議会から動き出した「同伴避難」と「動物愛護推進員」 | 特定非営利活動法人C.O.N

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 平成25年9月12日
 尼崎市9月議会 定例会(第二回)


 
 

 『それでは、次に動物愛護法についてお伺いいたします。』

 ◆ 仙波幸雄 議員

  
   
 平成23年3月11日に起こった東日本大震災は、人間だけ
 ではなく多くの動物の命も奪い、被災した動物たちが取り
 残されました。
 そして、当てもなく放浪するしかありませんでした。

 現地には救援本部ができ、多くのボランティアが入って保
 護したりえさを配ったりして、動物たちの命を支えてきま
 した。

 その様子は、宍戸大裕監督の映画「犬と猫と人間と2」に
 記録され、現在、全国で順次上映されています。
 宍戸大裕氏は宮城県出身で、被災して無残な光景が広がる
 ふるさとで、取り残された動物たちと救護に走り回るボラ
 ンティアの人たちと会ったことによって、記録を将来に
 残さないといけないという思いで600日にわたって、必死
 に生きようとする人と動物たちの記録を取り続けました。
 
災害に遭遇したとき、人を救済するのが精いっぱいで動物
 まで手が回らない、そんな余裕がないというのが一般的な
 考えかもわかりません。

 しかし、災害が起こるまで家族の一員として過ごしてきた
 ペットたちが主を失ったらどうしたらいいんでしょうか。
 あるいは、人は避難できたけれどもペットは放置された
 ままになればどうしたらいいのでしょうか。

 環境省は、自治体が独自のマニュアルをつくる参考にと
 災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを作成し
 ました。本市としても、災害時における被災動物の救護
 対策を考えておく必要があると思いますが、いかがでし
 ょうか




   医務監(清水昌好君)
 本市といたしましても災害時における被災動物の救護対策
 を考える必要があるかと思うがいかがかということについて
 御答弁申し上げます。

 本市では昨年、兵庫県が平成20年3月に策定した動物愛護
 管理推進計画に基づき、県内において東日本大震災のような
 大規模な災害が発生した場合に、被災動物の救護活動が
 円滑に行われるよう、県内で動物愛護管理行政を所管する
 兵庫県、神戸市、姫路市、西宮市とともに、動物の救護活動
 を担う兵庫県獣医師会等4団体との間で災害時における動物
 救護活動に関する協定書を締結いたしました。


 協定書における活動の内容といたしまして、放浪動物や被災者
 が飼えなくなった動物の一時保管や新たな飼養者への譲渡、避
 難所等でのえさの配付などが定められておりまして、災害時に
 は、この協定に基づきまして、被災動物の救護活動を迅速かつ
 円滑に行ってまいりたいと考えております。
 
 
 ◆ 仙波幸雄 議員
 
 
 22年2月7日に兵庫県と動物愛護関係4団体と締結したんです
 けれども、尼崎市はそれから2年後の平成24年に神戸市、姫路
 市、西宮市と加わったということになるんです。

 今言われました内容の中で、救援本部の活動拠点として兵庫県
 動物愛護センター及び同センター支所並びに県・市が指定する
 施設を活用するということなんで、尼崎市動物愛護センターも
 そこに入るということになるんですか。

 もしも他都市でそういう災害が起こって受け入れなければいけ
 ないとなった場合はどうでしょうか。
 

   医務監(清水昌好君)
 災害の状況にもよると思いますけれども、動物愛護センターも
 一つの大きな選択肢として入るものと考えております。
 

 ◆ 仙波幸雄 議員
  
  
 
ですから、私は今最初に、そういったケースの場合の対策を
 やっぱり考えておかないといけないんではないかなというこ
 とで質問したわけです。

 災害時の動物救護対策ですけれども、各市には地域防災計画
 があるんです。その地域防災計画の中に動物対策というのが
 書かれているんです。

 本市の地域防災計画は、私もずっと見ましたけれども、全然
 何も記載がないんです。


 取り残された動物たちが野生化して人に危害を与える存在に
 なったりとか、あるいは同行避難できれば被災した人を癒し
 てくれる存在にもなるわけです。

 被災すれば飼い主はペットとともに避難所に来るでしょうし
 そのときどのように管理をすればいいのか、また、例えば特
 定動物、そういった動物はどうするのか、平時に検討して決
 定しておかなければならないことがありますけれども。

 尼崎地域防災計画の中に動物対策を盛り込むべきであると考
 えます。いかがでしょうか。

 


   防災担当局長(衣笠年晴君) 
 災害時に避難住民が避難所にペットを連れてくることは十分
 想定されます。
 また、飼い主と離れ離れになったペットが市内に多数発生す
 ることも予想されます。
 また、ペットの対応については兵庫県の避難所管理運営指針
 においても記載をされております。

 これらのことから、現在作業を進めております尼崎市地域防
 災計画の見直しの中で、同指針等を参考に被災動物に係る方
 向性を示していきたいというふうに考えております。

 
  

 ◆仙波幸雄 議員
 
  
 
災害時の動物救護活動には、獣医師や民間の愛護団体など
 さまざまな人材が必要になります。その一翼を担うと期待
 されております動物愛護推進員は、まだ尼崎ではできてい
 ないと思うんですけれども、現在はどうなっているんでし
 ょうか。



   医務監(清水昌好君)
 都道府県知事、政令市長及び中核市長は、動物の愛護及び
 管理に関する法律に基づき、地域における犬・猫等の動物
 の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛
 護推進員を委嘱することができるとなっております。

 また、推進員の活動内容は、住民からの求めに応じて犬・
 猫等の不妊去勢手術の有効性についての助言、譲渡に関す
 る支援などでございます。

 現在、本市において動物愛護推進員制度は実施しておりま
 せんが、昨年度、動物愛護管理推進協議会におきまして推
 進員の役割について一定の整理がなされたことからそれら
 を参考といたしまして、行政と動物愛護推進員が有機的な
 連携が図れるよう内部検討を行い、今年度中に制度化を目
 指してまいりたいと考えております。



 ◆ 仙波幸雄 議員
  
  
  
 今年度中に募集してやるということですね。
 動物の愛護や人に迷惑をかけない適正な飼育を飼い主が
 行っていくことを助言したり指導したりするために動物
 愛護管理法に動物愛護推進員制度があるわけなんです。

 けれども、協議会ができてからもう随分たちますし、推
 進員についての話も大分やっていると思うんですけれど
 も迅速に推進員の募集、また委嘱を行って動物愛護の専
 門家の養成をお願いしたいと思います。

 現在は、もう推進員に対する教育のマニュアルみたいな
 のはできているんでしょうか。




   医務監(清水昌好君)

 マニュアル等ができるかについては現在ちょっと承知
 しておりませんけれども、今年度中に推進員さんの研
 修等あるいは講習会等を実施してまいりたいというふ
 うに思っております。


 ◆ 仙波 幸雄 議員 
 
 
 質問はこれで終わります。
  

                                                (尼崎市議会 会議録)