米国音楽ロングセラー作品 1955年以降(ロック時代) | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

名曲を掘り起こせ!!を拡大場バージョンでやろうかと考えましたが、米国音楽を掘り起こす前の段階、米国音楽の歴史にそう詳しくない人もいるかと思い、mixiでやった企画をこちらで再掲します。


9週以上1位(なぜ9週以上かというと10週以上だと9割がた90年代に偏ってしまうからです)を総合チャート時代以降(1958年以降)に獲得した曲をピックアップします。ではこれまでの米国ポピュラー音楽の歴史を振り返ります。
とその前に1955年(ロック元年)以降のセルチャート、エアプレイチャート、ジュークボックスチャートのいずれかで9週以上獲得した曲もリストアップしておきます。

"Sincerely"McGuire Sisters(10 weeks)'55
http://www.youtube.com/watch?v=o2-I0CVZnAg
いかにも50年代風のコーラス!!最高です。発売はCoralから。コーラルとはデッカの子会社。1950年代までは、ジャズからロックへと移り行く流行の中で、愛すべき楽曲を数多く残しました。

"Cherry Pink and Apple Blossom White"Perez Prado(10 weeks)'55
http://www.youtube.com/watch?v=rDjAN8sKb1A
ウー!!
発売はRCAビクター。

"Don't be Cruel/Hound Dog"Elvis Presley(11 weeks)'56
http://www.youtube.com/watch?v=X5JALwwaASg
この曲の記録はセルチャートによるものなので、両A面でヒットしたため、ハウンド・ドッグの方をあげます。黒人のパフォーマンスを大胆に取り入れて女子を虜にしています。下半身を中心に見てください(笑)。圧倒的にかっこいい!
発売はRCAビクター。

"Singing the Blues"Guy Mitchell(10 weeks)'56
http://www.youtube.com/watch?v=zoCiKtRc9kw
ロック時代が始まってもこういう王道ポップスも勿論ヒットしました。この人のきょくでは"Round and Round"も大好きです。発売はコロンビア。

"All Shook up"Elvis Presley(9weeks)'57
http://www.youtube.com/watch?v=AqsX7xQWRoU
妙にクリアなサウンドが落ちていました。ここからいよいよ総合チャートの歴史が始まります。発売はRCAビクター。

1:"Mack the Knife"Bobby Darin(9 weeks)'59
http://www.youtube.com/watch?v=1dDs_N3kGQk
ジャズシンガーも好んで歌うヒットソングです。幾つかのシンガーによるヒットがありますが、彼の甘いルックスにより桁違いのヒットになりました。最初の行儀良い始まり方から終盤に向かって煽っていく感じがしびれます。発売はAtco。Atcoはアトランティック・レコードの子会社で、当時のアトランティックのイメージに合わない、非黒人音楽のリリース元として機能していました。


2:"The Theme from "A Summer Place"Percy Faith(9 weeks)'60
http://www.youtube.com/watch?v=mERbQIvgJXs
この曲も大好きです。パーシー・フェイスはこの曲のほかにも素敵な曲をいくつも残しています。この時代はオトナもコドモも同様に音楽を楽しんでいたのですね。発売はコロンビア。

3:"Hey Jude"Beatles(9 weeks)'68
http://www.youtube.com/watch?v=YXG83p2nkHw
7分にも及ぶ超大作。ビートルズのヒット曲のなかでも特に大人の鑑賞に堪えうる作品ですね。発売はアップル。アップルはビートルズが興したレーベルで、配給は今までどおりイギリスではEMIでアメリカではキャピトルでした。この曲はアップルからの初のビートルズのシングルでした。

4:"You Light up My Life"Debbie Boone(10 weeks)'77
http://www.youtube.com/watch?v=gn4Kfvxczs0
50年代を代表するシンガーの一人、パット・ブーンの娘によるヒット曲。後年、リアン・ライムスによってカバーされたバージョンも素敵ですが、これも堂々たる歌いっぷり。名曲ですね。ほんま歌うまいっすよ。発売はワーナー/カーブ。カーブはワーナーのカントリー専門レーベルとして機能しています。

