辞書引き学習を提唱されている深谷圭助先生の
講演会に、主催者として兄やんと行ってきた。

学参担当ではないけれど、東京から来るはずだった
版元さんに代わってのピンチヒッターとして。

辞書引き学習とは、就学前から3年生くらいまでの
児童を対象として、引いた語句に付箋をつけ、
引けば引くほど辞書が2倍にも3倍にも膨れ上がり
自分だけの辞書を作ることでまた、
自学自習の精神を身に付けようという、学習法。

ほとんどが親子連れのお客様で、
イクメンと言われるのか父と子の姿も目立っていた。

和やかな雰囲気のなか、辞書を夢中で引きまくる、
子供たちの意欲を見事に引き出す深谷先生は
元小学校教員。さすが、うまい。




主催者の挨拶に、兄やんは咄嗟に“黙祷”を取り入れた。

だんだんと被害の実態が明らかになって、
店に戻って遅めの昼食をとりながら私たちは
途方にくれていた。

できることなら現地に行って助けになりたい、
だって僕たちはこんなに元気なのにね、
何もできない自分たち、他人事というのが
こんなにも辛い、と。

テレビでは、目を覆いたくなるような
とても現実とは思えない事態が映し出され、
それは計り知れない苦しみを目の当たりにする。

ちょうどその時間にやりとりをしていた、
仲良しの版元さんとのメールは、途絶えたきりだ。



そんな中で不幸中の幸い、なんて言っては
いけないのかもしれないけど、、、
『災害ユートピア』という話題書がある。

こうした災害時、メディアでは、強盗や強姦など、
人災という2次災害が何かと取り上げられがちだが、
実際は、お互いを思いやる助け合いが溢れている
“ユートピア”が存在する、ということが
書かれている。


まさにそれを実感したのはまずツイッター。
今回ほど、活かされたことがあっただろうか。
この2日間、私的なつぶやきを私は見ていない。
現地の情報、安否の確認、避難場所提供の案内…
更にprayforjapanというハッシュタグで見ると、
世界中の人々が、それぞれの言語で、
日本を心配し、励ましている(読めないけどわかる)。
そしてそこは、リツイートの嵐なのである。


何もできないかもしれないけど、
みんな、何かしたいと思っている。

それは本当に、いくらかの救いになるはずだ。




それでもやはり自然災害を前にした人間の無力さに
絶望してしまいそうなこの時に、

願うのは、いち早い被災地の復旧と被災者の健康、
そして亡くなられた方々のご冥福である。



そして毎朝、私が勇気づけられる星空を
現地の人たちがキレイと思える日が、
早く訪れますように。
店の最寄りのスーパーは、24時間営業だからか、
全体的に高値なのであまり行かないんだけど、
今日は歩くのも面倒臭くて、食材を調達。

レジですぐ前に並んでいた上品なおばちゃんが
レジ袋のシールを集めている風だったので、
私の財布の中に貯まっていた10数枚のそれを、
会計後にあげた。集めるとどうなるかは知らない。

店を出たところでまた鉢合わせたので、
軽く会釈をすると、シールにまつわる話を
いろいろとしてくれた。

「目当てのものがあった時はあと少しのところで
集まらなかったの」

「ひとつ前の時は、お鍋が安く変えるんだったけど
お鍋は要らなかったしねぇ」

なんて。顔の半分以上をマスクで覆った小娘に
最後は丁寧にお礼を言ってくれた、
たぶん母くらいの年齢の人だろうな。



そんな出来事のあと、
みんなが幸せな世の中だったらいいなと、
思考が発展しすぎてしまっている帰り道。





実際、頭の中は教育書フェアのことばかりで、
もう何年もやっていることなのに、
4月から新学習指導要領の完全実施ということもあってか
不安でいっぱいなのである。

教育書版元のなかでも結構な権威であるところの
ちょっと怖い某部長にもすがる思いで
毎日のように電話をかけるので、最近は
あの怖かった人が、体調を気遣ってくれるように。

その他各社の担当者のみなさん、とても親身で、
まったくありがたいことである。

そのせいで、私が全店を仕切ることになりかねない
というのは不本意であるけど。



さて、百田さん(率いる講談社さん)から頂いた
「錨を上げよ」のプルーフを読まないと。
他ではない、本屋大賞のノミネート作品。

結局あの、ドラマ化が簡単にできそうな作品が
受賞するんだろうか…。

がんばれ、錨!
がんばれ、シューマン!





朝イチで大好きな版元営業ZのSさんに会えた
本日、良日。
Twitterで1日つぶやかなかった私を
心配してくれる人がいた本日、好日。


生かされている。
子規さんは、「ベース、ボール」をこう言っている。



日曜日、朝刊各紙に書評が掲載される。
うちの店でとっているのは4紙。
それをチェックすることから私の日曜は始まるのだが、
同時に4紙も読み比べられるとはなんと幸せなこと。
時々、1つの本が何紙にも載っていたりすると、
「おぉっ」と兄やんと興奮したりもする。


新刊をほぼ一番に手に取れることと、書評チェックは
これ書店員の特権だと思っている。



1月のいつかの書評で出会った岩波新書、
『正岡子規 言葉と生きる』は、主に電車のお供。

私は歴女とはかけはなれているものの、
やはり故郷松山のゆかりの人。
しかも、野球を愛していたとなると、
親しみも一層深まるものである。

baseballを最初に「野ボール」すなわち現在の「野球」
と言ったのは子規さんなのだ。


そして、そんな子規さんを愛しているであろう、
著者、坪内稔典さんの語り口は、
子規さんを歴史人物から身近な存在に変える。
今もその辺もいそうな、少年、青年、おっさんだ。



『ノルウェイの森』のワタナベ君も好きだけど、
子規さんも捨てがたい。もちろん男として(笑)




そんな思いを馳せながら、この連休は松山へ。
宇品港に到着です。