夏の思い出② | It's a Beautiful World!

It's a Beautiful World!

夜が明けたら/CastingAroundドラムヒロヤユウコの日々のお話です

尾瀬旅行記2日目です。

長いので携帯からの方、ホントにごめんなさい。


7/24(火) Top of the World!


前日はやめに眠ったので、目覚ましもなく自然に5時に目が覚めました。

6時半の朝ごはんにはまた昨日と同じ一人旅人たちと一緒に食べ、元気に準備して外にでると、なんと!


目も覚めるような真っ青な快晴!!

きらきらと輝く美しい世界が広がっていました。


なにやら1ヵ月ぶりの快晴だそうです。

やったー、やっぱり晴れ女だよ!


実はこの日も尾瀬散策をするつもりだったのですが、前日山小屋で尾瀬のパンフレットを見たり、お風呂で一緒になった女性に話を聞いているうちに尾瀬から登れる東北最高峰、燧ケ岳(ひうちがたけ)に登りたくなってきていて、朝の素晴らしい快晴を見て、その瞬間決めました。


よし、今日はひうちに登るぞ!!!


こうやって予定はいつでも変更できるのが一人旅が好きな理由のひとつです。


山小屋をでて、仲良くなった土屋さんと記念写真を一緒に撮りました。



バックに写っているきれいな三角の山がこれから登るひうちです。

福島県にある、東北最高峰、2356mの山です。

「東北最高峰」その響きを聞くだけで登りたくてうずうずするのに、この素晴らしい姿を見るともうゼッタイ行かなくちゃという気になります。




ちょっとわかりづらいけどニッコウキスゲもきれいに咲いています。

青い空、輝く緑、揺れるニッコウキスゲに、山から吹き抜けはるか湿原を渡る風。

なんて美しい日、なんて美しい世界、この美しさは言葉にできません。



土屋さんと別れて早速登り始めました。

しょっぱなから結構きつい登りです。

足元は岩がごろごろ。昨日の雨でぬかるみもたくさんで険しい道です。



うっそうとしげった森です。

ここら辺はかなり熊も出没するそうで、ひとりで登っていると、とたんに熊が怖くなってきました。

やばい、熊鈴つけてないです。

出会ったら逃げちゃだめなんだよね。


見上げればきらきらきれいな木漏れ日。

遠くで鳴いている鳥の声。

森の空気を吸い込んで、きついけれど楽しい道だよ。



道とはいえない道もたくさんです。

両手両足で岩につかまって、木の根っこをつかんでよじ登るところもたくさんです。


暑いよー。

予想以上にきつくて全然前に進みません。

すれ違ったおじいちゃんたちに、「若いんだからぴゅーっと行ってしまいよ~」と言われました。

おじいちゃんたちのほうがすいすい進んで元気なんです。

負けてなるものかぁ!!



かれこれ2時間ちょっと必死に登ると、急に視界が開けてきました。



すごい!!

はるか遠くまできれいに見渡せます。

涼しい風が汗ばんだ体を通り抜け、きつさなんてふっとんでしまうくらいです。


すれ違ったかたに聞くと、あと40分くらいとのこと。

よし、あとちょっとだよ!

行くぞ!!行くわよー!!!


頂上まで最後の道は激しい傾斜の岩登りでした。

岩に手をかけて一歩一歩登っていきます。

足場もあやふや。照りつける太陽がじりじりと背中を焦がします。

息はあがって言葉もでないです。


あぁ、でももう頂上はそこに見えてるよ。

がんばれ、わたし!!


そしてついに!

頂上です!!!



あぁ、もうこのときの気持ちといったら!

昨日ずっと歩いてきた尾瀬ヶ原がきれいな黄緑色に見えます。

それを取り囲む山々がはるか下に見えるんです。

空に届きそう、あの青に吸い込まれそう、風になったみたいだよ!


あぁ、わたしは今世界の頂点にいるんだよ!


