本日はマイコレ紹介ではなく、予告していたネタ。
【カーター的スニーカー保存法】 をお送りします!
2011年、つまり昨年末時点で私はどのようにコレクション達を守っていたか。
過去にもよく質問をいただいていたので、今回は写真も交えて解説していきたいと思います。
ではまず、以前も紹介しました、我が家のスニーカー部屋。
こういう状態で一部屋に保管してある訳ですが、シューズをただBOXに入れて積み上げている訳ではありません。
まぁ、今世紀に入ってしばらく経つまでは箱に入れてただ置いてあっただけなので、それ以前に入手したマイコレのうち結構な数が残念な状態になっています。
これら見事なまでの変色(汗)
クリアソールやプラスティック系のパーツが変色するのはよく知られていることですが、以前の私はそこをあまり警戒していなかったものでして……
このように、アッパーそのものも変色することがあります。
白系の箇所は、例えレザーであっても変色する可能性があります。
さらに、あまり知られていないかもしれませんが、ソール部分も白系だと変色の恐れがあります。
こういった経年劣化による変色は極力抑えたいところ。
…さらにさらに。
スニーカー好きであれば誰しもが大敵と考えるであろう、
そう、加水分解!
80年代後半からのナイキ製フットギアにはソールにポリウレタンが使用されるようになり、その柔軟性や軽量性、衝撃吸収性は非常に評価が高かったのですが。
同時に、水分が徐々に蓄積することによる化学反応でボロボロになってしまう為、長期保管には向かないというのは今さら書くまでもないことかと。
(ポリウレタンは特に加水分解しやすいですが、そうでないゴム系素材も、程度の差こそあれ加水分解は起こるようです)
しかしながら、自分の足は二本しかない訳で。
いかに履き替えのサイクルを早めようとも、私のような息をするごとくクツを買ってしまうスニーカーフリークにとっては、履くためにおろすスピードよりもコレクションが増えるスピードの方が上回りますから。
履こうにもなかなか踏ん切りがつかない希少なモデルも合わせて、履ききれないままの大多数は長期保管を考えねばならなくなります。
で、今世紀に入ってからしばらく経ち、マイコレ達が劣化の影響を受ける様を目前にして事態の緊急性を認識したカーターは。
それから、試行錯誤を繰り返してコレクション保護に全力を注いできました。
日々改善に改善を重ねた私のスニーカー保存法。
その最新版はどういったものか。
ZOOM KOBE 1 STASH/NORT
に対し、まだ劣化防止処置を施していない状態と仮定して、解説していこうと思います。
一般的なナイキBOXですね。
これのフタを開けると
おなじみのこういう状態でシューズが収められています。
保護する意味でもって包み紙に覆われている訳ですが……これ、ササッと取っ払っちゃいます。
包み紙を取り除くとこうなりますね、微妙に心許ない光景ではありますが(苦笑)
続いてシューズそのものの内部。
大抵の商品のトゥ部には、固く丸めた紙類だったり、トゥの形状に合わせてアーチ状に作られた紙製トゥキーパーが差し込まれています。
つまりはこういう状態。
もちろん、トゥ部の形状を維持するには有効かと思いますが……これも抜き取ってしまいます。
ですので、上の写真にある包み紙とトゥ部の紙は、思い切ってどちらも廃棄します。
その理由ですが。
シューズの変色の原因について色々調べた私は、自分なりにある一定の結論に達しました。
それは、変色を招くのは再生紙に含まれる不純物であろう、ということです。
再生紙には製造段階で、白モノ衣類の黄ばみの原因となる不純物がどうしても混入してしまうそうでして。
白モノ衣類の黄ばみに寄与する物質ならば、シューズの変色の原因にもなると考えるべきかなと。
ならば、それら再生紙は極力シューズから遠ざけた方がベター。
上の写真の紙類はほとんどの場合が再生紙ですから、これはもう取り除いた方が良いと思います。
もちろん、特別なプリントなどがある包み紙もありますから、そういったものは廃棄せずに畳んで保管しておくようにしています。
さらに、変色の原因を遠ざけるという視点から一歩進めまして。
黄ばみ・変色に寄与する物質は微量ながら空気中にも存在していますし、もしかするとそれぞれのシューズ自体のパーツ等にそういった原因物質が混入している可能性さえあるかもしれません。
ですので、
これの力を借ります。
ご覧の通り、衣類タンス用の防虫剤、【ミセスロイド】です。
ドラッグストア等で普通に売っているアイテムですね。
このミセスロイドを使うのは、主に黄ばみ防止機能を利用したいが為。
