夜半の月 第20夜 | It's a Beautiful World!

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夜が明けたら/CastingAroundドラムヒロヤユウコの日々のお話です

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そんな夜に僕らは出会う。


先週金曜日はキャスアラ企画「夜半の月 第20夜」でした。
はやくブログを書こうと思いつつも、週末は抜け殻、今週に入っても脱力感がすごくてずっと動けないままでした。

あたたかくなったり寒くなったりの日々にやられているのか。
あの日の衝撃がいまだあとひいているのか。

そのくらいとても充実した夜になりました。


今回のイベントは初めて新宿JAMで開催させていただきました。
JAMは思い出深いライブハウスなのでここで開催できるのはとてもうれしかったです。

街は桜満開の頃、春の匂いをはらみながら冷たさと暖かさの同居する風に歩くだけで心を揺さぶられる季節です。

きっとこの夜はお花見の予定のひとも多かったと思います。

そんななかキャスアライベントに足を運んでくださったみなさん、ホントにありがとうございました!


今回もいつも仲良くさせていただいている素晴らしいバンドさんに声をかけさせていただきました。

1番目は前回も出演いただいたhiza。

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ベースとドラムのかたはヘルプさんで前回とは違うメンバーさんでしたが、前回見たときよりも圧倒的に素晴らしかったです。

響き渡る轟音ギターと歌が心地よくて、これぞオルタナティブ。
音に飲み込まれていくのが最高に気持ちいいのですが、それでいてしっかり歌心もあって素晴らしいです。

ヘブンスドアで知り合ったバンドさんですが、メンバーがみんなヘルプであってもライブを続けて活動されているボーカルさんのモチベーションに感動します。
やる気しかないと言われていました。
とても真摯で静かな情熱をたたえた尊敬できるミュージシャンに知り合えてよかったです。
どうもありがとうございました!


2番目はピンクテールカラシンズ。

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いつも遊んでくれるいくみちゃんがドラムのバンドですが、ホントに素晴らしい歌ものバンドです。
圧倒的に伝わる歌、キャッチーで思わず口ずさんでしまうステキなメロディー、ステージから溢れる熱、その言葉ひとつひとつに感じる想い。

このあいだピンカラの自主企画イベントも見に行ったばかりだったので、一緒に歌えて楽しかったです。
心があたたかくなる、これぞ歌ものバンドですね。

共演は2回目でした、また一緒にやれてよかったです。
どうもありがとうございました!


3番目はElement5。

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Element5はキャスアラが上京して初めて一緒にライブしたバンドです。
そして10年前の2006年8月7日。
Element5のボーカルまなべくんとベースのがんちゃんがメンバーだったnine million rainy daysというバンドと、ここ新宿JAMで一緒にライブしたのです。

10年という月日を経て今またこうして同じステージに立っているだなんてね。
この10年のことを思い返せば、決して気づけば10年経ってたね、なんて軽い話ではないとひしひしと感じます。
ここにいるために、ホントにホントに頑張った10年だったね。

そんな想いもあって、やっぱりいろいろ込み上げてきます。
エモーショナルな楽曲と、秀逸なアレンジ。
絶品リズム隊が心地よくて楽しいのにどこかせつなくて。

いつみても最高のバンドだけど、少しずつ進化もしていて心に刺さります。
この大切な日々も一緒にやれてよかったです。
ありがとうございました!


4番目はresonate。

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この日のために長崎の佐世保からみんなでクルマで来てくれました。

佐世保は大好きな街で福岡時代にも何度かライブしに行かせていただきました。
喫茶店がライブハウスになったり、みかん畑の中にライブハウスがあったり、その音楽シーンもおもしろいし、何よりそこで出会ったミュージシャンたちがみんなアツくて優しくて最高だったのです。
resonateもそんな佐世保で出会ったバンドで、前回会ったときに東京でライブしたいと言っていたので声をかけてみたら躊躇なく来てくれたのです。

