
『Songs in A Minor』Alicia Keys(2001)
『イ短調の歌集』と訳すべきなのでしょうか?アリシア・キーズのデビュー作は、クライヴ・デイヴィスが立ち上げたレーベル、Jレコーズより発売されました。
発売されるや否や、あっという間にミリオンセラーに、アリシアにとっても、クライヴにとっても大きな成功となりました。
アリシアはこれまでのクライヴが関わった作品とは大きく異なり、作品のほとんどの部分を彼女自身が手がけました。彼女が当時まだ10代だったことを考えると大きな賭けだったと思いますが、彼女はそれが出来るだけの才能を持ち合わせていました。
"Girlfriend"
イントロが終わるとジャーメイン・デュプリが手がけるこの曲がアルバムの最初を飾ります。
"Fallin' "
記念すべき彼女のデビュー曲です。これがいきなり大ヒット。これが10代の女子が作る曲なのか?というほど完成度が高いです。
"A Woman's Worth"
デビュー曲でも大概驚かされていたのですが、続くシングルカットで取り上げられたこの曲もこれまた渋い。曲自体もそれに乗るヴォーカルも何もかもが凄いことになっています。
"Butterflyz"
アルバム収録曲ではこの曲が好きです。この曲の持つ幻想的な雰囲気には誰も抗えないでしょう。
とんでもない才能。00年代を象徴する女性アーティストの登場はあまりにも眩惑的です。
まもなく00年代が終わります。このことは、音楽リスナーの新しい世代の登場も意味します。
新しい世代には新しい音楽の聴き方があります。
団塊の世代のピーク(1949)から段階ジュニアの世代のピーク(1973)まで24年の開きがありました。団塊ジュニアはバブル経済崩壊後のロスト・ジェネレーションであり、核家族→パラサイトシングル、晩婚→非婚、少子化→無子化へと、ライフスタイルも大きく変化しています。人口ピラミッドと呼ばれる各年齢別のグラフでは、もはや人口のピークというものはなくなり、どんどん人口が減っています。しかし、親が団塊ジュニアである世代というのは、毎年進む少子化と晩婚化を計算して、1997年あたりから数年をピークと見ることができます。その世代が間もなく音楽を消費する新しい世代集団ということになるでしょう。人口統計上は隠れた「団塊孫」世代の音楽のフォーマットは携帯もしくはPC(ふたつはいずれ統合されるでしょうが)上でやりとりされる”データ”ということになります。ヴィニール盤、CDと進んで、いよいよデータというフォーマットが主流になる世の中がやってきました。
この新しい時代にはどんな音を奏でているものが名盤となるのでしょうか。レコードやCDという「器」がなくとも「アルバム」は輝き続けらるのでしょうか。