
1位 "The Fate of Ophelia" Taylor Swift
produce: Max Martin, Shellback, T.Swift
2位 "Golden" HUNTR/X: EJAE, Audrey Nuna & REI AMI
produce: IDO, 24, TEDDY, I.Eisendrath
3位 "Ordinary" Alex Warren
produce: A.Yaron
4位 "Opalite" Taylor Swift
produce: Max Martin, Shellback, T.Swift
5位 "Man I Need" Olivia Dean
produce: Z.Nahome
誤解を恐れずいうならブラック・ミュージックのシンガーの系譜をしっかり引き継いだ歌唱が心地良いですね。
イギリスから面白いアーティストが頭角を現してきましたね。
先週からこの記事を復活したわけですが、その週のチャートがチャート好きの間では話題になっているようですね。
いわく、1990年以来初めてラップ/ヒップホップの曲がトップ40以内にランクインしなかったとか。
たしかにそれは大事件なのかもしれませんが、映画『KPop Demon Hunters』の劇中歌である "How It's Done"とか"Takedown"とかってRap曲として個人的には認識していたのでなんだか違和感がなくもないんですよね。
1990年ごろといえばヴァニラ・アイスとかがヒットを出したころで当時は黒人でないアーティストがラップでヒット曲を出すと、エルヴィス・プレスリーがロックでやったことをまたラップで白人がやろうとしているという批判で、ぐっと黒人の音楽としてヒップホップが純粋培養され、その最たるものとしてギャングスタ・ラップが頭角を現し、ストリートの”リアル”を現した音楽として奉られ、ロックが持っていた攻撃性よりもロック的なものとして若者の聴く一番ホットな音楽ジャンルになっていきました。
結局その後、ギャングスタ・ラップ界のカリスマ・プロデューサーであったドクター・ドレが白人であるエミネムを世に送り出してきたあたりから黒人か白人かどうかは曖昧になっていきはしたものの、逆に黒人アーティスト自体は下手にロック・ミュージックに手を出そうとしても商業的に難しいという事態が起きたし、白人アーティストにしても、ミクスチャー・ロックなどといったロックと融合した形でのラップでしかなかなか成功できにくい状況がずっと続いていました。
一方では80年代の終わりのころにはもはや白人音楽とほぼ同一化してしまっていたR&Bもヒップホップのビートを取り入れたことで輝きを取り戻しましたが、これは白人のボーイズバンドの登場やブリトニー・スピアーズなどの登場で2000年ごろにはで白人側に取り込まれ、2010年ごろにはラッパーが歌い始めたことでR&Bのシンガーはほぼ壊滅。
結果黒人音楽は歌うようにラップするものやフックだけを繰り返すような退屈なものがどんどん量産され、袋小路に入っていました。そしてそれら二つのラップもR&BもKPOPにダンス付きの音楽、つまりはダンス・ミュージックとして取り込まれて今に至る、という流れです。
R&Bはいつもダンス・ミュージックとして生まれるのに死ぬときもダンス・ミュージックになって死んでいきます。
『ブラック・ミュージックの死』はロック・ミュージックの死と同じかそれ以上の数で何度も宣告を受けてきたわけですが、今回もまたその機会に直面しているのは間違いないでしょう。
人種で音楽ジャンルを語ること自体もう時代遅れなのかもしれません。でもだからと言ってルーツを忘れ去ってしまうことは革新的でリベラル的、ルーツを守ってR&Bを守ることが保守的・体制寄りなのかというと、そういうことでもないでしょう。むしろR&Bを新時代によみがえらせたサウンドはいつも革新的と言われてきました。
伝統を受け継ぎながら革新的でしかもポップというパラノイアの極致のような甘美な音楽が好きなので、ひとつの時代が終わった今こそ次のピークが始まる出発点としてワクワクしてしまいます。
今週のピックアップ
"Back to Friends" sombr
いやはやそれにしてもこの曲は大好きです。当連載はずいぶん滞っていましたが、それでもほぼ書くたびに毎回ピックアップしてきました。
アルバムの評価も高いうえに、この曲単体のヒットももはや2025年を代表するレベルにまで到達しましたね。
ときどきこういう風に自分の嗜好と流行がシンクロすることがあって、そういうときのチャートはチェックするのが格別に楽しいです。
"Lover Girl" Megan Thee Stallion
Totalの"Kissin' You"使いが素晴らしい。
PVはMeganのヒップから目が離せない感じになってますが曲自体結構凝っていてかなりカッコイイです。
"Spaghetti" Le Sserafim & J-Hope
BTSのJ-Hopeとのコラボ曲。
白人のPOP系流行サウンドがスウェーデンのマックス・マーティンの一派に30年くらいトップを牛耳られているわけで、そういう意味ではKPOP勢による席巻が続いている今の時代は新しい米国POPの覇権争いといえるのかも。
冷戦時代のスウェーデンにしても今の韓国にしても覇権国家の狭間で苦しむ資源の持たない国家が、英語教育を重視しておこなう国策によって生まれたビッグ・ビジネスのひとつとして典型的な好事例になるわけで、今後もこうした国から米国音楽のアップデートは起こるのかもしれません。
"Amor" Emmanuell Cortes
いわゆるRegional Mexican Musicと呼ばれている音楽ですね。
いやね、大好きなんですよ。この曲も楽しさと物悲しさが入り乱れた感じが何とも言えない。
日本でも昔から繰り返されている、いわゆる”歌謡曲”的なアプローチ。宇崎竜童、桑田佳祐、吉井和哉、あいみょんとずっとこうした民族の血にも似た伝統的なメロディの継承は日本に限らず世界で見られる現象。
相違や今の日本ではサイバー演歌なるものが紅白歌合戦出場を夢に活動を広めています。
"I Ain't Coming Back" Morgan Wallen feat. Post Malone
ラッパーとして頭角を現したポスト・マローンですが、最近はすっかりカントリー・シンガーとしてキャリアを積んでいます。一見対照的なジャンルではありますが、完成された様式美があって、形式的にはごった煮なのに思想的には排他的という意味では似た種類のジャンルではあります。