人生の最後に | 特定非営利活動法人C.O.N

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地域猫活動、公営住宅とペット、ペット防災、多頭飼育崩壊、高齢者とペット問題など、人と猫にまつわる様々な社会課題に取り組んでいます。高齢者とペットの安心プロジェクトは5年目になりました!人と動物が共に生きる、ワンウェルフェアの実現を目指しています。

5月19日、

今日、高齢者さんは

施設にいきます。




ここから車で2時間はかかりそうな

とても遠いところですが、

チビといっしょに

入れるそうです。




わたしは、チビを無事に

キャリーケースに入れるために

11時に到着しましたが、

出発の時間が大幅に遅れるらしく、




約5時間、玄関先で

高齢者さんとお話をしながら

過ごすことになりました。







高齢者さんが編んだ

きれいな膝掛けを見せてもらったり、

昔のアルバムを

見せてもらったり、




お宮参りの写真

家族写真

修学旅行の写真

入社した時の写真

ウェディングドレスの写真など

高齢者さんの人生が

つまっていました。



玄関の傘立てには、

色違いのレースの日傘。

とてもおしゃれな方なんだと

わかります。



高齢者さんは、

アルバムの写真を

一枚一枚

説明してくれて、




私の人生も長くてあと5年、

チビと二人静かに暮らせたら・・

と言いました。




高齢者とペットの現場では、

多頭飼育崩壊とは

まるで違う景色が見えてきます。








もともと、チビは河原にいた猫です。

高齢者さんは

チビが子猫の時から

10年間エサやりを続け、

4年前の引越しの時に保護して

いっしょに

ここにきたそうです。







出発の時間が近づき、

キャリーケースには絶対入らない

と聞いていたチビでしたが、

あっさりと

ネットをかけさせてくれました。




とても不安な表情とは裏腹に、

チビは、

高齢者さんといっしょに

施設に行くと、

覚悟を決めているようでした。




施設のお迎えの車がきて、

高齢者さんは、

たくさんの洋服や家具や生活用品や

ほとんどの荷物を残し、

チビとふたり行きました。




私たちに

バイバイと手を振って、

チビとふたり、

行きました。




人生の最後に

チビだけを

選んで。