衣類の黄ばみを招く原因物質を吸収し衣類を守る……その力でシューズも変色から守ってもらいます。
シューズの変色予防にミセスロイドを利用するこのアイデアは、かなり以前にnewinboxさんのブログ記事で紹介されていたものです。
そのアイデアを初めて知った時は本当に驚くと共に有り難く思いました、そうかソレか! と嬉しくなったものです♪
実際に使うのはこの小さなもの一つ。
このサイズの小ささも、シューズと一緒に保管する上で重宝する部分です。
どのように使うかはまた後ほど説明するとして、ここは次の段階に進みます。
変色と共に防ぎたいもう一つは、もちろん加水分解。
水分を吸わせすぎるとソールが固くなり、最終的には粉状にボロボロにもなったりするのですが。
加水分解を防ごうと考えた時、水分をブロックすることや水分を抜くことをただ単に行うだけでは不十分であろう、と個人的には思います。
加水分解が起こる原因はポリウレタンと水分の化学反応であることは前述の通りですが、それは湿気を吸わせ続けた場合のみ起こる訳ではないようでして。
例え微量であっても、ソールに水分が残っていてかつ循環しない状態が続けば加水分解は起こる……また、一度ある程度の水分を吸収したソールから水分を抜き取り過ぎても、加水分解は起こってしまう。
そういったことを考慮すると、サランラップ等でぐるぐる巻きにして何年も密封したままにしたり、シリカゲル等を大量に同封して密封したりするのは、個人的には避けたいなと。
私は以前は湿気対策に引き出し用ドライペット等のパック型除湿剤を利用していたのですが、吸水面の紙はやはり再生紙であろうことと、水分は循環するのではなく一方的に吸い取るだけになるだろうことから、現在は利用を順次取りやめています。
で、代わりとなる湿気対策は、これです。
木製シューキーパー(一般的にはシューツリーと呼称されます)。
主に革靴やブーツなどのケアに使うアイテムです。
形状維持と消臭、そして除湿の三点で力を発揮します。
革靴等に使えるのなら、スニーカーに使ってもいいはずだ! と導入しました。
新品のスニーカーに使うので、形状維持と消臭についてはあまり考えなくともよいと思えますが、除湿能力については存分に活躍してもらいたところ。
特に心強く思えたのが、木製であるということです。
木材には元々、全てではないにしろある程度は吸収した水分を外に放出する性質を備えています。
その 『呼吸する』 性質が、水分の循環が必要であるスニーカーのソールにはピッタリだなと。
ですので、これをシューズの中に挿し込みます。
木製シューキーパーは内部でそのシューズ形状に合うように、上の写真にある爪先は左右に分かれる作りになっています。
かかと側は、爪先側と金属製の支柱で繋がっていて、さらにスプリングが内蔵されています。
そのスプリングにより金属支柱を伸び縮みさせ、シューズ内部で爪先からかかとまでバチッとフィットさせる作りです。
そのシューキーパーを爪先側からグイッと差し込みます。
ちなみに、木製シューキーパーは目に見えない細かな木屑が付着していることがありますから、使用前に乾いた布等で全体をぬぐっておいた方がいいですね。
そして、シューキーパーを差し込むと、上の写真の状態になります。
木製シューキーパーを選択する上で、私なりのポイントを書くならば、それは二点あります。
まず一つ目は、対応サイズについては小さめを選びます。
前述の内蔵スプリングは結構強力なものが多く、中に挿し込んだ後もずっとシューズ内部の前後を押し広げ続けている状態になります。
木製シューキーパーはそもそも着用後の革靴やブーツに使うものですから、形状を着用前に復帰させる意味でこのスプリング効果は有効でしょうが、未使用のスニーカーにその効果はあまり意味はないですし、中でグイグイ広がろうとするシューキーパーによって逆にシューズが傷むんじゃないかと心配にもなります(苦笑)
また、爪先部の形状的にも、低くて細い国外メーカー製のスニーカーにはあまり合わないでしょう。
爪先が割れてフィットする作りにもなっている訳ですから、それならば小さいサイズでいいなと。
私自身は、使いたいシューズのサイズに対して、シューキーパーの対応サイズ帯は2エリアは下のものを選びました。
例えば28cmのシューズには、27.5~29や26~27.5ではなく、24.5~26のもの、という感じです。
二つ目は、シューキーパーのランク。
木製シューキーパーは価格的にピンキリですし、高級なものはもちろんいい物ですが。
私は、作りさえちゃんとしているなら特に高級なものでなくとも良いと思います、高級なものになると、あえて強い香りを付けている商品も多いですし。