5:"Endless Love"Diana Ross & Lionel Richie(8 weeks)'80
http://www.youtube.com/watch?v=X35Mundp3j4
本当に心の底から大好きな曲です。発売はモータウン。洋楽ファンなら知らない人はいないブラック・ミュージックの宝庫ですね。

6:"Bette Davis Eyes"Kim Carnes(9 weeks)'81
http://www.youtube.com/watch?v=_-RdAzkKlXY
80年代らしいアレンジは今聴くとカッコよく聞こえます。本当にこういうサウンドが来ているんだなあと実感します。
発売はEMIアメリカ。

7:"Physical"Olivia Newton-John(10 weeks)'81
http://www.youtube.com/watch?v=VQXECBdPgEA
カントリーロードで有名な歌姫ですが、最大ヒットはこんなにヒップなナンバーです。PVのコミカルさがトホホなんですが。このPVの出てくる太っちょおじさん、映画「ポリス・アカデミー」にも出てました。ナツカシー。発売はMCA。MCAとはタレントマネージメント会社で、1962年にアメリカのデッカを買い取りいきなりメジャーレーベルの経営主となりました。(その後、MCAは映画会社のユニヴァーサルも買収。)アメリカ以外ではイギリスのデッカが商標を握っている「デッカ」を捨て、1968年にMCAとレーベル名を変更。こうしてメジャーとしてのブランド「デッカ」に終止符が打たれる。

90年代特に92年からはチャートの集計方がPOSデータに基づくものになり精度がアップしたことで、チャートには少しドラマ性がなくなってしまいます。出荷ベースの集計などが起こしていたアップダウンの激しい変動はなくなり、徐々に売れ行きをリアルに反映し、長期間売れ続ける曲が容易に連続首位をキープするようになりました。

8:"End of the Road"Boyz II Men(13 weeks)'92
http://www.youtube.com/watch?v=XZcG0NBMcDA
90年代ベイビーフェイスの更なる大躍進が始まる記念すべき作品。もともとボーイズⅡメンのデビュー盤「クーリーハイハーモニー」には収録されておらず、映画「ブーメラン」のサントラからのカットでした。この曲でベイビーフェイスは流行り廃りの早いダンスミュージックだけでなくメロディーのしっかりした曲も書けるアーティストとして大活躍します。発売はモータウン。1988年、モータウンはMCAに売却されており、かつてのようなインディー・レーベルではなくなっていましたが、長く沈滞していたモータウンの威光が復興する切っ掛けのヒットとなりました。また、当時MCAは1990年に買収した松下グループの傘下にあり、日本の会社の資本傘下のレーベルによるモンスター・ヒットとして、記憶に残る事でしょう。

9:"I Will Always Love You"Whitney Houston(14weeks)'92
http://www.youtube.com/watch?v=HGC003Xz3CY
完璧主義プロデューサーのデヴィッド・フォスターの活躍も90年代のトピックスです。80年代ももちろん大活躍でしたが。ホイットニー・ヒューストン主演映画「ボディガード」のサントラからのカット曲でした。発売はアリスタ。アリスタはコロンビアを解雇されたクライヴ・デイヴィスが、コロンビアから買い取った小さなレーベルを集めて興したレーベルとしてスタートしていましたが、ドイツのレーベル、アリオラに売却されました。その後結局、1986年にBMGグループに移って現在に至ります。アリスタはまさしくホイットニー・ヒューストンが看板アーティスト。まさに貫禄のヒットです。

10:"I Swear"All 4 One(11 weeks)'94
http://www.youtube.com/watch?v=eIn588kPE8I
この曲もデヴィッド・フォスターのプロデュースらしい精緻な音作りです。当時はこういう男性ヴォーカル・グループが乱立していました。このグループのメインヴォーカルを担当していた男の子は当時18、9歳。自分より若いアーティストの成功に正直戸惑いを覚えました。発売はBlittz/Atlantic。アトランティックは1968年のワーナー、エレクトラ、アトランティックの大合併で完全に独立したレーベルではなくなっていますが、それ後も、レッド・ツェッペリンの成功など、多くの伝説を音楽界に残しています。当時のワーナーは、タイム・ワーナー・グループとして、報道からエンタテインメントを牛耳るマスメディアの一大帝国として繁栄していました。

