ビルボード・チェック(10・17)! | ポップ・ミュージックのトリコ

ポップ・ミュージックのトリコ

流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

Hills

1位 "The Hills" The Weeknd
produce:Mano

2位 "What Do You Mean? " Justin Bieber
produce:MdL, J.Bieber

3位 "Hotline Bling" Drake
produce:Nineteen85

4位 "Can't Feel My Face" The Weeknd
produce:A.Payami, Max Martin

5位 "679" Fetty Wap feat. Remy Boyz
produce:Peoples
賛否両論ある中ですが、アルバムチャートでも勢いを見せつけた彼。
決してアーティストとして華がある存在ではない彼に人気が集まっている理由を探すと、今から25年前に時計の針を戻してみるのがいいでしょう。
25年前、つまりこの曲のリスナーがの親の世代が彼らと同じティーンエイジャーになりたてだったころ。つまり1990年あたり。
80年代に戦後生まれのベビーブーマーによる旺盛な消費がひと段落したことと、基幹産業であった自動車産業の主導権を日本に奪われて力を失ってしまった米国で、新しい消費者として台頭してくる移民系のヒスパニックがようやく大きなマーケットとして浮上を始めたころ、日本とのプラザ合意を経て、世界へ反転攻勢をかけ始めた時代。つまり、急速な景気回復と、貧富の拡大がさらに進んだ時代。
80年代の不景気の盛りに見放された都市部の黒人と郊外の白人の子息たちが絶望の中で言葉を失い、そして始めた音楽(ヒップホップやオルタナ)がアンチヒーローの偶像として急激に市民権を得ていった頃でした。

そして今米国は、00年代の9.11テロやイラク戦争の影やリーマン・ショックの闇から抜け出し、2007年にピークを迎えた出生数の子供たちがティーンエイジャーに向かい、一軒家(男女の子供を別の部屋に分けるにはどうしても必要なプロセス⇒不動産が動く)の需要が大きくなる局面となり、傾き始めた中国から引き揚げた資本が流れ込みはじめ、90年代のような強いアメリカが再来しようとしています。

時代はそろそろ新しい底辺から這い上がってきたヒーロー、カート・コバーンやビギーを求めているのでしょう。


ウィーケンドの"The Hills"が3週連続の1位。


今週のピックアップ

"Jumpman" Drake & Future
ドレイクのこの曲が急激な売れ行きでチャート急上昇。
いや、ほんとこの曲いいですよねぇ。
ドレイクらしさとフューチャーらしさがきちんと交差していて聴くたびテンションが上がります。

"Same Old Love" Selena Gomez
ちょっと人をバカにしたようなピアノのループが面白いですね。
子役上がりのアイドルがアーティストに脱皮するのはなかなか難しいことである上に、その舞台は今キラ星のごとくスター級のアーティストがひしめきあっている世界。彼女の挑戦は、今のところいい線を行っています。個人的には今の彼女の路線はツボなので順調に進んでほしいものです。

"White Iverson" Post Malone
この曲を爆音で聴いたときの心地よさと言ったら!!!
近未来的な音楽と、ベタなメロウ・サウンドのちょうど真ん中を突いているのが見事。

"Plastic Bag" Drake & Future
珍しくリンクが貼れないのですが、i-Tunes Storeの試聴で結構ちゃんと聞けます。
ついこのコラボアルバムを買ってしまったのですが、どの曲も粒ぞろい。
DrakeとFutureの共演を影で支えるのはまだ22歳のプロデューサー、Metro Bloominですが、この大仕事にビビらず、本来の彼の持ち味を活かし切っています。

"Hide Away" Daya
16歳のシンガー・ソングライター、Dayaの曲を今週も取り上げます。
2010年代はまだ本番はこれからで、それまでの時間を80年代のマイケル・マドンナ・ホイットニーの御三家でつないでいた80年代後半の時と印象がかぶるのですが、水面下ではもう新しい息吹は完全に芽を伸ばしています。

「私の探しているいい男はどこに隠れてるの」という内容の歌。でもこの”男”を”音楽”と変えれば今の時代の表層と内実のギャップが見えてくるようです。