米国チャートにおけるロングセラー作品を振り返りましたが、ついでに英国バージョンもmixiから転載します。英国チャートは日本と同じくセールス中心のチャートなので、ほんとうに売れてないとロングセラーにはなりません。英国は同じ英語圏でありながら、米国とは音楽の嗜好が随分異なり、都会的な洗練を求める傾向が強いです。ロックに関しても、産みの親が米国なら、育ての親は英国であるという表現もあります。
英国版では8週連続1位以上の曲とします。チャートが始まった1952年から始めます。
①"Here in My Heart"Al Martino(1952)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=9Pn7Gws8aa8
イタリア系アメリカ人アル・マルティーノのヒット曲。政治・経済の中心が米国に傾くと、文化でもその傾向が強くなり、このように英国は米国の影響を非常に強く受けるようになっています。
②"I Believe"Frankie Laine with Paul Weston & His Orchestra(1953)18weeks
http://www.youtube.com/watch?v=cxDI-V1aR04
彼もイタリア系のアメリカ人。18週1位の記録は現在に至るまで英国チャートで最高の記録です。
③"Answer Me"Frankie Laine with Paul Weston & His Orchestra(1953)8weeks
http://www.youtube.com/watch?v=lFwLkpWv7IE
上記に続くヒット曲。まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。
④"Oh Mein Papa"Eddie Calvert(1954)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=P457OwwZnQU
トランペッターである彼のヒット。ここで紹介する初の英国人。
⑤"Secret Love"Doris Day(1954)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=W8Ar9Q0Eru4
ビッグバンドのシンガーとしてキャリアを積んだドイツ系アメリカ人である彼女のヒット曲。女優としても活躍しました。
⑥"Cara Mia"David Whitfield with Mantovani(1954)10weeks
http://www.youtube.com/watch?v=iGVZzFRY8mc
オペラ調のヴォーカルがなんとも特徴的な英国出身のデヴィッド・ホイットフィールドによるヒット曲。いかにも英国らしいヒット。
⑦"Rose Marie"Slim Whitman(1955)11weeks
http://www.youtube.com/watch?v=0ZPTXupcoog
フロリダ出身のカントリー・シンガー。英国でもカントリーが受けることがあったようです。
⑧"Diana"Paul Anka (1957)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=Bh0doCIySw4
言わずと知れた米国産ヒット曲。なぜか私の父が歌っているバージョン(父がほんとによく歌っていたので)が頭で勝手に流れ始めます。英国でもかなり受けたんですね。
⑨"Magic Moment"Perry Como(1958)8weeks
http://www.youtube.com/watch?v=Q5zarGeHKNU
ビング・クロスビー以後の時代の歌手として、40年代から50年代にかけて一世を風靡したイタリア系のアメリカ人、ペリー・コモの1曲です。フランク・シナトラをはじめ、このころ芸能界で勢力を伸ばしていたのは、イタリア系の移民でした。今も昔も、貧しいマイノリティの層が力を発揮する業界であったわけです。米国での成功の余波は当然英国にも押し寄せ彼は大人気でした。
⑩"It's Now or Never"Elvis Presley(1960)8weeks
http://www.youtube.com/watch?v=J_pHQekIZxU
米国南部のメンフィス出身のエルヴィスのよって起こったロックンロール革命の波も当然英国に届きました。ビートルズなど、やがて英国から米国に逆輸入されるロックですが、きっかけの多くはエルヴィスの音楽を聴いた多くのティーンエイジャーが、ギターをかき鳴らし始めたことでした。
この曲は初期の黒人音楽丸出しのころのロックなエルヴィスではなく、シンガーとして、非常に成熟した頃の作品です。兵役を退役し、「オトナ」になったエルヴィスの魅力たっぷりです。この事実ひとつとってみても、ロックは子供向きで、しかも一過性の人気のキワモノと考えられていた当時の米国の様子が垣間見れますね。
⑪"Wonderful Land"Shadows(1962)8weeks
http://www.youtube.com/watch?v=c2Vzac4YANI
ロックのブームはエレキギターブームとつながり、多くのインストバンドが世界中に産まれましたが、ヴェンチャーズと同じくらいそのブームに影響を与えたのがシャドウズでした。
どんどん「ロックバンド」が誕生する下地が揃ってきましたね。
