ご覧いただき誠にありがとうございます
滋賀県草津市青地町のOggi otto(オッジィオット)取り扱いサロン、ヘアーカルフールです。
12月の定休日は1、7、14、21、28、31日となっており、通常定休日である第3火曜日(15日)は営業日とさせていただきます
また、毎年恒例のオッジィオット シャンプー、トリートメントの年末キャンペーンですが締切日が例年より早い12月22日までとなっておりますので、ご検討いただいておられるお客様はお早めにご連絡をお願いいたします
突然ですが先日、トリートメント施術に用いる超音波アイロンを導入しました
今までは毛髪に成分を浸透させる為に揉みこみや浸透圧の作用を利用しておりましたが、このアイロンは髪にトリートメントを塗ったまま挟むだけで、今まで以上に無駄なく毛髪内部に浸透させる事が出来るようです
初めは『超音波アイロン?怪しい、、、』と疑っておりましたが、何度か試供するにあたり従来のトリートメントとの仕上がりの差を実感出来ましたので本格的に導入させていただく事となりました
先行して20名程のお客様にお試しさせていただいたところ、見事に全員のお客様の仕上がりの質感が今までの仕上がりよりも向上した結果が出ております
使用しているトリートメント成分の種類や量はお客様毎で今までと同様なのですが、まずシャンプー台で触っている感覚から違いを感じられ、仕上がりの際のコンディションも明らかに良くなっています
アイロンといいましても液体を微細に分解して浸透させやすくする為の器具で、別に熱が出ている訳ではないのでもちろん髪に負荷が掛かる訳ではありません!
↑水をプレスした写真です
細かく分解され煙状になっていますが、熱で湯気が出ている訳ではありません
※触っても熱くない!!
使い方はトリートメントを付けた状態で軽くスルーするだけです
アイロンが熱くなっている訳ではないので、濡れた髪に使用しても「ジュッ」という水素爆発によるダメージを起こす事もありません
11月中はこのアイロンを全てのトリートメントコースで使用させていただいておりましたが、
12月からは、『ダメージ軽減コース(薬剤除去コース)』、『毛髪内部の詰め物強化コース』、『プレミアムコース(薬剤除去+詰め物コース+α)』の3コースで使用させていただきます^^
ではこの流れで、前回の記事での予告通り今回はトリートメントについてご説明させていただきます。
何度記事を書いてもまとまらず消しては書いての繰り返しでしたが、ようやくまとまりました汗
さて、そもそも皆様は何故サロンでトリートメントをされるのしょうか?
・手触りを良くしたいから?
・ダメージ補修をしたいから?
・何となくやらないよりやった方が良さそうだから?
・美容師さんに勧められるから?
ご自身の毛髪がどういう状況でその状態を良くするためにこの成分を使ってほしい!
…なんてお客様はほとんどおられないと思います
手触りを良くしたい?
でしたらトリートメント以外でも、オイルやワックスを付ける事により手触りはを良くする事は可能です
ダメージ補修をしたい?
残念ながら髪は爪と同様の血液の通っていない再生能力を持たない『死滅細胞』なので、一度損傷すればトリートメントをしても元の健康な状態には戻りません
また、ご自身の『ダメージ』がどのような状態なのかを知っておられなければ、『どんなトリートメント』を『何の為にししている』かを知らないままトリートメントをされている方も多いかもしれません
何となくやらないよりやった方が良さそうだから?
やれば何となく良くなるイメージがありますよね。ただ、トリートメントをした方が結果ダメージを進行させてしまうケースも多いで、ここは特に注意が必要です
後ほど詳しくご説明させていただきます
美容師さんに勧められるから?
『新しい製品』、『SNSで流行っている』というだけでそれぞれの髪との相性が良いとは限りません
※美容師側もまずはメーカーの営業様のセールスの情報を信じます。ただそ情報通りのスペックがあるのか疑問に思う商品があるのも事実です
(後は単純に売り上げ単価が上がるから勧めているというケースもあるかと思います)
『トリートメントは良いもの!』、『トリートメントをすれば良くなるからする』ではなく『何の為にトリートメントが必要なのか?』
今回は一旦フラットに考えてみましょう!
まず先ほどの死滅細胞云々の下りで健康な状態には戻らないとお伝えしました
×健康な状態には戻らない
○健康っぽい状態を疑似的に再現する
これが正解です
『髪質改善』や『修復』等のキーワードが世の美容界には溢れていますが、少しオーバーな気がします汗
※一部で認知されている酸熱トリートメントは、トリートメントと言う名の酸性領域の矯正のような物です。また機会があればご説明させていただきます
では『歯の治療』で考えてみましょう
虫歯が出来た場合
①浸食の進んだ部分を綺麗にして
②疑似的に樹脂や金属で詰めて
③それらを接着する(紫外線で??)
