あこがれが止まらないから。
急にぷつりと繁忙期が終わって、はやく帰る日々になりました。
あと一週間はやければ、と悔やまれますが、人生はこんな風にタイミング悪くなるようにできているものですね。
昼間の熱をまだ少し残した、穏やかな風。
広い広い、水色の世界にうろこ雲。
夕暮れを混ぜたら、そっと手を伸ばして触れてみるんだ。
時間もできたのでライブ日記、後半です。
共演の3組のライブを楽しんで、ついに自分たちの出番がやってきました。
いつもはセッティング中に流してもらう音楽はライブハウス任せなのですが、この日はゆいくんが音源を用意してきてくれました。
選んだのは3人とも大好きで、バンドを始めた頃多大な影響を受けたJIMMY EAT WORLDのClarity。
やっぱり大好きでせつなくて、セッティング中にすでにぐっときてしまいました。
あの頃好きだった音楽はこの先もずっと一生特別なんだろうな。
もちろん自分たちが作った音楽もずっとずっと。
そんな特別な気持ちで始まったライブ。
今回は記念すべきライブなので、全曲紹介しますね。
1. 星の旅人
3人になって作った新曲第1弾です。
今回の新曲の中ではイチバンアアレンジに苦労しました。
3人になって選択肢が増えた分、迷うことも多くて、みんなの心を探り探り作り上げました。
スローな3連の曲です。
たくさんの思い出を重ねた星の降る海辺で、星の旅人という曲を作りたいなとずいぶん前に思っていたのですが、そのイメージにぴったりな音に出会いこの曲ができあがりました。
演奏するのはかなり難しくて、ホントにたくさん練習しました。
もっともっと心の中の銀河を描けるような音にしていきたいです。
2. トラベラー
2ピースで復活してすぐに作った曲です。
ホントに大好きな1曲で、何度も何度も演奏してきました。
わたしの苦手な8ビートもずいぶん上手になってきた気がします。
わたしの大好きな鈍行電車の旅をテーマに歌詞を書いたので、演奏するたびにいろんな景色を思い出します。
そして何度もめぐりあった、この長い旅での変わらない気持ちも、変わっていく気持ちも。
ちょっとMC(だった気がします)。
「10周年といっても通過点に過ぎない」とかんぶん。
ホントにそうだなぁと思います。
ずいぶん来たけどまだまだやりたいこともたくさんです。
できることも増えたけど、そのぶんだけできないことも見つかって、音楽をすること自体への目標は増えるばかりです。
それでも人生の3分の1もこのバンドで過ごしたってやっぱりすごいことかもしれないです。
3. 花
こちらも2ピースになってしばらくして作った曲です。
復活してから今までこの曲を演奏しなかったライブはたった1度だけです。
それくらい大切な曲です。
これが今の僕の愛のカタチだって、泣きながら笑いたくなるんです、いつだって。
4. 夢蛍
去年の蛍の季節に作った曲です。
この曲はまた特別に好きです。
この心にある景色そのままを音にして、言葉にしてカタチにできた大切な曲です。
静かな悲しみと優しい穏やかさで透明な光に吸い込まれそうです。
6. 世界の果て
こちらも2ピース時代の曲ですが、ベースが入ってなによりしっくりきた曲です。
この曲を演奏するとついつい何かが切れて飲み込まれてしまいます。
練習ではものすごく冷静にきれいに演奏しているけど、ライブになるとあふれ出てしまいますね。
息も切れるほどやりきるのはやっぱり気持ちいいですね。
ライブのお知らせのMCではついつい調子に乗ってしまいました。
ごめんなさい。
イベントということで許してください。
7. 光の彼方
3人になって作った新曲です。
みんなの出したい音が一気に集まって、わーっと出来上がった1曲です。
この曲の最後の部分を演奏するのがもう言葉にならないくらい気持ちいいです。
バンドって最高!と演奏するたびに顔がほころんでしまいます。
光の彼方へ、見たこともない世界に僕らを連れて行ってくれるたったひとつの。
8. 国道三号線
3人で作った最新曲です。
ファーストインパクトがすごすぎて、アレンジではちょっぴり悩んだりもしましたが、
シンプルに真っ直ぐに、今の自分の、今のキャスアラの素直な音と言葉を選びました。
ずっとバンドをしてきて、いろんなことに悩んで苦しんで、ようやく少しだけ気負わずに受け入れることができるようになったかもしれないです。
悲しいことも、うれしいことも、そうやって夕暮れに歌っていたいんだ。
全8曲演奏してあっという間にキャスアラのメインステージは修了しました。
ホントに夢中であっという間でした。
もう終わり、なんてことはないのがイベントです。
みんな優しくてホントに感謝です。
期待通りアンコールをしてくださいました。
アンコールでは、みんなおそろいのTシャツを着て登場です。
ゆいくんデザインのステッカーと同じイラストです。
手作りのTシャツを4枚、そう、アンコールからは4人で演奏したのです!
