場を改めまして、09年度募集馬の血統診断もやりたいと思います。


僕の師匠であるpotoooooooo師に専行されている「Xライン」を見ていただき、得点に加えました。


また手心で加えていた得点も細分化し、得点自体の絶対性を高めました。


宜しければあと一年、お付き合いください。


http://ameblo.jp/carrot09/





ディープインパクト産駒や、ハーツクライの産駒も登場します。

これらの産駒の配合成功パターンも予想しながらやっていきたいと思っています。

 血統面からキャロットの2008年度産募集馬を血統・配合的な面から評価してきました。なるべく「相対性」で採点するより「絶対性」を評価するように心がけてきました。


 ただ、イメージしていた以上に得点が高い産駒、低すぎる産駒が出てしまったのは確かです。


 まずは上位3頭


1位 ソルスティス 90点

2位 ミストラルシュガー 87.5点

3位 ゴルトブリッツ 87点

4位 デルフィニウム 87点


 上位4頭は思っていたよりも得点が高く出てしまったような気がします。大幅に評価を下げるということではなく、飛びぬけてよい点数ではないというイメージを持っています。普通の好配合といったイメージでしょうか。


それ以下は、イメージどおりの結果となりました。


【80点台】

ローザグランテ、スペースニードル、スーブルソー、アークビショップ、ヴェラブランカ、パトードール、タイトルホルダー、ヴァルガリス、ローテスクライト、ワイドスプレット。


 これらは字面の血統表だけで評価しています。馬体など、血統以外の要素は一切無視しています。比較的80点台はイメージに近い好配合が多かったような気がします。でも中には数頭、実績点が高かったものの、この配合でどうかな・・・?!といった産駒も含まれました


 それ以下では、特に70点台に「これは一発あるかもしれない!」という産駒が多数含まれています。これらは例えば父・母父・牝系実績に乏しかったり、色んな高評価できない材料がありました。採点の方法に改良の余地があると思います。




 逆に低評価となった、リンドブルム、アウスピカーレ、セイルオンザグラスなども確実に未勝利を脱出してきそうな産駒です。


 絶対的な評価にこだわるあまり、点数が足りなかった馬たちです。ただ相対評価的な視点で採点してしまうと、競馬界での絶対評価と異なった指標が出てしまいます。低評価な馬たちの中にも、上級条件まで昇る馬もいるでしょう。この辺りをどのように採点していくのか、次年度の課題になります。


 間もなくカタログが到着し、2009年度のキャロット募集馬が確定します。ある程度新しい採点の方法も考えつつあります。「あくまで血統は確率論の世界である」ということを前提に、またお付き合い、提言・苦言、などをいただければ向上させていくつもりです。今後とも宜しくお願いします。

 最後の一頭です。二次追加募集馬もいるのですが、南半球産のマル外なので割愛させてください。




77.カクタスベルの07
(父Lion Heart、母父Gone West)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 32.5点

 ①父(15点):7.5点 (日本での実績がないため平均点) 

 ②母父(15点):10点 (産駒の多い近3年の総頭数からEIを算出。)

 ③牝系(15点):10点 9号族のaブランチに属します。

              近親に1000万条件を突破したテイクユアマークがいます。

 ④母年齢(5点):5点(母の情報がありませんが、少なくとも初仔では無いようです。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(15点)

HyperionNasrullahPrince RoseSon-in-Lowのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(21点) 

クロス面より:6点 NasrullahPrincequilloのクロスが非常に豊富です。

            またXライン上のSecretariatのクロスからスタミナの裏づけがあります。

                               

Nearco濃度より:8点 Nearco濃度はかなり高め。

              ただ異血ヘロド系のDejbelのラインクロスが5代内に見られ、

              確変効果が期待できます。。



配合の強調材料:7点  普通に教科書どおりの「良い配合」ではないでしょうか。



合計点 68.5点


 


 父の産駒は06年産駒に一頭いるだけです。おそらく日本の芝適性を高めるクロスが無く、米国的なStorm Bird系ノーザンダンサーの種牡馬なので、適性はダートに出そうです。小回りコースよりも特に東京コースに良積が多い父系なので、タバスコキャットヘネシーフィガロと同様のイメージを持っています。母方にのクロスなり、日本の芝で発揮できるスピード要素があれば、Giant's Causeway産駒のスズカコウズウェイのような産駒が出てきてもおかしくないのですが、本母との配合ならダートに適性が出るでしょう。

