休眠していたこのブログを再開するにあたって、「年代別特選アルバム」という名目のコーナーの最新版をリリースしたばかりですが、その選考のもとになるリストのうちのひとつを集計方法自体に変更を加えたので、選出したアルバムの内容が変わることになります。
今回の変更は「ポピュラリティ」に関連するデータで、前回よりさらに瞬間風速よりもロングセラーに比重を置くチューニングを施した内容にしました。
実はこのデータの集計方法は最近特に頻繁に変更をかけています。
最初のチューニングは1995年、次は2003年、そのあとしばらくあいて2021年、2023年とこのところあわただしく変えています。1995年と2003年はセールス動向によって生じたアンバランスに対応、2021年と2023年の最近の二つはストリーミング同行によって生じたアンバランスに対応する変更。
約70年分のデータの更新なのでやはり時間がかかってしまい、2週間ほどを要しました。
今回の変更にあわせて、このデータも使っている「年代別特選アルバム」のリスト自体も少なからず影響を受けており、入選アルバムにも変更が生じたのです。
しかしながらリストを全掲載するのはまだ改訂版を年初に掲載してまだ日も浅く、またずらっと並べ立てるのもくどいので、年初に2024年のリリースタイトルも加えた20年代アルバムセレクションを作るタイミングでまとめて掲載することにします。
とはいえ、せっかく更新したわけなので、今回の変更を受けて更新した各年代の特選アルバムのリストより、変更した点だけピックアップし以下にて取り上げます。
またこの「年代別特選アルバム」リストのデータはソースにしているデータがまだ複数あり、そのデータ集計の動向によってはまだこれから多少の変更も生じる可能性もあるのですが、集計方法そのものの変更は今年は恐らくかけないと思うので60~10年代はだいたいこの内容になると思います。
60's
IN
『Sound of Silence』Simon and Garfunkel(1966.1.17)

"Sound of Silence"
OUT
『Bridge Over Troubled Water』Simon and Garfunkel

"Bridge Over Troubled Water"
たまたまではあるのですが、サイモン&ガーファンクルのアルバムの差し替えとなっています。
人気が確定したアーティストの作品が有利となる”瞬間風速”をさらに低く見積もった今回の変更で、後期の名盤が落選し、最初のヒット作であるこのアルバムが入選しています。
70's
IN
『Pearl』Janis Joplin(1971.1.11)

"Me and Bobby McGee"
『Let's Get It On』Marvin Gaye(1973.8.28)

"Let's Get It On"
『Breakfast in America』Supertramp(1979.3.16)

"The Logical Song"
OUT
『Ram』Paul & Linda McCartney

"Uncle Albert/Admiral Halsey"
『Talking Book』Stevie Wonder

"Superstition"
『Can't Buy a Thrill』Steely Dan

"Do It Again"
有名アーティストの人気確定後の作品が落ちやすい傾向の中でマーヴィン・ゲイの中期の名作がしっかり入選を果たしています。
ジャニス・ジョップリンはこのリストに出入りを繰り返している常連で、今回の変更で晴れてカムバックです。
あとはロングセラーヒット作品重視の傾向によりSupertrampの作品が本リストに初登場です。
80's
IN
『So』Peter Gabriel(1986.5.19)

"Sledgehammer"
OUT
『Synchronicity』Police

"Every Breath You Take"
こちらもリストに何度も出たり入ったりしているPeter Gabrielの『So』が入選。
そして同じく出たり入ったりしているPoliceの『Synchronicity』が選外に。
どちらもいい作品ですからちょっとした加減で当落を繰り返すのは仕方ない。
90's
IN
『Third Eye Blind』Third Eye Blind(1997.4.8)

"Semi-Charmed Life"
OUT
『CrazySexyCool』TLC

"Creep"
データには抗えず泣く泣くTLCを選外にすることになるも、入ったのはThird Eye Blind。
このバンドはめちゃくちゃ好きなのですが、今まで90年代の層の厚さに埋もれてなかなか取り上げられずに来たのでうれしい入選です。
R&Bのアルバムはどうしてもトレンドの音にドップリ浸かる分、流行の波をもろにかぶるので長く売れ続けることが難しいジャンル。
00's
IN
『Continuum』John Meyer(2006.9.12)

"Waiting on the World to Change"
OUT
『Bleed American』Jimmy Eat World

"The Middle"
年始の選考で初入選となったJimmy Eat Worldですが選外に。
かわりに入選はJohn Meyer。やっぱりロングセラー重視にすると、より普遍的な感触の音作りが有利になります。
10's
IN
『1989』Taylor Swift(2014.10.27)

"Shake It Off"
OUT
『After Hours』The Weeknd

"Blinding Lights"
ロングセラー重視でテイラーが浮上。
まさかのThe Weekndが選外という結果に。
ただ、テイラーをリストに入れられたのは個人的にはうれしい。
個人の趣味としては最重要人物ではないけど、時代を彩るアーティストとしては、リストに作品が入るべき人物。
10年前のリストでは入っていたのが落選してしまった状態だったので一安心。
ということは今回のチューニングは成功してるはず。
20's
IN
『Sour』Olivia Rodrigo(2021.5.21)

"Good 4 U"
『American Heartbreak』Zach Bryan(2022.5.20)

"Something in the Orange"
OUT
『777』Latto

"Big Energy"
『Gloria』Sam Smith

"Unholy"
20年代はまだまだこれから取捨選択が進むはずです。
むしろ今リストにある作品のうち何作が20年代の最後まで残り続けることができるのかがひとつの見どころでしょう。
20年代も中盤戦になったとはいえ、あと6年あるから先のことはわからないことが多いわけですが、一応ストリーミングの時代になっても多少減ってはいるもののアルバムをリリースしてくれるアーティストはたくさんいるわけで、この企画をするに至った最初の動機の「アルバム文化がなくなるかも」という懸念はもう少しのあいだ先延ばしにできそう。