めまぐるしく世界は色を変えていっているというのに、わたしの中を流れる時間はあきれるほどによどんでいる、そんな毎日です。
あの人の見慣れない姿を見たとき、いつものお店のお兄さんが突然いなくなってしまったことを知ったとき、夕暮れの匂いが昨日とは違うことを感じたとき、伸ばした指先はあの日の欠片をつかめなかったとき、わたしの中のよどんだ空気がもれたようなため息は輝く世界に一瞬で消えていきます。
追いかけたわけでも、追いつきたいわけでもないくせに。
違う、一歩一歩歩いているはずなのに、世界がはやすぎてついていけないんだよ。
いや違う、追いかけてるけどわたしは余計なおしゃべりが多すぎてうまく進めないんだよ。
それも違うかな。
よどんだ空気が重過ぎてちょっと息苦しくなっただけだよ。
この時間の流れくらいはやく走れればいいのにな。