④表面を慣らす(噛み合わせの調整)
という順で治療をしていただく訳ですが(専門ではないので違ったらゴメンナサイ汗)、結果元の歯に戻った訳ではなく、元の状態に『似た』歯に戻ったという事になります
トリートメントも似たような考えで
『健康っぽい状態を疑似的に再現する』為には
①いらない物を除去して
②足りない物を詰めて
③それを定着させて
④表面をコーティングする
これらの工程が必要となります
※他にもphを弱酸性の領域に戻してあげる事も大事です
傷んだ髪は元の状態には決して戻せません。ただ元の状態に近づける事は可能です
ただし、歯と毛髪の大きな違いは歯は詰めた材質が接着剤により長らく維持する点と異なり、毛髪の方は接着剤の効力が低く状態が徐々に劣化していくという点です
ホームケアの仕方によりトリートメントの持続期間が変わるのはそこに起因し、お家で必要な成分を日々補充していただく場合とそうでない場合ではどうしても質感に差が出てしまいます
ではダメージ毛を良い状態に近づける前に、まずは髪のダメージを知る!
という事で、今回髪の模型を作成してみました(かなり面倒くさかった!)
左から順に
・健康な状態(バージン毛)
・ダメージを受けた状態
・トリートメントで疑似的に健康毛に似せた状態
となっております
健康な髪の毛の断面図イメージです
理想ではダメージしている状態をこの状態に近づけたい訳です
小さいお子様の髪の毛やカラーやパーマをされた事の無い方の髪の毛で、『水をはじく性質』があるのがこの(疎水性と呼ばれる)状態です
では健康な髪とはどうなっているのか、模型で見ていきましょう
・付箋(キューティクル)…髪のウロコのような被膜がタケノコの皮状に重なりCMC(キューティクル間CMC)という脂質性の接着剤のような物で張り合わされています
※実際には模型よりも更に密に重なり合っています
・付箋表面のピンクの斜線(18MEA)…キューティクル表面に存在する産毛のような物で、頭皮から皮脂膜(汗+皮脂+垢+常在菌)という艶の元となる身体の造り出す天然の保湿剤を毛先まで運ぶ機能をもちます
※健康毛の方が2、3日頭を洗わないと頭がコッテコテになるのは、18MEAがしっかり存在して皮脂膜が毛先まで運ばれる為です
・黄色い粒(コルテックス)…毛髪の85~90%を占める重要な成分で縦状に縦に配列されています。主にケラチンという成分で構成されており髪の水分保持量を左右し、コルテックスが損傷するとパサつきやすい状態になります
・白いストロー(コルテックス間CMC)…コルテックスを繋ぎとめてくれている脂質性の接着剤のような物で、こちらも髪に毛には重要な成分となります(お肉でいう霜降り部分のイメージです)
・青いストロー(メデュラ)…髪の中心部に存在しますが、いまだに主な役割が解明されていないので割愛します
この様に、『CMC』でつなぎ合わされた『コルテックス(ケラチン)』が『キューティクル』によって守られている水をはじく性質(疎水性)をもつ状態が健康な髪の状態です
他にもph値が4.5~5.5の等電点(弱酸性)領域で保たれているとキューティクルが閉じて安定した状態となります
ではカラーやパーマをしてダメージを受けるとはどういう事か、ですが
薬剤に含まれる『アルカリ剤』や『過酸化水素』によりダメージが進む事は前回のカラー剤のお話でお伝えしたのですが(特にイルミナetc)、そのダメージはまず『キューティクル』に影響が出ます
※前回の記事をまだ見て頂いていない場合は、是非ご覧ください^^
薬剤によりph値がアルカリに傾くとキューティクルが開き始め、更にアルカリ剤によりキューティクル間CMCが溶解され剥離が始まります※また、この時点で表面の18MEAはほぼ無くなってしまいます泣
そうすると次に負荷が掛かるのが白いストローで表している『コルテックス間CMC』で、こちらもアルカリに弱く溶解され無くなります
すると今度は黄色い部分の『コルテックス(ケラチン)』が繋ぎ止められなくなり、ばらけた物が開いたキューティクルの間から流れ出てしまいます
そうして『ボイド』と呼ばれる空洞部分が毛髪内部に広がてしまい、水分調節機能が低下してしまった髪は潤いの保持が難しくなりパサつきやすく、また癖毛の原因にもなりまとまりにくい髪へ変化します。
要約すると
①キューティクルの剥離(+18MEAの損失)
②CMCの融解
③コルテックスの流出=ボイドの拡大
といった感じです
キューティクルの剥がれ・・・手触りの悪さ
CMC、コルテックスの損失・・・パサつき、ごわつきに繋がります
