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賃貸アパート・マンションの生活で、損をしないために知っておいた方がよい知識

宅地建物取引主任者として、バブルの時代から不動産業界に関わってきた経験から、お部屋探しから引越しまでの、知らないと損をしてしまうの知識などをわかりやすくご紹介していきます。また、日常のことや他愛もないことも交えて、堅苦しくないブログにしたいと思っています。

少しでも安い家賃の部屋に住みたいと思っている人は、家賃以外の条件が気に入った物件があった場合に、「もう少し家賃が安ければなあ~しょぼん」と思った経験をお持ちの方も多いと思います。


売買のマンションや一戸建ての場合には、交渉次第で価格が下がるケースはよくありますが、賃貸の部屋の場合は、家賃を下げる交渉をすると下げてもらえるケースはあるのでしょうか?


その答えは、単純にYESかNOかだけで言えば「YES」です。


ただし、賃貸の物件の場合には、どんな場合でも値下げ交渉をすれば家賃が下がるという訳ではありません。


家賃の値下げ交渉をする価値のある物件はケースバイケースで、さらに交渉の際には注意しなければいけないことがあります。

家賃は、生活費の内のかなりの割合を占めるため、少しでも安くなればうれしいですね。


家賃の値下げ交渉をして少しでも安くしたいと思っている人のために、「価格交渉で家賃を下げてもらうコツ」をご紹介します。

まず、前提として頭に入れておくべきことは、「価格の原則」です。

どんな商品でも、黙っていてもバンバン売れる商品は価格は下がりません。

逆になかなか売れない商品は、価格が下がり在庫を少しでも減らそうとするのが世の中の常識です。

住居でも他の商品と同様で、需要がたくさんある人気の地域の物件、駅から歩いて近いところや、多少遠くてもバスなどの交通の便がきちんとしているなどの条件の良い物件は、家賃を下げてまで貸さなくても他に借り手がたくさんいるため、家賃を下げる交渉をしても難しいでしょう。

また時期的なことで言えば、引っ越し時期のピークである2~3月、9~10月は、部屋を探している人が多いので、家賃を下げてもらう交渉をしても相手にされない可能性が高いです。

したがって、値下げ交渉をすれば家賃が下がる可能性のある場合は、今までご紹介した条件と逆の条件です。

あまり人気のない地域の物件、交通の便が悪い物件、古くてあまり借り手のつかない物件などは、充分に値下げ交渉をする価値があります。

また時期的なものは、引っ越し時期のピークを外れている時期、5~8月、11~翌年1月くらいですが、7月、12月はボーナスで引っ越す人も比較的多いため、6月、11月頃をターゲットにして引越しを考えてみると良いでしょう。

値下げ交渉をすれば家賃が下がる可能性のある物件、時期を頭に入れ、次に大切なことは物件の性質、交渉の方法ですが、これについてはまた次の記事でご紹介します。
今回ご紹介をする判例は、平成6年の少々古いものですが、この当時は今ほどインターネットも普及していませんでした。

何かを調べる場合でも書籍などで調べることが多く、また国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も公表されていなかったため、多くの人は原状回復の知識はあまりありませんでした。

その当時に出た判例でも、「借り主が通常に使用しての汚損、損耗は原状回復の対象にならない」とされているので、現在はなおさらその傾向は強くなっていると思います。

■判例の要約

借り主「Aさん」は、昭和62年5月より、賃料12万円/月の部屋を貸し主「Bさん」と契約し、敷金を2か月分の24万円を預け入れました。

そして、約6年後の平成5年4月に、AさんはBさんと合意の元で解約をし、部屋を明け渡しました。

しかし、貸し主のBさんが敷金を返還しないため、返還を求める訴訟を起こしました。

貸し主Bさんの主張は、部屋の明け渡しを受けた後、畳の裏替え、襖の張替え、じゅうたんの取替え、さらに壁・天井等の塗装工事を行ない、その費用として24万9780円が掛かったので返金する敷金はないとのことでした。

この契約には「賃借人Aは賃貸人Bに対し、契約終了と同時に本件建物を原状に回復して(但し賃貸人の計算に基づく賠償金をもって回復に替えることができる)、明け渡さなければならない」という特約がありました。

これに対して、簡易裁判所は、借り主Aさんの主張を認めて敷金24万円の返還をする判決を下し、貸し主Bさんは控訴しました。

それに対し地方裁判所は、

1、契約書に記載してある「原状回復」という文言は、賃借人の故意、過失による建物の毀損や通常でない使用方法による劣化等についてのみ、その回復を義務付けたとするのが相当である。