11:"I'll Make Love to You"Boyz II Men(14 weeks)'94
http://www.youtube.com/watch?v=PqU2WXKcUb0
大ヒットによる自作へのプレッシャーを見事にはねのけての新曲はやはりベイビーフェイスの制作曲。発売はモータウン。

12:"One Sweet Day"Mariah Carey & Boyz II Men(16 weeks)'95
http://www.youtube.com/watch?v=1hdlc3Q2iS8
90年代ヒット曲の申し子2組による超絶タッグ。プロデューサーがウォルター・アファナシエフということから解るとおりマライア側主導による制作。このウォルター・アファナシエフと言う人は水が滴る様なポチョンという音がよくはいるのですが、そういうしっとりしたサウンドが真骨頂です。マライアもここぞとばかり見事な歌声を披露していますね。発売はコロンビア。コロンビアの親会社CBSも1988年にソニーによって買収されており、松下、ソニーがそれぞれメジャー・レーベルを所有する時代でした。残念ながら、この1995年に松下はMCAを売却してしまったので、この時代は長く続きませんでした。

13:"Macarena(Beyside Boys Mix)"Los Del Rio(14 weeks)'96
http://www.youtube.com/watch?v=BrgdNWTTKlw
アトランタ五輪の会場で大観衆がこの曲に合わせて踊っている姿を思い出します。こういう曲は理屈では無いですね。いわゆるバカダンスです。スキャットマン・ジョンとかの類ですね。発売はRCA。RCAも大きな歴史のうねりの中で、1986年にドイツ資本のBMGに買収され、メジャーレーベルの呼称としての「RCA」に幕が下ろされました。

14:"Un-Break My Heart"Toni Braxton(11 weeks)'96
http://www.youtube.com/watch?v=pVjTVsjEw6Q
アトランタ五輪の話をしましたが、この当時は多数のアーティストも気候が良くて経済の発展の著しい南部、特にアトランタに身を寄せていました。ベイビーフェイスもその一人でした。
本作はベイビーフェイスの絶頂期に作られたスパニッシュなテイストも取り入れた見事な曲です。発売はLaFaca。ラフェイスとは、BMG傘下のアリスタの傘下に当時プロデューサー・チームとして活躍していたLAリードとベイビーフェイスが興したレーベルですが、ここでの、経営手腕、特にTLCの成功が買われ、LAリードはやがて、BMGのCEOにもなりました。しかし、成績が振るわず、老いて尚、アリシア・キーズを成功させた、クライヴ・デイヴィスが社長の座に復帰します。しかし、LAリードが心骨を注いだピンクやアヴリル・ラヴィーンがヒットし、彼の面目も立ちました。

15:"I'll be Missing You"Puff Daddy and Faith Evans feat. 112(11 weeks)'98
http://www.youtube.com/watch?v=LuBVpgE06JY
事実上、ポリスの”見つめていたい”のカバーといって差し支えないでしょう。
ノトーリアスB.I.G.への追悼という形で制作されましたが、そういうことを越えて多くの人に愛される歌詞を持つ歌と成りました。発売はバッド・ボーイ。バッド・ボーイもクライヴ・デイヴィスの庇護のもとBMG傘下に立ち上げられたレーベル。興したのは、MCA傘下のアップタウン・レコーズを解雇された若き才能、ショーン・パフィ・コムズ。この時は、まさか彼が音楽界を超え、最も影響力のある、ブラック・ピープルのひとりになるとは思いませんでした。

16:"Candle in the Wind 1997"Elton John(14 weeks)'97
http://www.youtube.com/watch?v=zIJIBo9bJk0
この曲はダイアナ妃追悼として制作されました。もともとエルトン・ジョンのヒット曲として知られる曲を歌詞を変えてセルフカバーしたものですが、プロデューサーはビートルズで知られるジョージ・マーティン。未だにエルトンのどのアルバムにもこのバージョンは収録されておらず、だんだんと幻の1曲となりつつある。発売はMCA。当時のMCAはシーグラムというカナダの飲料メーカーに松下から1995年に引き継がれていました。