雲の影だって足元のずっと下に見えます。

あの雲に乗って空をふわふわ旅してみたいなぁ。



登ってきたほうと反対側には尾瀬沼が見えます。

さらに別の方向、新潟方面の山にはまだ雪が残っていました。

ホントに素晴らしい眺めです。

こんなに世界が広かったなんて、それをこんなにも全身で感じれるなんて、あぁ、素晴らしすぎて言葉にならないよ。



ひうちがたけには山頂がふたつあって、わたしが最初に到着した山頂がシバヤスグラで、そこから一度下ってまた登ったところにマナイタグラがあります。




シバヤスグラの山頂でお弁当を食べて、マナイタグラにも登って、そこからの景色を思う存分楽しんで下山しました。


下る道は登ってきたのとは違う緩やかな道を選びました。


そこをのんびり下っていると、後ろから早足のおじさんがやってきました。

道を譲ったときに少し会話をすると、なんだか妙に意気投合してしまい、そのまま一緒に下山することになりました。

そしていつのまにか、そこに途中で出会った男の人も加わり、気がつけば3人の一行ができあがっていました。


おじさんは横浜在住で、今は北軽井沢の別荘にいるそうです。

そして朝起きて晴れてたらその日の気分で登る山を決めてやってくるそうです。

ここら辺の山で登ったことない山はないというおじさんは、ポロシャツ、短パン、スニーカーというありえない軽装で、そして驚くほど健脚でものすごいはやさで下っていきました。

日本中行ったことのない都道府県はないという、とにかく一人旅と山の好きなおじさんでした。


男性はたぶんわたしと同い年くらいで、京都からひとりで車できていて、富士山にひとりで2回も登ったというつわものでした。

18切符も自転車旅行もしたことあるそうで、話が盛り上がりまくりでした。

彼もまたどこでもひとりでいってしまう、一人旅と山の好きな人でした。


そんな3人は初対面なのに、とにかく話が弾んで、くだりの道はきついなんて一切思わないほどでした。

たぶんすごいペースできつかったはずだけど、楽しすぎて忘れていました。


彼らはすごすぎます!

ふたりとも女の子ということでわたしに唖然としてましたが、全然ふたりのほうが経験もあって、いろんなことをしてきていて、わたしなんてぬるいんじゃないかと思うほどでした。

刺激的過ぎました。

こういう旅人と出会う人とまた旅をやめられなくなってしまいます。

素晴らしい出会いに感謝です。


こうしてあっという間、といっても2時間半ばかり山道を下ってふもとの大江湿原に到着すると、なんと!

ここにはニッコウキスゲが咲き乱れ楽園のような景色を作り出していたのです。

これぞ尾瀬!という景色ですね。

ため息がでるほど美しいのです。



3人で記念写真も撮りました。



そして、3人で今登ってきたひうちを見上げたとき、このとき頂上についたときに勝るとも劣らない最高の感動を味わいました。


「すごい!わたしたちあれを登ってきたんですよ!」

しばし3人で無言で見上げました。


すごい、わたし、あれを登ったんだ!

あんなに高い山を登ってきたんだ。

人間ってすごいよ。

人間はなにもなくとも、この2本の足であんな高い山を登ってしまうことだってできるんだね。


あぁ、わたしはきっとどこへでもいけるわ。

なんだってできるわ。


この感動はなんて伝えたらいいのでしょう。

感動しすぎて幸せすぎて胸がいっぱいで、ただただまぶしいひうちを見上げるばかりでした。



ありがとう、燧ケ岳。

最高の感動をありがとう!


ホントにここは楽園のようです。

笑顔にならずにいられないんだ!




そして即席パーティーは解散し、なんだか妙に名残惜しみつつもそれぞれの今夜の場所に向かいました。


今夜は尾瀬沼のふもとの静かな森の中にある、尾瀬沼山荘です。



夕暮れのなか、ニッコウキスゲに止まるトンボに出会いました。



アヤメに止まるちょうちょにも会いました。

すぐそばにいつも奇跡のように美しい自然が溢れています。




ゆっくりと日が暮れていきます。



あまりにも穏やかで光溢れるその景色にすべてすーっと溶けていくようです。




山荘で夕食をいただいて、そのあと山荘のスタッフのかたの自然解説を聞きました。

山の植物のお話をたくさん聞けてとてもおもしろかったです。


そして静かに夜が訪れました。

森の上に銀色に輝く美しい月が静かにやってきて、きれいにあたりを照らしています。

わたしは美しい夜空で星が瞬く冷たい夜をただ静かに眺めていました。


満天の星空、降りそそぐ光、冷たい森からの風。

夜の闇はこんなにも親しみを持ってわたしにも語りかけてくれるんだね。


「流れ星だ!」

静かな湖畔に寝転んだ若者たちの声を聞きながら、穏やかな幸せをかみしめました。


ねぇ、ホントになんて美しい世界なんだろう。

たとえどんなことがあっても、この美しき世界に生まれてきてよかったよ。

ありがとう。