『猿の惑星/キングダム』 | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

 

監督 ウェス・ボール

ジャンル アクション SF

出演 オーウェン・ティーグ フレイヤ・アーラン ケヴィン・デュランド ピーター・メイコン

鑑賞方法 鑑賞方法 映画館(ドルビーシネマ)

 『ゼルダ』の実写映画の監督を務めるとのことで俄然注目が集まるウェス・ボール監督の最新作ということで、テンションも上がり気味の中映画館へ。

冒頭の静かな始まりから一気に動きのあるアクションシーンにアクセル全開になっていくところで早くも完全に映画の世界に引き込まれました。それに加えてかなり現代的な人間の文明が廃れてそこがジャングル化している雄大で美しいのに不穏な雰囲気のディストピア演出が見事。

本作はそうした独特の美麗な背景に目が奪われ、何気ないシーンでも「もっと見たい」とおもわせる絵作りが連続するのでもうそりゃ大変。

そのうえ、猿のCG描写は何の違和感もなく、本当にそこにしゃべる猿がいるかのようなリアリティ。

かなり満足な映像体験をすることができました。

 

登場する人間は最小限に絞ってあり、ほとんど猿たちだけで話が進むので、作品で語られるテーマ自体は、そこまでひねりが効いているものではなかったのですが、予定では今回も3部作で制作予定らしく、それを考慮すれば、世界観や登場人物の細かな設定を急がず丁寧に描いているのは正解。本作で主人公ノアのことをみんな好きになるだろうし、そんな彼が何やら開けてはならないパンドラの箱を開く片棒を担いでしまったような妙な胸騒ぎも観客に伝わっているはず。むしろ人間たちが絡んでくることが確実な2作目以降にきちんと見せ場を残していることは明らか。それにきちんと繋げる発射台としての役割を十分に果たしているので本作は上手に作れていると思います。

20世紀FOXの買収劇の混乱を潜り抜けてディズニーがGOサインを出した企画だけあって、これは次回作が楽しみ。この内容とお客さんの入り方ならちゃんと続編も作れるでしょう。

子供が観ても十分楽しめるのに大人が観てもキチンと何らかのメッセージがある作品。ポップシネマとしては文句ない仕上がりだと思います。