 ラスト2頭になりました。意外に外国産(この仔は内国産扱いですが・・・)馬って難しいんですよね。日本での実績がない分、各項目を平均点にしなければなりません。イメージと点数が一致しない事が多いです。参考程度に見積もってください。




77.マイティーダンサーの07
(父Fusaichi Pegasus、母父Alzao)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 27.5点

 ①父(15点):10点 

 ②母父(15点):10点 (ディープインパクトのせいでEIは高いのですが、07,08年度成績から。)

 ③牝系(15点):7.5点 牝系不明のため平均点。

               ドイツ産馬のため、記載がマチマチであり、日本サラブレット体系最新版にも

               記載がありません。

 ④母年齢(5点):0点(7歳時の初仔です。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(15点)

HyperionNasrullahSon-in-Lowのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(20点) 

クロス面より:10点 日本の芝適性を高めるTurn-toクロスを持ちます。

            またHeliopolisAuroraのクロスも持ちます。

                               

Nearco濃度より:5点 Nearco濃度は平均程度。確変要素はもちません。



配合の強調材料:5点  平均点とさせてください。

               さすがに母はドイツ産ということもあって、祖母の後代の方は

               見慣れないクロスが多くあります。正直分りません。



合計点 62.5点


 


 父の産駒を見ていると1000万条件以上で活躍する産駒は概ね馬格のあるダート馬。小柄な馬は芝でそこそこ・・・という印象を持っています。クロスの評価に書いたように、本馬は日本の芝に適性を示す可能性のあるクロスを揃えています。Fusaichi Pegasus産駒で、どこまで芝のスピードを発揮できるかがカギでしょう。しかし現時点で400㎏を少し超える馬体は寂しいですね。牝馬限定戦でどこまでやれるかといった印象を持ちました。印象よりは高得点となっています。

74.アスクレピアスの07
(父ワイルドラッシュ、母父ヘクタープロテクター)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 30点

 ①父(15点):5点 

 ②母父(15点):10点 

 ③牝系(15点):15点 2号族のfブランチに属します。

              曾祖母インヴァイトの良牝系です。

              叔父叔母にウインクリューガー・ソリッドプラチナムがいます。

              ディープインパクト等とは遠親にあたると考えた方が良いと思います。

 ④母年齢(5点):0点(5歳時の初仔です。競争生活終了直後の種付けが気になります。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(15点)

HyperionPrince Rose、Son-in-Lowのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(19点) 

クロス面より:5点 Naitive DancerSir Gaylordのクロスがスピード源になりそうです。

                                           

Nearco濃度より:8点 Nearco濃度は平均~やや高め。

              5代内に入りきらないのですが、ヘロド系とマッチェム系の異血クロス

              (My BabuDejubelWar Admiral)が散見されます。

              6代内にはそのラインの血が入ってくるので、「合わせて一本」と考えます。



配合の強調材料:6点  上述のクロスにより、日本の芝への適性は高まるかもしれません。

               また父、母父が米国産にも関わらず、「らしくない」クロスの構成は魅力です。

               芝適性への期待が高まります。



合計点 64点


 


 期待の良牝系に、好ましい配合と期待は高まります。異血による確変効果が見込まれるので、芝・中距離ぐらいまで対応できる可能性があります。ポテンシャルは秘めた配合だと思います。しかし、母が種付け直前の1月まで競争生活を送っていたという点が非常に気になります。

73.オーソードレッシイの07
(父ワイルドラッシュ、母父ダンスインザダーク)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 20点

 ①父(15点):5点 

 ②母父(15点):5点 (意外とEIが低いんですね。)

 ③牝系(15点):10点 9号族のfブランチに属します。

              同分枝の中でも勝鞍を重ねている、比較的良い牝系です。

 ④母年齢(5点):0点(5歳時の初仔です。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(15点)

HyperionPrince Rose、Son-in-Lowのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(19点) 