17:"The Boy is Mine"Brandy & Monica(13 weeks)'98
http://www.youtube.com/watch?v=OV1jpP0sIrQ
これも大物二人によるデュエット。1人の男性を巡って対決する2人という緊迫した内容の曲が曲調とも相まってドラマチックに盛り立てます。ロドニー・ジャーキンスのプロダクションも冴え渡っている名曲ですね。発売はアトランティック。

18:"Smooth"Santana feat. Rob Thomas(12 weeks)'99
http://www.youtube.com/watch?v=_174faErDH0
クライヴ・デイヴィスが伝説のギタリスト、サンタナ復活の為に仕掛けた豪華ゲストボーカル陣に彩られたアルバム、「スーパーナチュラル」からのファーストカット。日本で言うところのスカパラのアルバムみたいな感じですね。ヴォーカルはマッチボックス20のロブ・トーマス。ただ日本人が聴くとどう考えても桑田佳祐にしか聴こえません。発売はアリスタ。サンタナはもともとクライヴ・デイヴィスがヒットさせたアーティストですが、この復帰もまた、クライヴが豊富な人脈を120%発揮して恐るべきゲストの顔ぶれに支えられ大ヒットしました。

19:"Maria Maria"Santana feat. Product G&B(10 weeks)'00
http://www.youtube.com/watch?v=6Ml3NUIDpFg
大のお気に入りの曲です!!フージーズのワイクリフ・ジーンによるプロダクションがはまりまくっていて、切ないながら情熱溢れる曲に仕上がっています。残念ながらここで素晴らしい歌を披露しているProduct G&Bは結局たいした活動もしないまま時代のウズに飲み込まれましたが、この歌によって永遠に残るでしょう。発売はアリスタ。

20:"Independent Woman Pt.1"Destiny's Child(11 weeks)'00
http://www.youtube.com/watch?v=WXQ0Cqu2D0U
チャーリーズ・エンジェルズの主題歌でもあったこの曲ですが、女性の時代の到来を高らかに宣言するような強力なチューンは00年代の主役が誰になるかを知らしめた曲でもありました。たしかケヴィン”シェークスピア”ブリッグスによる制作だったと思います。当時はロドニー・ジャーキンスなどへの制作依頼料が高騰しており、こういう時代に合致していながらも何か新しいことが出来る若い才能の青田刈りが進みました。発売はコロンビア。マライアが斜陽になった頃から、うまくヒットし、ポストマライアとして、コロンビアを助けました。

21:"Foolish"Ashanti(10 weeks)'02
http://www.youtube.com/watch?v=jOCVnYNvBZw
完全にアイデアの勝利。これを聴いてビギーの”ワン・モア・チャンス(ステイ・ウィズ・ミー)”を想像させれば勝ちと言うところです。歌は涼しげでさらっとした感じ。発売はMurder Inc./Def Jam。マーダー・インクとはアーヴ・ゴッティなる人物が興したレーベル。闇の噂も耐えない、デス・ロウのシュグ・ナイトと同様、コワモテのオーナー。手法はバッド・ボーイの成功例のならい、あけすけなサンプリングでがっちりリスナーのハートを掴む。共同リリース元のデフ・ジャムは1985年以来のパートナー、ソニーより、1995年にポリグラム傘下に入り、ポリグラムのユニヴァーサル統合を受けて、現在のユニヴァーサル・グループの柱のレーベルになるに至っています。

"One More Chance(Stay with Me)"The Notorious B.I.G.
http://www.youtube.com/watch?v=jPK6BKdQdlI

22:"Dilemma"Nelly feat. Kelly Rowland(10 weeks)'02
http://www.youtube.com/watch?v=ubOGTrn5gZg
特に女子受けの良いヒップホップトラックです。確かにドリーミーな感じが心地いいです。
ビヨンセの一人勝ちと思われたデスチャのソロ活動ですが、この曲のヒットで、ケリーも一矢報いたというところでしょうか。このネリーと言う人も非常に器用な人で歌うようにラップすると言う特異なスタイルで息長く好曲を量産しています。発売はFo' Reel。まあ、ユニヴァーサルからのリリースと考えていいでしょう。ユニヴァーサルとは、1998年、MCAとポリグラムが合併した際、名づけられたメジャー・レーベル名。世界最大のレコードレーベルの誕生となりました。この統合によって、金を使いすぎて経営が難しくなったシーグラムより、2000年、フランスの公共事業から放送通信の大手、ヴィヴェンディが経営を受け継ぎました。

