。

一般症状
・発熱
・発汗
・体重減少
・食欲不振
・倦怠感

などです。

結核は、感染しても潜在性に進行していくので、

初期には無症状のことが多いです。

ある程度進行してくると症状がみられはじめ、

一般症状や呼吸器症状がでてきます。

長くつづくかぜ症状のときは結核を

疑う必要があります。

また長くつづく咳(3週間以上)も結核を

疑う必要があります。