レコード大賞 | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

レコード大賞の発表の季節ですね。

色々と揶揄されていますが・・・・

米国のグラミー賞でさえ、権威の下落や、選ばれる作品についての悪評がついてまわっていますから、ある程度仕方の無い話かもしれません。

よくグラミー賞に触れる日記では書いていますが、設立目的自体を把握しないと、この賞は理解できないのです。

本家のグラミー賞ですら、流行した音楽を賞賛しよう、というものではありません。
むしろ、新しい流行に押されて、古くなりかけたポップミュージック界の重鎮たちが、埋もれかけた音楽をきちんと流行に関係なく評価し、振興していきたい、という願いや、ポップ・ミュージックという、絵画や文学などに比べて、文化的な地位が低いものを、きちんと自らの行動によって評価を行って地位を高めていきたい、という願いなどが入り混じったものです。

そのグラミーに倣って、日本のポップ・ミュージック業界自らが、いい作品に対し、毎年功績をたたえるショーとしてのイベントを定着させたい、とうのが日本レコード大賞。

ですから、業界で持ち周りのデキレースと批評されても、それがレコード大賞のあるべき姿なのだから仕方ありません。
流行した音楽をそのまま評価につなげるなら、オリコン年間チャートで十分なのです。
まあ、それすら、本当の人気を反映していない、と言われているわけで・・・。

では、作品の質で選ぶとしたら・・・
例えば歌唱の技法で言えば、オペラ歌手がやはり卓越しているでしょう。
人間に心地よく聞こえる作品としては、聖歌などが高度に計算された旋律を持っています。
斬新さでいえば前衛音楽はもはや雑音と紙一重の世界です。
しかしそれらが毎年表彰されたとき、もはやレコード産業の振興という命題からかけ離れたものになります。

また、人気で決めようとして、一般人が参加した投票形式で行っても、余程根回しの効いた面白半分の組織票でもない限り、オリコン年間チャートと比べた時に大きな違いもないでしょうし、その結果はオリコンチャートよりも酷い評価を世間から受けるでしょう。

私は密室っぽいやりかたはやはりどこか暗く陰湿な印象をもってしまっているのも事実ですが、あれこれいろんな角度からの評価を加味しようとして、結局中途半端な面子になるよりは、選考に関わる人間は厳選して、評価者になることも権威のうち、というやり方が、この賞の場合やはり似つかわしいと思います。

だって、めちゃくちゃ売れた楽曲を送り続けているが、日本のポップ・ミュージックの風評も省みず、酒や博打や薬物の悪評を垂れ流し続ける人間が”実力”で勝ち取り続けたとして、誰が得をするのでしょう。

どんなきっかけで芸能界に入り、シンガーやバンドマンとしてライブやツアーで成功しても、しょせんは旅芸人。
ですが、彼らもいつかは人の親になり、後輩の活躍する今後の音楽界を醸成する立場になって行きます。

自分の家族や後輩が、世間から後ろ指さされたりバカにされることなく、きちんと生きていける道をつくろうと努力することは、社会人として至極まっとうな思想です。

だからといって、自分の後輩ばかりを手厚くすることは、やはりルール違反でしょう。
しかし、ここで、”平等”と言って、どんな小さな事務所に所属していても、当番の年にはヒット曲もないのに受賞できるシステムだとしたら、シラけてしまってやる価値もありません。

だからこそ、賞は取り合いになるべきで、調整役として、業界の重鎮が舵取りをすることは義務でしょうし、その結果、ある程度力のある事務所の意向が色濃いとしても、それは止むを得ないでしょう。

その時々の勢いに関係なく、独占的に世襲や地位で評者を選べばクリーンになるかもしれませんが、これとて、結局歌舞伎の世界のように、前近代的なものに陥ってしまいます。

逆に、評価者を業界人全員の投票で決めるとなると、ボイコットする輩は出てくるだろうし、任意で投票するようにすれば、組織票が有利になり、これまた事務所の力が強くなりすぎるでしょう。

ひょっとしたら組織の枠組みを越えて、”いつもお世話になっている”和田アキ子が選考委員長でありながら10年連続大賞受賞、なんて結果になるかもしれません。

だから私はもっと内輪の関係性の中での受賞であって良いのだと思うし、どう批評されようと、”功労”重視のものに潔くシフトしていくべきだと思います。

変に今の流行に目配せをするから、余計に不信感を持たれ、賞の権威が薄れてしまうのだと思います。

例えば、小室哲哉は全盛期に何度も大賞を受賞していますが、今年彼がもし獲得したら、今までで一番感激するでしょう。
そしてその受賞を見れば、多くの人が感動し、賞の重みが増すはずです。
そういう意味では、AKB48が受賞することによって秋元氏が手にする栄冠は、これもまた、大きな感動を我々に与えてくれるでしょう。
もはや再びレコード業界のトップ成績など取ることはない無いと思われた時期も長かった彼が受け取る賞の重みは、本人にしか解らないものだと思います。

視聴率なんかは、きちんとノミネート候補に旬のアーティストを入れておいてパフォーマンスをすれば取れるはず。
PVがどうたら、ソロがどうたらという賞を何組かに贈呈すれば、それだけで”いつかは大賞”という目標をアーティスト達も持つことになるでしょう。

私はそんな風に思います。