クロス面より:5点 Key to MintのクロスはSt.Simon系の血がたっぷり含まれており、

            また祖母がマッチェムの血を引く異血クロスの効果もあります。

                               

Nearco濃度より:8点 Nearco濃度は平均程度。

              上述の異血クロスの他、若干ですがヘロド系Tourbillionのクロスもあります。



配合の強調材料:6点  母の祖父サンデーサイレンスとワイルドラッシュが内包するKahled

              ニックスであるとされています。母・父が逆になってもそれが成立する

              可能性はあると思います。



合計点 54点


 


 父の代表産駒といえばパーソナルラッシュを思い出すのですが、活躍馬の多くはダートを主戦場としています。ただ本馬の場合は、日本の芝でのスピード適性を高めるTurn-toのクロスを持つのですが、父がNasrullahを持たないため、やや鈍重と判断しました。主戦場はダートでしょう。

 コメント欄では白熱した議論が行われています。 スペクタクルライフは5代内ではノーザンダンサーのクロスしか持ちません。しかし8代まで見るとインブリードの様子がはっきりと見て取れます。


 5代内にクロスが見られなければ「アウトブリード」と一般的に呼ばれますが、それがいかに無意味か、この議論を見ていると良く分かります。血統(配合)論の基礎は、サラブレットの進化と人間の恣意的な配合の意味を読み取ることにあります。30年前の祖先には共通のクロスがなくても、80年前の祖先はバリバリにクロスしているんですね。父・母父に意味がないとは言えません。事実リーディングに従って、優劣がつけられています。ただ、それと同じくらいの熱意で、祖先も振り返らなければいけないということです。8代内クロスでの優劣の傾向ははっきり見えいます。09年度募集馬はそれを奥深く掘り下げたいと思っています。




72.オレゴントレイルの07
(父スウェプトオーヴァーボード、母父ダンスインザダーク)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 30点

 ①父(15点):5点 

 ②母父(15点):5点 (意外とEIが低いんですね。)

 ③牝系(15点):15点 4号族のdブランチに属します。

              かなりの良牝系です。この産駒にも期待がかかります。

 ④母年齢(5点):5点(7歳時の3番仔です。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(20点)

HyperionNasrullah、Prince Rose、Son-in-Lowのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(24点) 

クロス面より:10点 Heliopolis=HeliopolisGulf StreamAureolaのクロスを持ちます。

                               

Nearco濃度より:7点 Nearco濃度は極めて低いですね。確変要素はもちません。



配合の強調材料:7点  母父のダンスインザダークはNearco濃度が高すぎて

               好成績を残していなような気がするのですが、

               本産駒の場合Nearco要素が薄すぎるぐらいです。

               父ならばこれぐらいの母がいいかもしれません。



合計点 74点


 


 父の距離適性から見て、短距離馬である可能性は高いでしょう。ただ、この種牡馬特有の異血ヘロドの血を母が持ちません。もし持っていたなら距離延長にも対応しそうな気がします。非常に特徴的な父なので、配合的にぴったり合う母だと大物産駒を出しそうですね。

71.スペクタクルライフの07
(父ロージズインメイ、母父アドマイヤベガ)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 30点

 ①父(15点):7.5点 (新参種牡馬のため平均点。)

 ②母父(15点):7.5点 (サンプル数が少ないため平均点。)

 ③牝系(15点):15点 2号族のsブランチに属します。

              近親にカネヒキリがいる超良牝系。堅実に走る産駒を多数輩出しています。

 ④母年齢(5点):0点 (4歳時の3初仔です。。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(10点)

Son-in-LowNasrullahのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(15点) 

クロス面より:6点 Turn-toのクロスで日本で必要なスピードが得られそうです。

            スタミナの要、Hyperionのクロスを持たないのが心配です。

                               

Nearco濃度より:5点 Nearco濃度は低めです。ロージズインメイの最大の特徴です。

配合の強調材料:4点  とくに配合の妙味は感じないので減点。          




合計点 55点


 


