書家 清水恵エッセイ『 ときどき書心 』 vol.37 | インテリア書道の専門店 & ギャラリー キャレモジ

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日本語って難しい・・・。最近になって、以

前にも増してつくづくそう思いますよ。

同音異義語が多すぎることもそうなのですけ

ど、それ以上に漢字と和語(昔からある日本

人の言葉)がうまく噛み合っていない点。

漢字1文字に対していくつもの和語が存在し

てしまうのはひどく厄介です。

文章を書いていますと、ふりがなを付けない

と自分の感覚を十二分に表現できない

っていうことに多々出くわします。

たとえば「襲」。こう書かれてあると、「襲わ

れたの?」って感じがしてしまう。でも、私

は「かさね」、つまり「重ねた着物」の意味で

雅やかに使おうと思ったのに・・・。

分けてもいちばん困るのは「誘う」です。

こう書いて、「さそう」とも「いざなう」とも

読む。私は「いざなう」という言葉の響き

が好きでよく使うのですけど、いつも文章では

ふりがなをつけざるをえなくて。

漢字は合理的な文字で、漢字思考を心がけると

頭が明解になります。ですが、日本的な香

りを損なわせること無きにしも非ずです。