強い香りが木製シューキーパーで好まれるのは、そもそもの使用用途が着用後の革靴・ブーツのケアである、という観点からです。
消臭効果プラス香りの付加で、次の着用時に臭いを気にせず履ける訳ですね。
しかし、未使用のスニーカーにとっては強い香りは不要です……いやむしろ余計な要素かと。
ですので、強い香りを放つ仕様の高級シューキーパーよりも、香りの弱い中価格帯から低価格帯のシューキーパーを選ぶようにしています。
さぁ、木製シューキーパーを差し込んだシューズは次にどうするか。
ここで、このアイテムの登場です。
One Zip JUMBO。
こちらはアメリカの製品でして、newinboxさんのネットショップで購入。
1BOXに10数枚入りのものでした。
ジッパー付のビニールパックです、イメージとしては大きいジップロック、という感じでしょうか。
マイコレの保護対策を始めた当初は、ホームセンターにあるようなチャック付のビニールパックを利用していたのですが、ビニールのクオリティが低い上に密封力が今一つだったのですが。
このワンジップの密封効果は相当に高いです、食品保管にも使えるクオリティの高さに加え、ジッパーが付いているので格段に開閉の手間がかかりません。
またサイズの大きさが素晴らしい、30数センチもあるような大きいバッシュも入ってしまいます。
空気中や部屋内にある他の物質と遮断するためには、このアイテムはかなり有効かと思います。
このアイテムを利用したいが為に、『呼吸する』 木製シューキーパーを導入した訳です。
ということで、このワンジップの中にシューキーパーを挿入したシューズと、さらに前出のミセスロイドを入れます。
そうすると、こういう状態に。
ここから、ミセスロイドの向きに注意しつつワンジップ内の空気を抜いていきます。
そして、ある程度空気を抜いたらこのようにジッパーを閉じ、密封。
その密封した状態のものを、BOXに戻します。
これで、カーター的保存処置は完了。
この処置を施した日付をリストにして記述し、あとはフタを閉じて積み直せば終了です。
そして最初に戻る、と(笑)
それをスニーカー部屋に積み上げている訳ですが。
木製シューキーパーの挿入についてはまだ半分にも達していません、マイコレ紹介するブツを探す時など、機会を見つけては少しずつ進めているのですが……先は長い(汗)
また、処置に手間がかかることもそうですが、シューキーパーの在庫そのものがそろそろ心許ないんですよね…
残りはあとこれだけ。
多分もう20数足分しかないと思います。
以前かなり豪快に大人買いしたんですが、ここまで減ってはまた買い足すことを考えねばならないかと。
新たに木製シューキーパーを買い求める場所を探しているんですが、革靴やブーツなどを愛用されている勤め先の先輩に相談したら、東急ハンズなら色々なタイプがあるかも、との情報をいただきました。
後日、東急ハンズに探しに行ってみようと思います。
もしも何処かの東急ハンズでシューキーパーを爆買いしている男を見かけたなら、それはほぼ間違いなくカーターだと思います……ので、その時はそっとしておいてあげてくださいね(苦笑)
さて、こうやってしまい込んだらそれでOKか、という訳でもなく。
定期的なケアは必要です。
先だって、処置を施した日をリストに記述、と書きましたが。
それは、ミセスロイドの交換時期を把握する為です。
このタンス用のタイプは12か月程度効力が持続するそうでして、交換時期は下の写真のように
青い部分に 『おとりかえください』 の文字が出てきたら、となっています。
が、私は過去利用してきた経験では、スニーカーと共に密封した状態だと10か月ほどで上の状態になったことが多かったです。
よって、リストに記述した日付からだいたい10か月後には交換するようにしています。
また、時々は使用していた木製シューキーパーの虫干しするなどもして。
そうやって愛情を注げるだけ注がねばスニーカー達は守れない、それが私の考えですw
さらには。
シューズ本体の保管方以外の部分も少し触れます。
それは、スニーカールームそのものの環境整備についてです。
スニーカーにとって、湿度の高さというのは大敵ですが。
特に夏場、日本の高湿な気候は避けられない条件な訳でして。
ならば、それに対処せねばなりません。
ということで、カーターはこう対処しました。
除湿機をスニーカー部屋に常駐。
これで、夏場はもちろん、一年を通してスニーカールーム内の湿度を50%以下に保ちます。
この除湿機の働き者ぶりは目を見張るほどでして、我がスニーカールームの番人と言っていいです、多分ドワイト・ハワードぐらいのヘルプディフェンス能力があると思います!(…ン?)
