非英語音楽’10 その2 | ポップ・ミュージックのトリコ

ポップ・ミュージックのトリコ

流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

$ポップ・ミュージックのトリコ-花鳥風月

『花鳥風月』レミオロメン

昨年末に買ったいきものがかりのアルバムはほんとうに聴き応えがあり、彼らの次の活動が楽しみだったわけですが、その期待の新作はリメイク映画、『時をかける少女』のテーマ。
カップリングにはもちろん、オリジナルの主題歌のカバーが収録。
これはがっつり私の心を鷲掴みしました。

さて、そのオリジナル版を歌っていたのは主演していた原田知世。
原田はその後も女優として活躍していますが、一方歌の世界でも独特の活動をして、良い作品を残してきました。

その中でもトーレ・ヨハンソンとのコラボは有名です。

トーレはスウェーデン出身のプロデューサー。
流行の音楽とは一線を画した、ちょっとノスタルジックなサウンドが彼の魅力です。
カーディガンズのヒットとともに世界の音楽界に名をとどろかせますが、日本は勿論、海外アーティストに冷たい米国でも人気を博し、北欧ポップの優れた意匠を世界にアピールしました。
その後、トーレ以外の北欧出身プロデューサーもバックストリート・ボーイズなどのヒット曲を手掛けて活躍し、近年ではスターゲイトが有名です。

さて、そんな北欧ポップスのサウンドを広めたトーレ・ヨハンソンが深くかかわった作品がレミオロメンの最新作。

これまで彼らをがっちり支えてきた小林武史と袂を分かって臨んだ意欲作です。

”粉雪”の大ヒット、ポストミスチルの称号・・・、彼らが彼らである限りつきまとう呪縛に苦しめられるかのように、だんだん彼らの曲は面白くなくなっていたのは紛れもない事実。

ポップ・ミュージックとは、消費される音楽であるため、顧客(=リスナー)目線であることは大事ですが、だからと言って、アーティストとしての目線もきちんと入っていないと簡単に飽きられることは、100年の歴史が物語っています。

彼らはその配合具合で迷い、求められている期待に応えようともがくばかりに、これまで長い時間苦しんできました。

そして選んだ道は、トーレ・ヨハンソンとのコラボ。
もともと小林武史自体、ビートルズ・サウンドを流行の音楽に織り込む、ノスタルジックなサウンド使いの名人であるため、それほど大きな路線変更では無いにしても、輪郭がはっきりした洋楽的な音像は、日本的な湿り気のあるサウンドとはやはり違い、結果として新しい彼らの音が提示されています。

Starting Over
このアルバムはトーレ・ヨハンソンだけではなく、長年サポートメンバーとしてレミオロメンと行動を共にしてきた皆川真人も編曲に参加しています。
この曲はその皆川氏が関わった作品。
ふっきれた感じが気持ちいいです。

ありがとう
このアルバムで一番気に入っている曲です。
トーレ・ヨハンソンだけでなく、トーレの子供もコーラスで参加しているという作品。
ピースフル!!!

恋の予感から
深いエコーが幻想的な雰囲気を醸し出しています。これもトーレ・ヨハンソンの編曲。

花鳥風月
ドラマ主題歌として有名な曲。
これもトーレ・ヨハンソンの編曲。
歌詞は花鳥風月というタイトル同様、かなり日本の情緒を意識していて、歌われるテーマも肝心なところは”なんだか不思議”という表現で、最近よくある、”愛なんだ””夢なんだ””希望なんだ”という類の結論を言わないところが面白いです。

トーレ・ヨハンソンとのコラボはかえって彼らに日本語のよさ、日本のポップ・ミュージックの良さ、について考えるきっかけをもたらしたようで、かなり充実した作品にしあがっています。

音楽界は不況ですが、良い作品はきちんと作られ続けています。


今年購入したアルバム

ドイツ語 1
日本語 1