お癖をお持ちの方で水で濡らすとストン、とお癖が収まる場合は、毛髪内部のボイド化、すなわち髪の栄養(構造物=コルテックス)不足が原因となります(エイジング毛にお悩みの方の中にもこちらに当てはまる方が多いです)
/ グニッ \
ボイド部分が凹んで変形するとお癖の原因となります。ケラチンやCMCを補給してお癖が改善される方はこれがその正体です
※濡らしてもお癖の出る場合は縮毛矯正等の薬剤(還元剤)の力が必要です
ただしこのボイド、、、冒頭にお伝えした注意点で
『トリートメントした方がダメージ(ボイドの拡大)が進む』ケースがございます
カラーやパーマに含まれる『アルカリ剤』や『過酸化水素』は髪に色味を与えたり明るさを調整したり形を変える為に必要な成分ではありますが、キューティクルの剥離やCMCの融解、コルテックスの流出等同時に毛髪内部を損傷させる成分でもあります
厄介なのがこれらの成分は毛髪内部に残留しやすい点で、普通にシャンプーやすすぎをしたところで中々出て行ってくれない点です
髪に残るとどうなるか?はい単純明快、毛髪内部のボイド化が進みます
その為に健康毛に近づける為には、『ボイド部分を埋める』前に『残留薬剤を除去する』事が重要となります
仮に残留薬剤の除去をせずにトリートメントを、特にコーティング(手触り補正)をしてしまうと、毛髪内部を壊す成分を中に残して閉じ込めてしまう事になる為、より質感が低下しやすくなります
※コーティングが剥がれた時に、もろにダメージが進行した状態で現れます
これがトリートメントをしたにも関わらずダメージが進む原因となります
普段、毛先までカラーやパーマをされている方はトリートメントにアルカリや過水除去の効果があるかを一度ご確認、ご相談いただくと良いかもしれません
アルカリの除去には主にアスパラギン酸やキトサンといった成分が使用されます
当店では主に2種類の濃度のキトサンを使い分けて使用しております
過酸化水素の除去にはヘマチンが適しており、過酸化水素を無害なお水に変えて髪の毛から除去してくれる効果があります
左がキトサン系処理剤
右がヘマチン
毛先がカラー剤やパーマ液を伴う毛髪内部のダメージがある場合は、ボイドを埋め込んでいく事も重要ですがまずは『ダメージを進行させてしまう成分の排除』がとても重要になります
次にいらない物を無くした後は『中身を満たしていく』(パテ埋めのイメージ)必要性があります
しかし、ここの部分は美容師でも意見が分かれるお話となります
髪の毛は『死滅細胞』です、その死滅細胞に
『人の髪の毛由来以外の物を入れ込んでも意味が無い、無駄だ』派と
『理論上意味が無くても、処方した場合の方が質感が良くなるからやる』派の2手に分かれます
正直、どちらも正しいと思いますが当店は後者の考えです
ボイド部分を埋め込むのはシリコンでもオイルでもボタニカル成分でもありません
目には目を、流出してしまったケラチンにはケラチンを、CMCにはCMCを
薬剤除去を済ました後はボイドの補充をしていきます
右の写真はダメージ毛に成分を補充したイメージです
・赤いストロー(疑似コルテックス(ケラチン))
・透明なストロー(疑似CMC)
・アルミホイル(疑似キューティクル+18MEA)
※ただし、ホームケアで埋め込んだ中身を取ってしまうシャンプーを使用されている場合は効果も長続きしにくいので質感を維持する事が難しくなってきます
主に市販のシャンプ―を使っていてダメージが改善しない理由が以下の通りです
①洗浄力が強い(過去の記事参照)=汚れと同時に補充成分もしっかり取り除く
②穴埋め効果が無い
③コーティング(シリコン等のポリマー類やオイル)成分がメイン
=パサパサなのにヌルヌルしてる質感です
※市販品を全否定する訳ではありません。サロン専売品の中にも洗浄力の強い製品ももちろんございます
当店で使用しているケラチンとCMCと被膜剤です
まずケラチンはボイド部分に満遍なく入り込みやすい様、低~高分子の物を使用します
羊毛由来とフェザー由来のケラチンを併用する場合もあります
CMCはコレステロールと5セラミドを基材となっている物にケラチンが含まれた物を処方します
リキッド状とクリーム状の物があります
コーティングには疑似キューティクルと18MEAの補給用のオイルを使用します
また、毛髪を安定したph(弱酸性)に保つ為にキトサンも使用します※弱酸性領域だとキューティクルが閉じてくれる作用がありダメージしにくくなります
配合されるジメチコン、通称『シリコン』ではありますがここで捕捉を