23:"Lose Yourself"Eminem(13 weeks)'02
http://www.youtube.com/watch?v=xFYQQPAOz7Y
私が本当に心から愛する曲です。
現在のところ心のベスト10、第1位驀進中。発売はShady/Aftermath。シェイディ・レコーズはおなじみエミネムが2000年にインタースコープ傘下に設立したレーベル。一方アフターマスはドクター・ドレが、デス・ロウ離脱後1996年にインタースコープに設立したレーベル。インタースコープは元々ワーナー傘下のアトランティックの出資で造られたレーベルでしたが、インタースコープが傘下に持っていたデス・ロウの作品が世の反発を受けるのを見て、1995年、インタースコープごとMCAに売却。以来、MCA~ユニヴァーサル傘下に収まっています。

24:"In Da Club"50 cent(9 weeks)'03
http://www.youtube.com/watch?v=gati4YAwzb0
ドクター・ドレのトラックも非常に上質でヒップホップの芸術性の高さも証明していますが、クラブでキメる曲としてもこれだけハードボイルドな作品も貴重です。男の魅力2割増し。濱渡氏命名の”エミネム・ファミリー筋肉担当”は伊達じゃない!!発売はShady/Aftermath。

25:"Baby Boy"Beyonce feat. Sean Paul(9 weeks)'03
http://www.youtube.com/watch?v=qTLLoHVzSBo
ダンスホールの貴公子とのコラボという飛び道具ですが、曲の仕上がりは上々。ビヨンセにしては抑え気味のヴォーカルも新境地。発売はコロンビア。

26:"Hey Ya!"Outkast(9 weeks)'03
http://www.youtube.com/watch?v=xrr81SRhp_s
この曲も名曲。エミネムが1位ならこの曲は間違いなく2位です。天才です。アンドレ3000の宅録ともいえる一人多重録音ですが、非常に濃い味わいになっています。まさにプリンスの再来です。発売はLaFace。

27:"Yeah!"Usher feat. Ludacris & Lil Jon(12 weeks)'04
http://www.youtube.com/watch?v=NiXbRBS5Z58
2004年はアッシャーのためにあるような年でした。まさかのリル・ジョンの起用でしたがこれが大成功。世界的に知名度のあるスターへと階段を駆け上りました。ビデオクリップでは「イ゛エ゛ー」としかいってないロン毛のチッサイおっさんがリル・ジョンですが、一遍聴いたら忘れない中毒性たっぷりの曲を作る職人です。発売はLaFace。

28:"Let Me Love You"Mario(9 weeks)'05
http://www.youtube.com/watch?v=ti2ggXcbwPk
毎年年始は新アーティストのブレイクが楽しみなのですが、05年はマリオのヒットが驚きでした。ただ、この曲のヒットで得をしたのは実はニーヨとスターゲートでした。この曲の製作者として脚光を浴び、この後次々にヒットを飛ばしていきます。発売はJレコード。そう、クライヴ・デイヴィスが造ったレーベルです。 

29:"Candy Shop"50 Cent feat. Olivia(9 weeks)'05
http://www.youtube.com/watch?v=Zxf0TOk0ho0
”俺達のアニキ”50セントがネリーのジレンマのように女子受けのいいトラックも頑張ってみた結果がこれ。決して女子受けが物凄くいいとはいえませんが、それでも男子更衣室のような暑さがいくらか抜けて、大ヒットになりました。発売はShady/Aftermath。この時期、親会社インタースコープの親会社ユニヴァーサルを統括するこのヴィヴェンディも目論みが外れて、投資額の回収の目途が立たずフランス史上に残る、空前の大赤字を出し、2004年すでに映画部門は米国マスメディアNBCに売却済み。このレコードレーベルもナウ・オン・セールという事態に。なにやら松下の買収以来落ち着く先がありません。

