相談から地域猫へ | 特定非営利活動法人C.O.N

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地域猫活動、公営住宅とペット、ペット防災、多頭飼育崩壊、高齢者とペット問題など、人と猫にまつわる様々な社会課題に取り組んでいます。高齢者とペットの安心プロジェクトは5年目になりました!人と動物が共に生きる、ワンウェルフェアの実現を目指しています。

 

最近、新しい猫がきているので、

また捕獲お願いできますか?

との連絡が入り、

ある地域猫現場へ

久しぶりの訪問です。

 

 

一昨年の夏、


雨に濡れた腐ったパンを食べてる

子猫を見かけます。

何かできることはないでしょうか?

という相談が始まりでした。

 

 

そこには、

10数匹の猫がいて、

エサもあまりなく、

猫たちが生きていくには

大変そうな場所でした。

 

 

 

 

 

 

 

まったく不妊手術ができてないのに、

それほど頭数が増えていないのは、

子猫が育たない環境だろうと

思いました。

 

 

 

ひとまず、

町会に不妊手術をすることを伝え、

周辺に、TNR実施のチラシを配布しながら

地域の方とやり取りしていると、



半年ほど前、

近くのプレハブで

おじいさんが孤独死し、

そこにたくさんの猫がいたよ

という話が聞こえてきました。

 

 

すぐ

その場所へ行きました。

トラックがバンバン通る

大きな道路の傍に

おじいさんのプレハブがありました。

 


なぜ、こんなところに?




おじいさんが亡くなり、

外に出されて

さまよった猫たちは、

ほとんど車に轢かれたそうです。

 

 

 

 

 

 

あれこれ聞いていたら、

おじいさんがなぜ

こんな仮設住宅みたいなところに

住んでいたのか、

その理由もわかってきました。

 

 

 

もともと、おじいさんは、

少し離れた住宅街の

一戸建てに住んでいたそうです。

 

 


庭にやってきたノラ猫に

エサをあげたのがもとで、

猫がどんどん増えてしまい、

ご近所トラブルに発展。

 

 

 

 

 

さらに、ノミの大発生で、

事態はますます悪化しました。

家の中もノミだらけになり

介護状態にあったおじいさんの親族にも

被害が及んでしまいました。

 

 


保健所に相談したんやけど、

餌をやらないでください

と言われただけで・・・




事態を改善できるような

助言はなかったそうです。

 

 



エサやりをやめられなかった

おじいさんは、

猫たちを連れて

家を出ていったそうです。

 

 


ノミの発生なんて

なんとかできることなのに・・・

 



 

 


誰かのサポートがあれば

プレハブになんて

住まなくてもよかったのに。



猫たちが、

こんな不幸な目にあうことも

なかったのに。

 

 

 

おじいさんの親族の方は、

私の心情を察したのか、

可哀想なことをしたんです、

と言いました。

 

 

 

 

 

 

当時、

相談のあったその場所には、

首輪をつけたキジトラが

1匹いました。

 

 

人馴れした表情で、

ボロボロの水色の首輪を

つけていました。

 

 


最初、捨て猫?と思っていた

首輪のキジトラは、

おじいさんの猫でした。

 

 

 

親族の方は、

水色の首輪の猫はいたけど、

生きているはずないと

言いました。




でも、なんとか、ここまでたどり着いて

生き延びていたのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

多頭飼育や

高齢者とペットの問題や

野良猫問題や、、、

 

 

もっと早く分かっていたら、

助けられた

と思うケースに、

数多く遭遇してきました。

 


 

早期発見、

早期介入、

本当に

何より重要です。

 


 

 

 

 

すべての猫のTNRと子猫の保護を終え、

その後は、相談者さんが中心となって

猫たちのお世話をしてくれています。

 
 

十分なエサをもらい、

常に清潔に

管理されています。

 

 

 

 

 

 

 

帰りに

その場所を覗いてみると、

エサですか?と

コテツがやってきました。

ふっくらして、毛艶もよく、

とてものんびりした様子です。


 

住人さんのトゲトゲした

空気も無くなっている気がしました。

 


 

一本の相談から約2年。

お世話をしてくれる人たちのおかげで、

地域もこんなに変わるんだと

あらためて感じました。

 

 


早期支援、

早期介入。



そのために、 

まず、困った時、誰もが相談できる

その仕組みが必須です。