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86～87年にかけては坂本龍一の精力的な活動と、高橋幸宏の堅実な活動が目立ちます。一方、細野晴臣は自身のユニット「Friends Of Earth」への不評と、86年3月の骨折に端を発する半活動休止、テイチクとの契約解除などこの年は目立った活動が見られません。
坂本龍一86年の6thアルバム「未来派野郎」はブレードランナー的なサイバー・デジタル・ポップの名盤。YMO時代の内省的なイメージを覆すためか、この時期は汗をかく肉体派のロック・アーティストへの転向をアピールしています。
坂本龍一 / 未来派野郎 (LP)
こちらは同アルバムの先行シングル「G.T.」。「肉体派路線」はこの年の「メディア・バーン・ライヴ」が総決算となりますが、今回入荷はなしです。
坂本龍一 / G.T. (7inch)
坂本龍一が手掛けた唯一のアニメーション映画のサントラ「オネアミスの翼」。ご存知「オタキング」こと岡田斗司夫の「ガイナックス」制作の名作です。こちらはサントラに先行してリリースされた「イメージ・スケッチ」12インチ。
坂本龍一 / オネアミスの翼 イメージ・スケッチ (12inch)
87年坂本はよりワールドワイドな活動のため「ミディ」から「CBSソニー」へ移籍。初の世界同時発売となった「NEO GEO」をリリースします。後の坂本のパブリック・イメージのひとつとなる「沖縄」もこのアルバムからふんだんに採り込まれ、まさに「世界水準」の名盤に仕上がっています。
坂本龍一 / NEO GEO (LP)
こちらはアルバムのコア曲「RISKY」の12インチシングル。イギー・ポップをヴォーカルにフィーチャーし、CMソングにも使用されました。
坂本龍一 / RISKY (12inch)
86年高橋幸宏はまず元ジャパンの盟友スティーヴ・ジャンセンとのコラボレーション「ステイ・クローズ」で幕を開けます。UKでも7インチと12インチがリリースされました。こちらは貴重なUK盤アナログ12インチ。
Steve Jansen and Yukihiro Takahashi / Stay Close (12inch)
高橋の「キャニオン」2枚目のアルバム「…Only When I Laugh」。全篇キラキラしたアコースティックでネオアコ的な雰囲気のあるポップ名盤です。今回入荷分には「オフィス・インテンツィオ」の貴重な販促用ソノシート付きです。
高橋幸宏 / …Only When I Laugh (LP)
高橋は親交のあるデザイナー山本耀司のパリ・コレクション用音楽も手掛け、87年には音源をまとめたアルバム「ラ・パンセ」をリリース。今までの幸宏作品にはない、サンプリングを使ったサウンド・コラージュ的な手法でかなり意欲的な作品です。
高橋幸宏 ・ 山本耀司 / ラ・パンセ (LP)
87年には鈴木慶一とのユニット「ザ・ビートニクス」の活動を久々に再開しています。アルバム「Exitentialist A Go Go ビートで行こう」はアコースティックでフォーキーな「大人のポップ名盤」で、バリバリのインダストリアル・テクノだったファーストに較べてずっとグループ名に相応しいアルバムです。
ザ・ビートニクス / Exitentialist A Go Go ビートで行こう (LP)
こちらは同時にリリースされたアルバムのコア曲「トータル・リコール」と「ちょっとツラインダ」のシングル。いずれも胸キュンな癒し系ポップ名曲です。
ザ・ビートニクス / TOTAL RECALL ・ ちょっとツラインダ(7inch)
細野晴臣にとっては86～7年は受難の年でした。先鋭的なヒップホップ・ユニット「フレンズ・オブ・アース」は評論家筋から不評を買い、ジェイムズ・ブラウン・ライヴでの前座における観衆からのブーイング、骨折休養、テイチク契約解除による「ノン・スタンダード」の閉鎖等、この多難な時期を乗り越えるために「アンビエント」へ傾倒していったようです。こちらは「F.O.E.」のセカンド12インチ「Decline Of O.T.T.」。
Friends Of Earth / Decline Of O.T.T. (LP)
「はっぴいえんど」時代からの盟友、松本隆が手掛けた映画「微熱少年」87年のイメージ・アルバムに細野は「空飛ぶ電車 (Instrumental)」を提供しています。このアルバムを聴けばわかりますが、86～7年は後のイカ天系バンドブームへと繋がる「CBSソニー系Jポップ黄金時代」といった感じです。YMO関連のテクノポップは最早みる影すらもない、といった雰囲気です。
V.A. （松本隆） / 微熱少年 MOVIE SONGS (LP)
次回は最終回「88年以降のメンバー関連の入荷アナログ盤」です！
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