新しい世代に響いたうた(米国版)その2 | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

ベビーブーマーのピークから約25年。日本の団塊世代の次に団塊ジュニアの世代が来たように、アメリカではジェネレーションYなる世代が生まれていました。この世代は生まれた当時は、新興国日本の台頭によって、ものづくりでコスト面で勝てないばかりか品質まで負けてしまった末の米国の不景気、またそれから回復するために打ち出されたレーガノミクスによって米国民の経済格差がかなりはっきりしたせいもあって、少子化が進みました。しかし、子供が減ってもその小遣いを稼ぐ親が減らないのですから、子供にとっては安価な娯楽、音楽の購入は進み、かねてからのCDによるカタログ在庫の買い替え需要も追い風となり、業界は徐々に追い風に乗ります。さらに、90年代には日本の没落とともに、金融で荒稼ぎするビジネスも確立され、社会主義国の崩壊とともに米国が再び輝き始めるとレコード産業もまた新たな黄金期を迎えました。

ここではジェネレーションYのうちでも、比較的人口が多かった1982年生まれあたりを軸に見てみます。
ジェネレーションYとはもちろんジェネレーションXの次の世代という意味。ジェネレーションXが生み出したグランジやヒップホップを受け継いだ世代です。

①"I Like the Way (Kissing Game) "Hi-Five(1991)
テディ・ライリーのプロデュース曲。ヴォーカルのトニー・トンプソンはこのとき15歳。

②"Jump"Kris Kross(1992)
ジャーメイン・デュプリのプロデュース。

③"End of the Road"Boyz II Men(1992)
ベイビーフェイスのプロデュース。
泣かせますね~。

④"Weak"SWV(1993)
胸キュンのスロウジャム。

⑤"I Swear"All-4-One(1994)
デヴィッド・フォスターのプロデュース。
これまた必殺のスロウジャム。

⑥"I'll Make Love to You"Boyz II Men(1994)
ベイビーフェイスのプロデュース。

⑦"On Bended Knee"Boyz II Men(1994)
ジャム&ルイスのプロデュース。珠玉のバラード。

⑧"Creep"TLC(1995)
ダラス・オースティンのプロデュース。
この曲を含む彼女らのアルバムはほんと名曲揃い。

⑨"Waterfalls"TLC(1995)

⑩"Fantasy"Mariah Carey(1995)
マライアもこのぐらいのころからヒップホップ色が濃くなってきます。

⑪"One Sweet Day"Mariah Carey and Boyz II Men(1995)
まさに無敵のコラボ。こういうコラボにありがちな”肩すかし”っぽい感じがなく、双方のいいところがちゃんと出ていると思います。

⑫"Always be My Baby"Mariah Carey(1996)
ジャーメイン・デュプリのプロデュース。
ジャーメインはこういう仕事もできるところがニクイです。

⑬"Tha Crossroards"Bone Thugs-n-Harmony(1996)
90年代はこういう濃ゆ~いヒップホップ曲も全米1位を獲ってしまう時代でした。

⑭"How Do You Want It"2Pac feat. K-Ci and JoJo(1996)
2パックは90年代のジェームス・ディーンです。なお、この曲のプロデューサー、スティーヴィーJもすでに他界。

⑮"You're Makin' Me High"Toni Braxton(1996)
激クールなトラックは当時のニューヨーク界隈の流行を反映したもの。この雰囲気はベイビーフェイスとともにプロデュースにクレジットされているブライス・ウィルソン起用の効果が出ているところです。

⑯"Macarena (Bayside Boys Mix) "Los Del Rio(1996)
今聴きなおすと、オッサン二人のサビよりも無名の女の子がうたっているパートの方が耳に馴染んでいることに気付きます。歌はサビで勝負といえど、やっぱり全体の構成も重要です。

⑰"No Diggity"Blackstreet feat. Dr. Dre(1996)
テディ・ライリーの作品にドクター・ドレーが参加するという贅沢な一曲。ハードボイルドな作風が渋いです。

⑱"Un-Break My Heart"Toni Braxton(1996)
デヴィッド・フォスターのプロデュース。彼らしい丁寧なプロダクション。

⑲"Wannabe"Spice Girls(1997)
弾けてますネ。世界的にヒットした彼女らですが、米国でのヒットは結構遅く、この時にはすでに本国の英国以外の欧州や日本でもヒットしていました。

⑳"Can't Nobody Hold Me Down"Puff Daddy feat. Mase(1997)
ヒップホップ界のアニキ、パフ・ダディとメイスのコラボ。

このあと彼らの世代はますますレコード産業の規模拡大に貢献します。彼らの世代によって、バックストリート・ボーイズ、インシンク、ブリトニー・スピアーズらが、まさに空前の売り上げを、初回出荷で実現していきます。が、同時にインターネットを通じて音楽ファイルを共有する最初の世代ともなりました。特に同時多発テロ以降はレコード産業の低迷はすさまじく、いまだに回復の兆しが見えていません。

栄枯盛衰・・・。大きな消費力を持つ世代のあとには必ず大きな落とし穴が待っています。そして、その裏では新しい大きな波が生まれています。
2007年、米国は今までの出生数の記録を超えるベビーブームを迎えています。米国は各国が抱える少子化問題とはまだ無縁。この世代が新しい音楽の消費者となるにはまだ10年以上必要ですが、それまでは、日本でこれから巻き起こるであろう団塊「孫」世代の動向を見守りたいと思います。