30:"We Belong Together"Mariah Carey(14 weeks)'05
http://www.youtube.com/watch?v=LoBdt9L_DPA
マライア起死回生にして超名曲の誕生。
うちに来れば必ずヒットすると大見得をきっていたアイランド・デフジャムグループも総指揮にあたったジャーメイン・デュプリも、そして何よりマライア本人にとってもまるでプロジェクトⅩのような物語です。本作収録のアルバムも本当にいい作品で、捨て曲なし。久しぶりにそういう作品集にであえました。発売はアイランド。アイランドはユニヴァーサルの3本柱の一つ、アイランド・デフジャム・グループのレーベル。80年代にはすでにU2などを擁した、元ポリグラム系のグループです。

31:"Gold Digger"Kanye West feat. Jamie Foxx(10 weeks)'05
http://www.youtube.com/watch?v=LU13MRtSD7E
ジェイミー・フォックスのレイ・チャールズが降臨したような
激似の人力サンプリングによって非常に味わい深い作品になっています。カニエの才能もたっぷり味わえる良質な作品。発売はデフ・ジャム。2004年にラッセル・シモンズから経営権を譲り受けたジェイZが早々に手にした特大ヒット。彼は経営者としての知名度をも欲しいままに。

32:"Irreplaceable"Beyonce(10 weeks)'06
http://www.youtube.com/watch?v=wX31sAh7GPA
ニュー・アルバムからカットする曲がことごとくコケてしまっていたビヨンセの危機を脱するために切った切り札。ニーヨとスターゲイトという美メロ請負人ががっちり作った渾身の力作。これが大ヒットに。当たり前ですが美曲です。発売はコロンビア。コロンビアの親レーベル、ソニー・ミュージック・グループは、2004年、特大になったユニヴァーサル・ミュージック・グループに対抗するため、BMGミュージック・グループと対等合併をしました。こうして、音楽レーベルは、戦後の群雄割拠から遂に2大メガ・メジャー(ユニヴァーサル&ソニーBMG)+2大ハイパー・インディ(ワーナー&EMI)の時代に突入しました。

33:"Low"Flo Rida feat. T-Pain(10 weeks)'08

http://www.youtube.com/watch?v=3VVuMIB2hC0
名前のとおりフロリダ出身のラッパー、フロー・ライダのデビュー曲にして大ヒット曲。デビューに際してはTペインがかなり後押ししたそうで、当然のようにゲスト参加。早いBPMのラップが流行るきっかけともなった。発売はPo Boy/アトランティック。アトランティックの所属するワーナー・グループは、AOLに買収され、そしてすぐに売却され、2005年、エドガー・ブロンフマンという投資家の手にわたっていますが、メジャーとして残った4社では、結局一番シェアを伸ばしています。エドガー・ブロンフマンとは元シーグラムの社長、つまりMCAを松下から引き受けた人でありますから、この業界に対する執念のようなものを感じます。このワーナー好調のキーマンはリオ・コーエン。もとはデフ・ジャムの重鎮だったヒップホップ人脈の豊富な人で、ワーナーをヒップホップ王国にすると言ってのけた人物。確かに彼の力もあって、順調に成績を残しています。


34"Boom Boom Pow"Black Eyed Peas(12 weeks)'09

http://www.youtube.com/watch?v=QtGlHPFCH8A

00年代が向かった80年代再評価の行き付く先には、80年代の終末期がそうであったように、無機質でBPMの早いデジタルビートが席捲する潮流が訪れました。この時代の変化に80年代当時の米国は対応できず、一時期、ロンドンや欧州に時代のリードを許すのですが、今回の流行は、米国の威信をかけて、彼らがそのトレンドセッターの立場を買って出ました。今までのスタイルとはかなり異色な楽曲ですが、これまでも様々なスタイルに挑戦してきた彼らだけあって、きちんと消化して、自分たちのものにしています。




歌は世につれ、世は歌につれ・・・
聴けば思い出すあの思い出。