新しい世代に響くうた(米国版)1-③ | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。





"Sad! "XXXTentacion
このテーマを扱う以上、今回の事件は避けて通れません。
痛ましく辛いことに向き合うのは正直心地よいものではありません。

しかしながら、世の中は楽しい色だけで染め上げられるほど都合よくはできていなくて、沈鬱で暗く重い色もまた、世界を構成するかけがえのない要素でもあるのです。


XXXTentacionが凶弾に倒れ、20歳の若さで、星になってしまったことは、どう書き綴っても残念さが大きすぎて言葉に思いを乗せ切れません。

XXXTentacionの作品はどれも紙きれに思い付いたままに書き綴った詩のような、作りこまれていない、シンプルでしかも原型剥き出しの作風が印象的。

俳句や川柳なんかに通じる、”華美”という概念とは正反対のスケッチ画のような作品群。

ヒップホップが熟成された音楽ジャンルになった今、忘れてしまっていた「メッセージの伝え方の前に、伝えるべきメッセージがある」とか「本当に言いたいことは表現できないけど、言えずにもがいているうちに出てくる、くだらないのことばの隙間から伝わってくる」という、大事な何かを教えてくれます。

彼がもし生き続けたときにどう時代が進んだのかを夢想しても、もはや意味がありません。
しかし、例えば2PACやカート・コベインがそのあとの時代に決定的な影響力を残していったように、XXXTentacionの影響も新しい世代にとっては途轍もなく大きな存在として残っていくことになるでしょう。