Goodbye, SAKURA days | It's a Beautiful World!

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夜が明けたら/CastingAroundドラムヒロヤユウコの日々のお話です




愚かで愛しい日々のこと。


11月いっぱいで3年と3か月暮らした家賃2万円のアパートから引っ越ししました。
香椎駅前の区画整備で立ち退きになったのです。

立ち退きということで、引っ越し費用は負担してもらいましたが、それでも引っ越ししたくないという気持ちのほうが強く、最後までいやいやしぶしぶの引っ越しになりました。
ここでの生活は今までの一人暮らしのなかでイチバン心地よく穏やかで、かつてないくらいわたしにとって「帰る場所」だったからです。

家賃2万円というとたいていの人にびっくりされて心配されていました。
わたしも最初はこんなボロアパートで暮らしていけるだろうかと不安でいっぱいでした。
でも、暮らしてみるとこんなにステキな場所はないというくらいわたしにとっては最高の場所でした。

ひっそりとした路地に建ついまにも崩れそうなアパート。
日当たりだけはよくて狭い部屋はいつもあたたかな光にあふれていました。
大きな世界でいつもここは優しい陽だまりだったね。

鼻をかむ音も聞こえてしまうくらい壁の薄い部屋に、一癖も二癖もある住民ばかりで。
みんなの生活が手にとるようにわかってしまうのもなんだかおかしくて。
夢の途中の貧乏暮らしも悪くないね、なんて気分でどこかいつも楽しかったね。

夜になればすぐそばを通る線路から電車の音が聞こえて。
ベッドにもぐりこんでいつまでも耳を傾けていました。
そうして想いをめぐらす時間が大好きだったよ。

もっといいところに住めばいいのに、なんて何度も言われたけど、わたしはこのめちゃくちゃでしょうもないこの場所がイチバンでした。
わたしだけが知っている、わたしだけの特別みたいな日常でした。
なんだかうまく言えないけど、パーフェクトだったんだ。
不完全な完全、だったんだ。


もう今月中にはあのアパート「桜井コーポ」は取り壊されてしまうそうなので、思い出に写真を初公開します!
わりと頑なに訪問を拒否していたので、見たことある人はあまりいない秘密の部屋です(笑)

ホントにびっくりするくらいボロいですよね。
事件が起きててもおかしくない!



一度階段は崩れたそうです。




つなぎめ。




わたしのお部屋公開!

キッチン側から。



職場でも家でもほとんどPCの前(笑)


わりと広いのもよかったです。



ベランダはないけど、虫はでたことない!



ギターあまり弾いていません。



あたたかな場所。



キッチンも広々でした。



何もかもなくなってからっぽの部屋。




何度経験しても最後にドアを閉める瞬間は寂しくなりますが、今回はこの建物自体がなくなるということでより一層寂しさを感じました。

引っ越し先は桜井コーポから歩いて3分くらいの場所なので、毎日無事を確認してしまいます。
まだ壊されてはいませんが、きっとある日朝はあったのに、帰りがけ見ると突然なくなっているんでしょうね。

そうなればもうあっという間にこの景色も記憶のなかで薄れていくんだろうなと思います。
香椎駅前はずっと再開発で工事をしていて、わたしが引っ越してきたときとは全く違う景色になっているのですが、もう今となってはそこに何の建物が建っていたかもすぐには思い出せないくらいです。
こうしてめまぐるしく変化する世界では、一瞬にして遠い過去になってしまうんだなぁと思わされます。

流れ流され、この景色も、この日々も、この気持ちも。
きっと気が付けばはるかかなたに消えていってしまうんだね。

それでも、ここに確かにあったと、そう言える何かがわたしの中に残っていてくれたらうれしいです。

この日々の中で楽しかったこと、うれしかったこと、悲しかったこと、せつなかったこと。
全部忘れてしまっても、今のわたしを作ったものであることには変わりないのだから。

たくさんの幸せをくれた桜井コーポでの日々に心から感謝です。
ホントにホントにありがとう!