『シリコン=悪』というイメージが根付いたのは間違いなく『ノンシリコンシャンプー』が出始めてからだと思います
では何故『ノンシリコンシャンプー』が出てきたといいますと、それより少し前に『TSUBAKI』や『一髪』や『アジエンス』等のいわゆる『シリコンまみれのシャンプー』が普及してしまってからです
それらのシャンプーは多量のシリコン(コーティング)により美容室で『カラーが染まらない』、『パーマが当たらない』といった傾向があり、メーカーが市場の需要をくみ取ったのか次なる新商品として『ノンシリコンシャンプー』を造った訳です
※そもそも『ノンシリコンシャンプー』を謳いながらそのトリートメントシリーズにシリコンが入っていたお笑いブランドもあったぐらいです(えっ、それ意味無い、、、)
確かに『ノンシリコントリートメント』なんて触れ込みは無かったので嘘ではないですねw
なのでダメージを隠す為に『多量のシリコンで覆ってしまう事』が間違いで、適切に使えば何ら悪い成分ではありません
※むしろ、キューティクルの代わりには必須です
ただ、今でもシリコンベースのシャンプーやトリートメントはありますし、それが良いと思って使用されている方もまだまだ多いのが現状です
髪質のコンディションを向上するならば、『頑張って被膜を作る』ではなく『乾燥した内部に栄養をいれてから被膜を作る』へシフトしていただく事をお勧めいたします
トリートメントとは『お手入れ』という意味です。人それぞれ髪の毛のお手入れ方法は違います
・オイル等のアウトバス(のみ)使用している
・コーティングを頑張っている
・薬剤除去やパテ埋めを重要視している
・お風呂上りに早めに熱すぎない温風で乾かしている
・シャンプー否定派だから湯シャンをしている
・とりあえずCMでしていた商品を使っている
・お米のとぎ汁で髪をすすいでいる(古!)etc...
・酸熱系の矯正トリートメント
良いか悪いかは別として、『お手入れ』という点である意味全てがトリートメントです
ただしダメージしている髪を綺麗な状態にしていくトリートメントをすることを考えた場合
『現状の髪の状態』×『その状態に必要な処置』が不可欠で、更に『ダメージを抑えたカラー剤やパーマ剤の選択』が必要となります
例えば
・カラーやパーマをされておらず髪に潤い感があり、髪の絡まりだけ気になる場合
⇒コーティングメインのトリートメントでも大丈夫です
・毛先にカラーをされてダメージ(ボイド)を広げたくない場合
⇒薬剤除去を推奨します
・乾燥しやすい場合
⇒毛髪内部の水分を保持するためにケラチンを処方していく必要があります
・アイロン等の熱ダメージが目立つ場合
⇒CMC等脂性の成分を多めに使用します
・複合したダメージがある場合
⇒上記を併用した処置が必要です
こちらのモデルさんは元々お癖がない髪質をされているのですが、ダメージ(毛髪内部のボイド化)によるお癖が推測されます※ウェットチェックではお癖が無くなる
また、セルフカラーにより手触りの悪化(キューティクルの損傷)が見受けられます(&色ムラもありますが、トリートメントでは修正出来ません汗)
また、アイロンの使用により髪の硬さも感じられるので脂性の成分(CMC)をやや多めに使用します
このモデルさんの髪を綺麗な状態に近づける為には必要なトリートメントの工程は
①毛髪内部にケラチンで詰め物をする
②柔らかさを出す為にCMCの量を増やす(ケラチンの保持力を高める効果もあります)
③詰め物をした上でキューティクル補正の為にコーティングする(+18MEAの処方)です
薬剤除去はセルフカラーからひと月ほど経っており、ダメージも進み切った状態なので今回はスルーします※もし今回カラーをされていたならば薬剤除去を推奨しています
※上記①~③を超音波アイロンを使用し処方
モデル様のお癖はダメージ由来によるものなので、トリートメントにて対処が可能であり、ハンドブローでもここまで収まりを良くする事が出来ました
トリートメントはお客様の髪の状態により必要な工程が異なります
ただキレイな髪を保っていただく為には
①ダメージを極力進行させない
②ダメージ部分には疑似成分の導入
この2点がとても重要になります
是非、髪の色落ちや手触りが気になられている方は低ダメージカラーへシフトしていただく事や、コーティングに頼らないトリートメント方法をご検討下さい^^
超音波アイロンはかなりおススメです
今回もご覧いただき誠にありがとうございました!
※12月のご予約が埋まり出しておりますので、ご予約をご検討のお客様はお早めにご予約の確保をお願いいたします