とはいえ、スニーカールームにお迎えしてからもう8年以上になりますから、今夏には引退になるかと思います。
残り半年あまり、最後まで頼りにさせてもらいます♪
続いて、除湿機以外の部分で、所有足数の多いカーターなりの工夫を書くならば。
まず、この金属製の棚。
こんな風にぎっしり積んであるように見えますが。
この棚、前後に二つありまして、奥側にもう一つ同じものがあります。
が、その奥側の棚は、この表側とはちょっとだけ積み方を変えてまして、ところどころ積むBOXの数を減らしています。
例えば、上の写真は表側の棚の中段が主に写っていますが、その中段は四列に5箱づつBOXが積まれている状態となっていますね。
これが奥側の中段だと、右から二列目と一番左の列は4箱のみ積んでいる状態となっています。
そうして積み上げる高さをところどころ変えることにより、わずかでも空気の通りをよくして湿気の停滞を防ごうという発想です。
棚などはなく、BOXをそのまま積んでいる状態です。
が、これらは床から直接積み上げている訳ではありません。
湿気というのは、部屋の低い位置に溜まる性質があります……ですので、床というのは部屋の中で最も湿度が高くなる位置と言っていい。
それを考えると、スニーカーを収めたBOXを床に直接置くのは避けるべきです。
前述の金属棚は足の部分があるので、それに積んだ中で一番下にあるBOXでも床から15cmほどの空間(隙間) がありますが。
棚に積んでいないBOX達は 『棚の足』 の代わりとして、あえて空のダンボール箱を一定間隔で並べ、その上にスニーカーのBOXを積むようにしています。
それにより床から距離がとれますし、空ダンボール達にはそれぞれ数か所づつカッターでくり抜いた穴を開けてありますから、湿気も留まりにくい。
そんな風にして、湿度の高い床付近の位置に対しての対策をとっています。
加えて書くなら。
除湿機というのは稼働することにより熱を放射しますので、働き続けると実は部屋内の温度が少し上昇します。
これは夏場にはツライ面です、高すぎる温度もスニーカーにとっては相性がよくないので。
それを緩和するため、スニーカールームの窓にはカーテンを二枚かけ、そのうち一枚は遮光カーテンにしています。
そうして日を遮り、日光や外気による温度上昇を妨げることで除湿機を気兼ねなく利用できる状況にしています。
それでは、以上を踏まえてカーター的保存法のポイントをおさらいします。
①包み紙等の再生紙は取り除く
②変色対策にミセスロイドを使う
③加水分解対策には木製シューキーパーを使う
④ワンジップ(ジッパー付ビニールパック) に封入する
⑤定期的にケアをする
⑥保管場所(部屋)そのものの環境も整える
……しかし、そこまではとても手が回らない!という方に、私なりのアドバイスをお伝えするならば。
ビニールパック等で外気と遮断する方法をとらないなら、BOXからも取り出した方が良いです。
再生紙に不純物が…という話はもちろんBOXにも有効です、BOXも大抵は再生紙ですから。
逆に言えば、BOXから取り出し包み紙等からも遠ざけて保管するなら、他には特に手段をこうじなくとも変色はかなり抑えられる可能性があります、もちろんタバコや日焼けはNGですけど。
また、加水分解に関しては、新品として保存することにこだわらないのであれば、スニーカーは時々履いてあげた方が加水分解の進みが遅くなり長持ちします。
バスケなどの激しい運動で度々履いたりすれば損傷が早まるのは当然ですからそれは別としても、外履きとして時々履いてあげることについてはいいことかと思います。
スニーカーは履いてあげることによってソールの中の水分が外気と適度に行き来します。
水分凝固を回避し加水分解を遅らせるには、未使用でしまっておくよりも履いてあげた方が良いかと。
私が未使用品の呼吸にこだわり木製シューキーパー使用に踏み切ったのはその辺りが理由です。
……こう書いてくると、スニーカーはやっぱりすぐに箱から出して履かなきゃな♪ という結論になってしまう訳ですが(笑)、足が二本しかない私には未使用で保存する方法を追及するしか道は残されていないのです。。。
とにかくも、我がスニーカールームのコレクション達を守るべく、カーターはこれからも奮闘します!
そんな私のこの記事が、少しでも皆さんの参考となったなら幸いです。
以上、カーター的保存法紹介でした。
……最後に付け加えるなら。
ここまで紹介してきたのは、あくまでカーターなりの保存法です、これが100%有効ということはもちろんありませんし、どうやったところで劣化が起こる時は起こります。
ですので、上記の処置は絶対の自信をもってお奨めできません、一つの参考としてとらえてください。
もしも上記と同じ処置をご自分でも施されたとして、それでもアッサリ劣化してしまったとしても……怒らないでね?(大笑)
ただ、過去幾度となくコメント等でスニーカー保管方法についての質問をいただいていましたから、ここは一念発起して一度まとめて記事を書こうと思った次第です。
そんな思いで書き上げた今日の記事、やっぱり長い(汗)
長文ばかりな当ブログをご覧くださる皆様、いつもいつもスミマセン。
もうちょっと短くまとめられるよう、今後は頑張ります……て前にもそんな誓いを立ててた気がする(滝汗)
それでは本日はこれで。
また次回に~!