AIの発達で、社労士の仕事は増える。その2。 | office role の歩きかた。

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☆IT業界の労務管理にお悩みの方☆池袋の社会保険労務士☆

~プログラマーからSE、そして人事へ。IT業界15年以上。現場と管理部門、酸いも甘いも味わいつくしている社会保険労務士です。~

 

前の記事からすっかり日にちがたってしまいましたが、続きです。

 

2.電子化によって「作業そのもの」の問題が解決されればされるほど、純粋な「人」の問題が残るから。

 

残るというよりは、増える、でしょうかね。

 

AIが発達したり作業の電子化が進んだりすると、何も手を打たなければ労務トラブルは増えると予想しています。

 

なぜか?

 

人と人とが顔の見えない関係になっていくからです。

 

今まで複数人で協力しあって行っていた作業が、技術の発達によって、ボタン一つで、一人でできるようになりました。ヘルプチャットの相手もAI。

 

ボタンの向こう側の人が「人」でなく「モノ」になっていく。

 

知っている人を攻撃することはなかなかできませんが、モノを攻撃するのは容赦なくできます。SNSで、匿名アカウントによる炎上が起きやすいのと一緒です。

 

検索能力はどんどん優れていきますからね。「法的に正しい」知識や権利はたやすく手に入るようになるでしょう。今よりもまして、「権利」のぶつかり合いと、それを避けるための「契約書」の防御合戦が激しくなってくるでしょう。

 

別に権利を主張することが悪いわけではありません。相手の背景を理解する必要がなくなる、ということが問題なのです。

 

クローバークローバークローバー

 

たとえば、人手が足りない超繁忙期に、ある従業員のお子さんが熱を出して、急に休まなければならなかったとします。

 

このとき、

 

・普段から育児をしながら業務をやりくりしている様子をよく知っているAさんから言われるのと

・週に一度メールで成果物だけ送られてくる、会ったことのないBさんから、勤怠管理システム経由で「有給申請」が飛んでくる

 

のと、受け取る側の気持ちは同じでしょうか?

 

知り合いには贔屓しろとか結果が変わるということではありません。人と人との関係に何を及ぼすかということです。

 

しかも「有給休暇は労働者の権利」ですから、周囲のメンバーが困っても、何もいえません。いえないけれども、心の中ではこれだから子育て社員は、と思ってしまったり、もしかして口に出てしまったら、「マタハラ」なんていわれてしまったり。少しずつ軋みがうまれていきます。

 

では、こういったトラブルを避けるために会社側が何を考えるかといえば、就業規則の改正です。

 

「有給休暇の申請は@日前までにすること」等々。

 

すると、従業員側は「@日は長いんじゃないか?」とAIにきいてみる。

 

「過去の判例では・・・・」

「いや会社側には有休の時季変更権というものがあって・・・・」

 

とはいえ、ルールが何だって、出社できなければどうしようもないですからね。

 

そこで休んだら?

 

就業規則違反で懲戒???

 

いや、そんなことしたら育児を理由とした不利益取り扱い?

 

子の看護休暇の請求??

 

クローバークローバークローバー

 

ちょっとちょっと、何かおかしいような気がしませんか?こねくりまわしてませんか?こういうの、やろうと思ったらいくらでも切り口も言い分も出てきてしまうわけです。

 

だけど、子どもが病気だけから看病しなければならない従業員と、繁忙期の人手が足りないときに休まれたら困る職場。どっちも悪くないわけです。

 

一方ではワークライフバランス、女性活躍推進、などが叫ばれ、一方ではお妊婦様、などという言葉がささやかれる。

 

私はたくさんの労務相談を受けてきましたが、トラブル多くは、こういった、人と人との信頼関係の欠如、お互いがお互いの背景を理解できないことから始まります。

 

労使トラブルの解決の鍵は、法律ではなく、信頼関係です。

どれだけがっちりした規程をつくっても、リスク管理をしても、ベースの信頼関係なくしてはトラブルは起きえます。

 

そして、その「信頼関係」を築く第一歩は「顔が見える関係」です。

 

電子化が進んで「顔が見える関係」が必要なくなっていくからこそ、人と人とがつながるために「あえての努力」が必要になるでしょう。

 

だからといって私は電子化を否定するものでもなく、恐れるものでもありません。

 

むしろ大賛成ですし、積極的に導入を推奨しています。だって手作業とか大苦手ですし、ありがたいことに、私の職業人生は、がっつりITと労務に関わってきたものでもあります。少子高齢化に対する大変前向きな解決策のひとつでもあります。できることはガンガン進めていきます。

 

進めるからこそ、その一方で、人間関係をつなぐことも大事にしていきたい。

 

そして、そんな人の問題を解決する社会保険労務士の仕事は、ますます重要になっていくと考えるのです。