
『Turn! Turn! Turn!』The Byrds
ビートルズ、ツェッペリンという、およそロックを語るときに避けては通れない2大巨頭による作品からこの企画をスタートさせました。さてこれらアーティストは奇しくも英国出身であり、ロック生誕の地米国は、彼らの活躍に触発されてロックを再開発することになります。
そしてその先陣を切ったのはビーチ・ボーイズとバーズでした。
ビーチ・ボーイズとビートルズの間の深い影響については、既に有名ですが、そこにバーズを加えることでさらに当時の状況が色濃く浮かび上がります。
バーズはもともとフォークの世界からきたグループで、デビューはボブ・ディランによってすでにヒットしていた”ミスター・タンブリンマン”のロック・バージョンでした。ロックが持ち得なかった知的な詞の世界を吸収し、「踊る」ための音楽は、「主張する」音楽へと変貌します。
いわゆるフォーク・ロックの誕生です。
これを機にボブ・ディランはギターをエレキに持ち替えて、ロック・サウンドを取り入れました。
また、ビートルズもフォーク色、アーティスト色を強めていきます。何より、ジョン・レノンは、バーズのロジャー・マッギンを真似て老眼鏡のような眼鏡をかけたことも知られています。
このデビュー曲の録音については、オリジナル曲デビューを希望したバーズのメンバーの意向をおさえて、ディランの曲を採用した、プロデューサー、テリー・メルチャーの存在が大きいです。
この曲を含むファースト・アルバム『ミスター・タンブリンマン』には演奏技術の未熟さを補うために、リズム隊には西海岸のセッション・ミュージシャンの筆頭であった、ベースのラリー・ネクテル、ドラムのハル・ブレインがバンド・メンバーの代わりに召集されました。
このファーストの大ヒットを受けて、間を置かずに録音されたのがセカンド『ターン!ターン!ターン!』です。
このアルバムではテリーはセッション・ミュージシャンの手を借りず、バーズのオリジナルのバンドメンバーで録音することにします。
"Turn! Turn! Turn! (To Everything There is a Season) "
ビートルズのジョージ・ハリソンの影響である12弦ギターの音色が美しいです。
ピート・シーガーがオリジナルで歌詞の内容は聖書からの引用。
キリストの言葉を歌詞にするあたりがニクいです。
"Set You Free This Time"
"He Was a Friend of Mine"
このアルバム中、一番好きな作品です。
トラディッショナル・ナンバーのアレンジなのですが、いかにも彼ららしいコーラスワークとギター、タンバリンの素朴ながら美しい響きに心打たれます。
"Oh! Susannah"
米国の音楽の父といえばフォスターですが、そのフォスターの曲を取り上げています。こういう誰でも知っているスタンダードナンバーをカバーするあたりがフォーク的。
ところで、このロックがオトナになった日を記念するアルバムのジャケット写真を手掛けたのは、ローリング・ストーンズやサイモン&ガーファンクルなどとの仕事でも有名なガイ・ウェブスター。