以前1度佐世保で一緒にライブしたことはありましたが、今回はメンバーもかわり新生resonateということで楽しみにしていました。
そのライブは期待以上でした。

命燃やしてすべてをぶつけるそのステージは圧巻でただただ圧倒されて感動しました。
真っ直ぐな歌、叫び、ひとつになって攻めてくる音、思わず手をあげずにいられなくて。
こんな熱量で全力でやりきるバンドはなかなかいないです。
かっこよすぎてびっくりしました。

この30分のために佐世保から長い長い時間をかけてきてくれた情熱はちゃんと見ているひとに伝わったと思います。
一緒に忘れられない夜を作っていただきありがとうございました!


5番目はSeabirth。

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なんとこの日15年ぶりのライブだったそうです。
20年前から一緒にやっているメンバーに新メンバーも加わって新体制になったのちの初ライブ。
再始動のときからずっとキャスアラのイベントで一緒にやりたいと言ってくださっていたので、実現できてうれしかったです。

実はホントのバンド名はSeaberthで、桟橋という意味だったそうですが、わたしが海で生まれるSeabirthだと勝手に解釈してフライヤーに間違った名前を載せてしまいました。

そしたらこの日のライブMCでSeabirthに改名しましたと言われてびっくり。
どうやら名前が気に入ってもらえたようです。

でもそんな海で生まれるイメージにぴったりな壮大な音世界でした。
心地よいギターサウンドに鍵盤の音が重なり深い深い世界を作り上げていっています。
でもそんなバンドにありがちな単調はリズムではなく、どこまでも攻めるリズム隊が絡みます。
まさに深海に沈みながらも世界の鼓動を感じるようなイメージ。

素晴らしいバンドが誕生した瞬間を一緒に迎えることができてよかったです。
どうもありがとうございました!


そしてラストがキャスアラでした。

正直、ここまでいいバンドが続くと楽しい反面プレッシャーも大きくなります。

でも、みなさんが、ホントに予想以上にあたたかく迎えてくださり、そんな気持ちも一気に吹っ飛びました。

あぁ、そうだね、10年前のあの日もこんな感覚でした。

バンドやっててなんでこんなにうまくいかないんだろうってね、そうやって沈んでいると必ずいつもこういう光が射してまた僕らを照らすんです。

もういいやって思うたびにね、その光がまだまだだよって輝くんです。

この日のアンコールで演奏した「光の彼方」はまさにそんな曲で、胸がいっぱいになりました。

ここのところ感じたことのない心地よさと高揚感、間違いなくいいライブができました!

演奏しながらみんなが笑顔で聞いてくれてそれがホントにうれしかったです。

この日はいろんなかたに「おめでとう」をもらったのでその報告もライブ中にさせていただきました。
なんだろうね、生きていてこんな日が来るだなんてね。

とても楽しくて幸せで最高の音を奏でることができました。
それをみなさんに共有していただき、ホントにホントにありがとうございました。


今回は6バンドでいつもより少し長丁場でしたが、とても充実してあっという間に過ぎていった夜でした。

ライブのあとは飲み放題がお安いJAMでお客さんや出演者のみなさんやJAMの店長石塚さんといろいろ話して楽しい時間を過ごしました。
こうして交わす言葉のひとつひとつがまた愛しくて、とても大きな勇気をくれます。

帰ったころにはもうヘロヘロでぐったりでしたが、そんな夜がいつもあるわけじゃないからね、またこの幸せな気持ちをかみしめました。


心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半(よわ)の月かな


きっといつか思い出す愛しい夜もこれで20個目です。
積み重ねていく日々はとても大切でどれだけ繰り返したって飽きる日なんて訪れることはなさそうだよ。

共感してこの日に快く出演してくださったバンドのみなさん、ありがとうございました。
わたしたちにこのような機会を与えてくださったJAMのみなさん、ありがとうございました。
そして何より大切な時間を共有してくださったお客さま、ホントにありがとうございました。


素晴らしい夜に感謝です。

またいつか、夜半の月の下で会いましょう!