⑫"Sugar, Sugar"Archies(1969)8weeks
http://www.youtube.com/watch?v=-f1xL5wQ1gQ
アメリカのテレビシリーズから飛び出した、架空のバンド、アーチーズの大ヒット曲です。実際は私の大好きなアーティストの一人、アンディ・キムらが作曲した作品をスタジオ・ミュージシャンで録音したものです。
いい曲です。
⑬"Bohemian Rhapsody"Queen(1975)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=irp8CNj9qBI
英国の誇る伝説のアーティストの登場です。ビートルズは8週以上をキープした曲が無かったのです。8週連続なんてものの難しさがこの事実を見ても分かります。残念ながらクイーンの非凡な才能は英米では中々理解されず、もっとも早くから評価されたのは日本でした。そんな歴史もあってか、ビートルズと同じくらい日本ではロックの基本として、世代を超えて愛されています。
⑭"Mull of Kintyre"Wings(Paul McCartney & Wings)(1977)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=nYhTye_A9H0
ポールがイギリス伝統の楽器バグパイプを取り入れて作成した渾身の名作。ウィングスはポールがその時によって、単純に「ウィングス」としたり、「ポール・マッカートニー&ウィングスとしたりするので、50音順に並べる時に、「う」と「ほ」に分かれて置かれていることが良くあると以前ここで書いた事がありますね。
この曲は、多くのイギリス人にとって、心に響く歌のようで、ギネスにも英国で一番売れた曲として長い間記録されていました。
⑮"You're the One That I Want"Olivia Newton-John and John Travolta(1978)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=vY8nRfEnWtc
大ヒットムーヴィー、『グリース』のサントラからの一曲。『サタデー・ナイト・フィーヴァー』の成功で、一躍スターの仲間入りをしたジョン・トラヴォルタと共演したオリヴィア主演映画という事もあって当然チャートのトップに。
英国も当時はディスコでフィーヴァーだったようですね。
⑯"Two Tribes"Frankie Goes to Hollywood(1984)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=RTOQUnvI3CA
英国出身の鬼才、トレヴァー・ホーンのことは、以前特集しましたが、そのトレヴァー、お抱えのアーティストであった彼らの曲も英国で大ヒットしています。80年代に起こった、第二次イングリッシュ・インベイジョンの象徴のひとつでもありますね。
⑰"Everything I Do (I Do It for You)"Bryan Adams(1991)16weeks
http://www.youtube.com/watch?v=ZGoWtY_h4xo
『ロビン・フッド』の主題歌ということもあってか、なんと16週1位の記録です。ブライアン・アダムス自身はカナダ出身です。日本でも当時は大ヒットしていましたね。名バラードです。“ツタヤ”でレンタルしたのを思い出します。
⑱"Stay"Shakespear's Sister(1992)8weeks
http://www.youtube.com/watch?v=_eXw47qb4U0
元バナナラマ出身が片割れの女性デュオ。バナナラマは実は英国アイルランド出身なんですよね。あのSEWサウンドでユーロビートのアイコンだったバナナラマからは考えられないほど洗練された音世界。いかにも英国に愛されそうな知的な魅力があふれています。
⑲"I Will Always Love You"Whitney Houston(1992)10weeks
http://www.youtube.com/watch?v=HGC003Xz3CY
いわずと知れた『ボディガード』主題歌。当然私も劇場で見ました。
米国版でも14週連続1位ということでリストに入っていましたね。懐かしい・・・。
⑳"Love is All around"Wet Wet Wet(1995)15weeks
http://www.youtube.com/watch?v=TQQ6SfPZggw
『フォー・ウェディング』主題歌。
ポップな方向に向いた90年代の英国主流ロックの傾向を見事に代表していると思います。オアシスやブラーは残念ながらここまでの記録を作る事はできませんでしたが、当時の空気感はこの曲から伝わってきます。
21"Crazy"Gnarls Barkley(2006)9weeks
http://www.youtube.com/watch?v=j-sb6mfR9lQ
昨年の大ヒットも記憶に新しいナールズ・バークレイ。久々の長期政権でした。こういう曲が、英国での評価の方が高くなるというのはなんとなくわかりますね。
22"Umbrella"Rihanna feat. Jay-Z(2007)10weeks
http://www.youtube.com/watch?v=T79dkJBCHyM
リアーナのこの曲もむしろ英国の方が評価が高いようですね。確かに洗練された趣のあるサウンドです。