カッサフォルテ犬猫コラム -203ページ目

猫の混合ワクチン

当院で使っているネコちゃんのワクチンには3種5種があります。

3種混合ワクチンでは次の病気が予防できます。

猫ウイルス性鼻気管炎
ヘルペスウイルスによる感染症で、くしゃみ、鼻水、咳、結膜炎などの症状から始まり、肺炎や腸炎を起こします。

カリシウイルス感染症
その名の通りカリシウイルスによる感染症で、くしゃみ、鼻水、口内炎などの症状から始まり、ひどい場合は肺炎を起こしたり、口の中に潰瘍ができます。

実際にはこの2つのウイルスと細菌などが混合して感染していることが多いようです。
これらの病気は幼猫では命取りになることもあります。

猫汎白血球減少症
パルボウイルスによる感染症です。
ひどい下痢と嘔吐を起こし、下痢に血が混じることがあります。
血液中の白血球という細胞が著しく減り、病気に対する抵抗力が下がります。
昔は「猫ころり」とも呼ばれたこともあり、たった1日で死亡してしまうこともあります。

5種混合ワクチンは上の3種に次の2種が加わります。

猫白血病ウイルス感染症
エイズウイルスと同じ種類のウイルスが原因で、白血病などの血液の腫瘍や貧血などを起こします。
感染している猫の唾液に多量のウイルスが含まれているので、舐めあったり、食器を共有することでうつります。
感染してから病気が発症するまでにかなり長い時間がかかることもあり、発症するまでは健康そうに見えますが、発症してしまうと有効な治療法がなくほとんど助かりません。

クラミジア症
ヘルペスウイルスやカリシウイルスと混合感染していることが多い病気で、結膜炎、鼻水、くしゃみなどの症状が見られます。ひどい場合は肺炎を起こします。

3種混合ワクチンはコアワクチンとも言われ、全く外には出ない子でも打ってあげてください。
猫汎白血球減少症の原因であるパルボウイルスは非常に生存力が強く、飼い主さんの靴や体について持ち込まれることがあるからです。

外に出る子には5種混合ワクチンをお勧めします。
5種混合ワクチンを打つ前には猫白血病ウイルスに感染していないかを調べます。

昨年、猫エイズに対するワクチンも発売されました。
詳しいことは直接お問い合わせ下さい。

ネコちゃんの場合、猫伝染性腹膜炎など、まだ予防も治療法もない病気もありますが、予防できる病気はぜひ予防してあげてください。

犬の混合ワクチン

当院で追加接種に使っているワンちゃんのワクチンには5種8種があります。

5種混合ワクチンでは次の病気が予防できます。

ジステンパー
咳、くしゃみ、鼻水などの風邪のような症状から始まり、最終的には脳炎を起こしてけいれんなどの神経症状を示します。
かかってしまうと有効な治療法がなく、多くの子が死亡してしまいます。

犬パルボウイルス感染症
猫汎白血球減少症と同様の症状で、激しい嘔吐と下痢を主症状とし、免疫に関係する白血球の数が著しく少なくなることがあります。
心筋型では感染から数時間で突然死亡してしまうこともあります。

犬伝染性肝炎
アデノウイルス1型によって起こる病気で、肝炎を主症状とし、嘔吐や下痢を起こします。
子犬では突然死することもあります。

犬アデノウイルス2型感染症
犬パラインフルエンザ

犬アデノウイルス2型とパラインフルエンザウイルスは混合感染していることが多く、ケンネルコフと呼ばれる病気を起こします。
症状は咳、くしゃみ、鼻水などの呼吸器症状で、肺炎を起こすこともあります。

8種混合ワクチンでは上の5種に次の3つが加わります。

犬コロナウイルス感染症
腸炎を起こし、下痢や嘔吐などの症状が見られます。
感染力が非常に強いウイルスで、日本の犬の40%以上が感染していると言われています。
このウイルスだけで命に関わることはあまりありませんが、パルボウイルスと混合感染すると症状が重くなります。

レプトスピラ(黄疸出血型)
レプトスピラ(カニコーラ型)

レプトスピラという細菌による感染症で、黄疸出血型とカニコーラ型があります。
黄疸出血型は、粘膜が黄色くなる黄疸を起こし、内臓のいろいろな場所で出血します。
カニコーラ型は腎炎を起こし、嘔吐や下痢が見られます。
レプトスピラは犬だけでなく、人間にも感染します。

愛知県内でもレプトスピラの発生が報告されていますので、このあたりでは8種混合ワクチンの接種をお勧めします。

このように、ワンちゃんの怖い伝染病はほとんどがワクチンで予防できます。
備えあれば憂いなし。予防に勝る治療なし。
ですから、ぜひ接種してあげてくださいね。

混合ワクチン

今回はいろいろな予防のうち、混合ワクチンについてお話しします。
これは狂犬病と違って法律で義務づけられているわけではなく、それぞれの飼い主さんがご自分で判断して接種していただくものです。

混合ワクチンで予防できる病気の多くは、治療法がなかったり生命に関わったりする病気です。
逆に言うと、だからからこそしっかり予防しておきたい病気なのです。

ワクチンというのは、簡単に言ってしまうと病気に対する抵抗力をつけるために打つものです。
無害にした病原体(ウイルスや細菌など)を体の中に注射し、それに対する免疫をつける、つまり、抗体を作らせようということです。

抗体というのは体の外から侵入してきた異物に対して作られるもので、それぞれの異物に対して専門の抗体が作られます。
抗体の中には一度作られると一生残るものもあれば、短い期間しか残らないものもあります。
現在のところ、ワクチンにより作られた抗体は、少なくとも1年間は残ることがわかっていますが、それ以降についてはきちんとした研究がなされていません。
そのため、免疫を確実に維持するために1年に1回追加接種をしていきます。

当院の場合、初めて打つときだけはワンちゃんで3回、ネコちゃんでは2回、1ヶ月おきに接種します。
これには2つの理由があります。
1つはブースター効果と言われるものです。
1回ワクチンを打っただけだと、1ヶ月ほどで抗体が減ってきます。
この時期にもう1度ワクチンを打つことによって減りかけた抗体をグーンと増やすのです。
もう1つは移行抗体の問題です。
子犬や子猫は、生まれてから1~2ヶ月の間は胎盤や乳汁を通じてお母さんからもらった抗体に守られているのです。
この抗体が残っている時期にワクチンを接種しても、お母さんからもらった抗体がワクチンに含まれる病原体と反応してしまい、本来の目的である自分の抗体が作られないのです。
ですから、1回目のワクチンが無効だった場合のために2回目、3回目のワクチンを1ヶ月おきに接種します。
また、同じ理由から最初のワクチンは生後2ヶ月で打ちます。
それより前に接種しても効果が上がらない可能性があるからです。

ワクチンを打つスケジュールなどについては獣医師の考え方や根拠としている研究によって異なります。
ですから、今回お話しするのはあくまでもカッサフォルテ犬猫病院の考え方です。
他のやり方がまちがっているというわけではありません。

人間でも問題になっているように、ワクチンは完全に安全というわけではありません。
体内に異物を入れるわけですから、低いとはいえ、どうしても副作用が出る可能性はあります。
副作用が出てもすぐに対応できるよう、ワクチンは早い時間帯に受け、その後、半日程度は注意して様子を見てあげてください。

怖い病気から大切な家族を守るためにぜひワクチンを受けさせてあげてください。