監督
ジョージ・ミラー
ジャンル
アクション
出演
アニャ・テイラー=ジョイ フュリオサ
クリス・ヘムズワース ディメンタス将軍
チャーリー・フレイザー メリー・ジャバサ
トム・バーク プレトリアン・ジャック
ラッキー・ヒューム イモータン・ジョー
ジョン・ハワード 人食い男爵
リー・ペリー 武器将軍
鑑賞方法
ドルビーシネマ
あのマッド・マックスが アニャ・テイラー=ジョイを主役に帰ってくる、なんてもうなんてオレトクな作品、ということで一目散に劇場へ。
とはいえ、前作のあんな衝撃はたとえ全く同じレベルのものを仮に作れてももう体験済みなので感動できない。
それにいくらアニャ好きでも、いや、アニャ好きだからこそ、「じじい、アニャの魅力に骨抜きにされてごり押しの主役抜擢しやがったな』と感じてる自分がいるのも事実。
まあ、本作がイマイチなできであってもアニャが観れたら文句ないか・・・。と期待値は低めでの劇場入館。
ところがね、映画が始まってすぐ、いつもと違うゴツゴツしたワーナーのロゴが出て、エンジン音がヴォンヴォン響けばこちらのテンションもいきなりマックスまで駆け上がりますよ!
言ってみればドラクエを購入して、今回はもうそこまで面白くないのかも、と不安を感じながらドラクエの最新作を立ち上げたらいつものファンファーレが始まって不安が全部消し飛ぶときのアレに似てますね。
もうそこからは完全にジョージ・ミラー監督の術中にはまってあっという間。
本作はこれまでのマッド・マックス、特に前作の『怒りのデスロード』とはジャンルがそもそも違いました。
ゲームで例えれば、アクションゲームからRPGに変わったくらい、映画のジャンルそのものが違います。
それでも文法自体は同じで、言葉ではなく映像で分からせるというスタイルは貫かれます。
説明セリフはおろかセリフそのものも相変わらず最小限まで削ぎ落としていて、妥協点などありません。
それが、雄大な情景と、パワフルな演技をどっしり構えたカメラワークで納められるので、壁画で語られる神話を眺めているような爽快感がありました。
個人的にはEPICな作品、日本語に置き換えると「壮大な・壮絶な」作品が大好物なので、この映画は大満足でした。
そして最後まで見終わると、この作品がそれこそ『怒りのデス・ロード』の壮大なオープニングデモとして機能するようにできている点がすごい。『ゴッド・ファーザーII』でロバート・デ=ニーロが若き日のドン・コルレオーネを演じた時のように、アニャ・テイラー=ジョイは若き日のフュリオサを演じて、ヒロインに深いストーリーを持たせることに成功しています。
「目は口ほどにものをいう」ということわざがありますが、彼女の目力には口以上に訴える力があります。
それにほれ込んでジョージ・ミラー監督が彼女に声をかけ、彼女がOKサインを出した時点でこの作品は名作入りを約束されたのかもしれません。