ゲストはこの人。
CastingAroundの前ベーシスト、だいちゃんです。
CastingAroundをはじめて4年くらいはずっとずっと苦しいことのほうが多かったです。
今思い出してみても息苦しくなるくらい、若さというか未熟さゆえのもどかしさ、いろんな気持ちを上手に扱えない不器用さ、自分を認めることができず、誰とも仲良くなれず、いろんなもので押しつぶされそうになりながらバンドをしていました。
そんなCastingAroundが、初めてこんなにも純粋に楽しいという気持ちになれたのは始めたから5年目の1年を経てからでした。
その特別な1年を一緒に過ごしたのがだいちゃんです。
せっかく10周年なのでできれば一緒にやろうよ、と誘ったところだいちゃんが快くOKしてくれたので、今回一緒に演奏することになりました。
東京在住なのに、この6月に2度も福岡まで帰ってきてくれました。
ホントにありがとう!
ゆいさんはギターに持ち替えていつになく分厚いCastingAroundの誕生です!
セッティングのあいだ、わたしがしゃべらせていただきました。
また調子に乗ってついつい長くなってしまいました。
正直何も考えてなかったのに、ふられるとついしゃべってしまいますね(笑)
めちゃくちゃ長くなりましたが、わたしが言いたかったのはやっぱり続けてきてよかったなということです。
もう一度同じ道を歩いたら、どうやって乗り越えていけばいいのかわからないくらい、とにかくそのときそのときでどうにかこうにかやってきた10年でした。
もうやだってこともホントにたくさんで、続けてこれたことのほうが奇跡のような気がします。
やめたいという気持ち、やりたいという気持ち、いつもちょっとだけやりたいという気持ちが勝って、気づけばどうにかこうにかここまでやってきていたのでした。
それでも10年という月日がくれたものを確かに感じます。
「バンドで一生生きていきます」、「このバンドでダメだったらバンドやめます」なんて若いバンドマンならついついかっこつけて勢いで言っちゃうこともあると思います。
わたしもすごく気負っていました。
いろんなものを犠牲にして選んだ道なんだから何がなんでもどうにかしなきゃ。
わたしにはバンドしかないから。CastingAroundのヒロヤユウコなんだから。
バンドできない自分なんて価値もないから。
それゆえに命かけてと言った次の瞬間にはもうやめたいと大声で泣いていたりもしました。
それはそれで大切な思い出、恥じることない若いわたしの本気の心です。
だけど、今ならそんな風に思わなくてもやっていけるなと思うのです。
そうやってわたしは選んできた、だからもう言葉になんてしなくていいんだよ。
きっと何者にもなれなくたってわたしはわたしなんだよ。
息をするように自然に、ずっとずっとここにわたしの音はあるんだよ。
自分のこともメンバーのこともどこか信じることができなかったけど、いまは違うんだ。
もちろん確かなものは、永遠に変わらないものはどこにもないけど。
それはどこまでいっても変わらないけど。
それでもわたしは信じることができるんだ。
不確かなもののなかにこそある、確かなものを。
そう思えるなんてわたしは大人になってしまったのかな。
なんて思うと、なんだかものすごく寂しくなるけど、たぶん時間を重ねていくってこうゆうことなんですよね。
続けてきたからこそこの気持ちを知ることができたんだ。
これからもずっとずっとこうして世界に触れていたいです。
CastingAroundを通じて世界に触れて、いろんな景色を見て、いろんな感情に触れて、それをまた音に返していきたいです。