2、賃借人は、部屋に居住して通常の用法に従って使用し、増改築ないし損壊等を行なうこともなく明け渡したが、その際または明け渡し後相当期間内に、賃貸人や管理人から修繕を要する点などの指摘を受けたことはなかった。

3、賃借人は契約の更新の度に、新賃料1か月分を更新料として支払ったが、賃貸人は部屋の内部を見て汚損箇所等の確認をしたり、賃借人との間でその費用負担について話し合うことはなかった。

4、以上から、賃借人は部屋を通常の使い方によって使用するとともに、善良な管理者の注意義務をもって部屋を管理し明け渡したと認められるから、通常の用法に従った使用に必然的に伴う汚損、損耗は本件特約にいう原状回復義務の対象にはならないとし、賃借人の請求を認容した簡易裁判所の判決は相当であるとして、賃貸人の請求を棄却しました。


以上の結果、敷金24万円は借り主Aさんに全額返還される判決が出されました。

Aさんが敷金が返還されないまま黙っていたら、24万円は返還されずに泣き寝入りする結果になっていたと思いますが、全面的にAさんの主張が認められた判例です。


※判例とは、“裁判所が過去の訴訟事件に対して示した法的判断の例”です。
1つの事例としてご紹介しましたが、裁判の内容、お互いの主張はそれぞれ異なるため、他の同じような裁判でも、必ずしも同様の判決が下されるわけではありませんので誤解の無いようにしてください。

部屋を借りる時には、一部の例外を除いて、借りる側と貸す側(家主)の間で“賃貸借契約”を結ぶのが普通です。


契約を結ぶ際に、書面として契約書を作成し、お互いその内容に同意をした上で署名、捺印をして締結します。


不動産に限らず、どんな契約書でも難しい用語や言い回しで書いてあることが多いため、契約の時に説明があってもなんとなく聞いている人もいるかもしれませんが、できる限り内容を把握して、疑問に思うことや納得できない点は、その場で遠慮なく聞いておくようにしましょう。


多くの場合は、常識に基づいた契約内容、借地借家法などの法令に違反しない内容での契約書が作成されますが、まれに法律に違反、またはスレスレで曖昧な内容の契約書を作成され、半強制的にその内容で契約を結ばされてしまう場合もあります。


そのような場合は後々トラブルの種になる場合も多いので、契約書の内容に疑問を感じたらどんなことでも質問するようにし、自分で納得できた後に署名、捺印をするようにしましょう。


そのためにも、契約書はできるだけ契約の前に見せてもらうようにした方が良いです。


契約当日に初めて契約書を見る流れでは、じっくり読んでいる時間もあまりなく、ちょっと疑問に感じる点や不明な点でも、「ま、いっか」的な感覚でスルーしてしまいがちです。


できれば、契約の日以前に契約書のコピーをもらい、家などでじっくり読んで疑問な点や不明な部分はメモをして、契約当日に確認する流れにしましょう。


また、それまでに不動産業者などと話していた内容と違っていたり、後々トラブルになりそうな重大なこと、明らかに常識外れと思われる内容があれば、契約前にきちんと伝えて条項の変更を主張しましょう。


特に“特約条項”の項目は、極端に貸し主側に有利な内容を記載していることが多く見受けられるため、特約条項の項目はいっそうじっくり読んで、内容を理解するようにしましょう。


契約書の内容について1つ1つ挙げていくと大変長くなるので、個々の条項についてはまた別の機会にご紹介することとし、とりあえずは“原状回復”についてご紹介をしていきます。


ほとんどの契約には、解約時の借り主の義務として“原状回復”ということが書かれています。

この、原状回復ということについて、契約時に不動産業者では、「借りる前の状態に部屋を戻すこと」として説明するケースが少なからずあります。


“借りる前の状態に戻す”のだから、古くなった壁紙、カーペットなどは新品に交換し、お風呂、トイレ、フローリングなどはクリーニングまたはワックス掛けをし、その費用はすべて借り主が負担するという説明をする家主や業者も少なからず存在します。


しかし、そんなことには応じる義務はまったくありません。

賃貸借の場合に起こるトラブルの多くが、この“原状回復”に関するものですが、今後も当ブログではできるだけわかりやすく、じっくりご紹介していく予定です。