夕立。
雨に濡れるアスファルト。
匂いの記憶って不思議ですね。
忘れかけてた、などと言うにも及ばないような何でもない場面を瞬時に思い出させてくれるのです。
やがて落ちる陽。
ひぐらしの声。
音の記憶って不思議ですね。
遠い昔に置いてきたはずの感情を何の前触れもなく思い出させてくれるのです。
一瞬のフラッシュバック。
次の瞬間、目に飛び込んできた光景に息を飲んだよ。
まばたきの間に消えてしまいそうな、
淡い光。
空気の粒。
交わる視線。
またひとつ思い出す景色が増える瞬間。
わたしの体中の細胞が刻み込む瞬間。