自分の話したことを思い出してたら、言えなかったこともたくさんあふれてきてついつい止まりません。
やはり口に出して伝えるのは難しいですね。
だいちゃんと演奏したのは全部で3曲、すべて続けて演奏させていただきました。
9. 流星
ひさびさにステージで演奏できてホントに嬉しかったです。
4人で演奏すると音が厚くて気持ちいいですね。
だいちゃんのベースは心地よく、ゆいくんのギターのアレンジも秀逸でよかったです。
もう6年くらい前の曲なんですが、いまでも全然色あせない大好きな曲です。
色あせなさすぎていまも胸が痛くなります。
あの日、星に願った願いごとは、いつかきっと。
10. スタンド・バイ・ミー
だいちゃんのCastingAround卒業直前に作った曲です。
この曲も大好きです。
この曲を演奏するたびにだいちゃんがいたあの1年の思い出を次々思い出します。
こんなにせつなくなるのに、こんなに笑顔になれるのはなんでなのかな。
もう二度会えなくても、今まで出会った大切なひとたちとの日々でいまのわたしはできているんだね。
またこうしてだいちゃんと演奏できてホントによかったです。
11. 春待ち
いつもたくさんリクエストいただくのでやってしまいました。
やっぱりやっぱり好きな曲。
僕らの街にまた春がきたら この歌は届くかな 風のように花のように
すべてを閉ざす闇が訪れても ただ歌い続けよう 月のように星のように
絶望の中で、かすかな願いを込めてこの言葉を綴ったあの日の自分に教えてあげたいです。
そう願った、ただそれを願ったキミの想いは、なにひとつムダなんかじゃなかったよ。
たくさんの人に囲まれて、たくさんの大好きな音に囲まれて素晴らしい1日が終わりました。
10周年のイベントとしてとても楽しく充実していたけれど、かんぶんの言うように、これは通過点、いつものライブと同じように、たくさんの課題も感じたし、もっとこうしたいという気持ちもたくさん生まれました。
だからバンドを辞められないんだよね。
だからこんなに楽しいと思えるんだよね。
こんなに素晴らしいものをもらえた人生、神様にありがとうを言いたいです。
わたしがバンドを始めるきっかけをくれ、たくさんの感動を共有してくれたかんぶんに、ありがとう。
夢のような1年をともに奏でてくれ、いつまでもいい仲間でいてくれるだいちゃんに、ありがとう。
バンド仲間時代からずっと陰ながら支えてくれた、これからは一緒に奏でていくゆいくんに、ありがとう。
よき音楽仲間として刺激をくれ、一緒にいて楽しい友達としてたくさんの笑いをくれる共演者のみなさんに、ありがとう。
居心地よい空間を提供してくれ、いつも自由に音楽させてくれるエキマエ音舗のみなさんに、ありがとう。
見に来てくれたひと、遠くから応援のメッセージをくれたひと、すべてのひとに、ありがとう。
ホントはひとりずつありがとうを言いたいくらいなのですが、長くなってしまうので今は心にとどめておきます。
みなさんが耳を傾けてくれ、笑顔で聞いてくれているのを見るたびにわたしはとても嬉しくなります。
ライブ開場で言葉をかわしてふざけあって過ごす時間も、わたしにたくさんのパワーをくれます。
自分たちの音楽だけど、自分たちだけじゃやってこれなかったです。
こうやって聞いてくれて、何かを返してくれて、それを受け取って、そうやってやってこれたんです。
ホントにホントにありがとうございます。
これかももっと楽しく、もっといいたくさんいい曲を作って、これからの日々を生きて生きたいです。
ありがとうございました。
また夜半の月の下で会いましょう!




