ささやかな遠出を終えて帰ってきていたら、途中で力尽きてクルマで寝てしまいました。
そして目が覚めたら目の前の海で夜が明けていました。
晴れ渡る澄み切った空、冷たい朝の空気の中、遠く海のかなたから訪れる暁と、染まる海の美しさに言葉をなくしてしまいました。
何度も何度も絶望したくなったんだ。
汚れきった街で、泥にまみれて、傷つけてあきらめてしまえば楽な気がして、曖昧に笑っていたんだ。
だけどそのたびに、この世界がわたしに触れてくるんです。
そしてわたしは目がそらせなくなるんです。
壊しても壊しても壊しきれない、この心の透明なカケラに世界を映して、この瞬間だけは真っ直ぐに空に帰れる気がするよ。
この瞬間だけはすべて許させる気がするよ。
明日になれば全部消えてしまうその前に、
この暁の海で。