 ロージズインメイは新参種牡馬なのですが、色々な特徴を持っています。まずはNearco濃度。サンデーサイレンス並に低い数値を示しています。おそらくスピードの面ではそれほど心配することは無いと思います。ただ、スタミナに関してはかなりの心配があります。自身がHyperionを全く持っていません。現在のサラブレットでHyperionのクロスを持たない馬はそうそういないと思うのですが、ロージズインメイ産駒はすべてそれらのクロスを持たないことになります。Teddy系の血も8代内におさまりません。・・・となると、スタミナ源になる要素はMahmoudBlue Larkspurあたりになります。それらの血量をどこまで上げるかがカギになりそうです。自身がPrince RoseNasrullahを持っている点はサンデーサイレンスよりも強調できる材料なのですが、スタミナ面での不安と相殺というのが現状での僕の見解です。中距離適性を示す産駒が出始めたら、再評価したいと思います。


 そんな観点に立つと、本馬の配合に妙があるとは言えません。スピードのクロスが強調される中、どこまで距離延長が可能かということが決め手になりそうです。スタミナの面を克服できれば、面白い種牡馬だと思うのですが・・・。


70.スキッフルの07
(父デュランダル、母父トニービン)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 37.5点

 ①父(15点):7.5点 (新参種牡馬のため平均点。)

 ②母父(15点):15点 

 ③牝系(15点):10点 11号族のdブランチに属します。

 ④母年齢(5点):5点 (9歳時の3番仔です。。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(10点)

HyperionNasrullahのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(15点) 

クロス面より:5点 8代内ではノーザンダンサーに次いでHyperionの血量が11.72%と豊富。

            Nasrullahも5.47%とスタミナ要素、スピード要素バランス良いです。

                               

Nearco濃度より:5点 Nearco濃度は平均的です。

配合の強調材料:5点  父デュランダルのHalo系のスピードというよりは、

               Nasrullahのスピードが発揮されそうです。不器用なタイプかもしれません。          




合計点 62.5点


 


 特筆すべき点はないのですが、オーソドックスで無難な配合です。父の産駒をまだ見ていないので何とも言えませんが、一本調子の分、距離は短めの方が良いかもしれません。

 さあ、あと8頭!




69.フサイチケリーの07
(父ファルブラヴ、母父サンデーサイレンス)



Ⅰ 基礎点数(父・母父・牝系) 40点

 ①父(15点):5点 (出走頭数に対する勝馬率が低いのでいたしかたないです。)

 ②母父(15点):15点 

 ③牝系(15点):15点 1号族のwブランチに属します。

              いい感じに近親が90年代前後に良産駒を輩出しています。

 ④母年齢(5点):5点 (12歳時の8番仔です。。)
              
              
Ⅱ 基礎クロス点(2515点)

HyperionPrince Rose、Son-in-Lowのクロスを持ちます。


Ⅲ 配合点(17点) 

クロス面より:7点 日本の芝でスピードを発揮するHail to Reasonのクロス、

            Ribotのクロスなど、スピード&スタミナクロスが良いですね。

                               

Nearco濃度より:10点 ファルブラヴ産駒にしては低めのNearco濃度。

              父が異血ヘロドの血を多く持ち、確変効果が期待できます。



配合の強調材料:8点  母の良さを活かすのはやはり異血ヘロドのクロスを持つ種牡馬。

               Nasrullahのクロスを持たない点以外はベストの配合です。              




合計点 80点 →75点


 


 古めかしい牝系を異血の血により活性化するのが「異血による牝系の活性化」です。本馬はいわゆる確変馬にあたります。ヘロドの血を活用している点は、今年の桜花賞4着に入ったワンカラットに近いイメージを持っています。理想的な配合です。本馬の場合は、5代母が異血ヘロドの牝馬で、そこを強調する事で、一気に高性能になる可能性が高くなります。それが確変馬です。


 ファルブラヴ産駒は父親譲りの超大型馬が多く、脚下の不安がつきまとう産駒が多いようでうす。ただ牝馬に関しては小柄な馬体でスプリント路線で活躍する産駒がいますね。本馬は父にしては「吉」と出た産駒だと思います。適性はマイル前後。確変効果もあるので、2000mぐらいまでならこなすような気がします。


 父の点数が高く付けれない分、もう少し得点は高く見積もって良さそうです。