ネオリベのホラ話を論駁し、ネオリベに影響されそうな人に注意喚起するシリーズの第二回です。

 

 

先日の第一回の最後に、「ネオリベは成功することを生きる目的としているため、ホラを吹いてでも自分の実績を捏造する」というようなことを書きました。
ネオリベの病的な虚言はマクロでもミクロでも損害を及ぼすのでとても危険です。

政治分野でのネオリベの代表格である維新の伊東信久衆院議員が、消費者庁に業務停止処分を受けたマルチ商法企業の顧問となり、なんと議員会館で関連の講演を行っていたという事件がありました。
その過程で、被害者から信頼を得るために「ノーベル賞を受賞した山中教授と一緒に研究をしていた」などとホラ話を重ねていました。

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▼ 維新の会 この議員処分しなかったら誰ならアウトなの?
哲学入門チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=OUn4d7loYiQ

▼ 《動画入手》維新・伊東信久議員 「山中伸弥教授と抱き合って喜んだ」マルチ商法企業の講演で虚偽説明の疑い
https://bunshun.jp/articles/-/51024
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ネオリベと言えばホラ吹き、ホラ吹きと言えばネオリベと言っても過言ではありません。

詐欺被害を未然に防ぐためにも社会全体に警鐘を鳴らさねばなりませんが、この反社まがいのネオリベの見分け方は割と簡単です。

ネオリベはたいていサイコパスなので、サイコパスと特徴も似通っています。
ネオリベもサイコパスも虚言を重ねることは一つの大きな特徴ですが、その虚言を見抜けなくても、「社交的で、話が面白く、誇張された自慢話が多く、他人を操作しようとする人」には注意が必要です。



日本医事新報社 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3772

皆さんもお近くにネオリベがいたら、とにかく騙されないように気をつけてください。

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橋下、竹中、ひろゆき、堀江、三浦瑠璃、西野亮廣、古市憲寿、Daigoら一部の人たちに評価される意識高い系ネオリベのもう一つの共通点は、苦労して成功した立身出世の物語があるということだと思います。

彼らは、成功するために市場原理と合理主義に則って、絶対に下を見ない姿勢を貫きます。
落ちぶれたら社会から相手にされなくなるという強迫観念があるため、彼らの行動には社会を破壊してでも自分だけは成功しようとする推進力を保持する力学が働きます。

そんな彼らの支持者は、強者に同調し倣うことによって自分を高みに上げたいという自己啓発系の思想を持ちます。
希望のない日本社会では、強者の法に従うことが合理的だと判断されてしまうのでしょうけど、ネオリベに倣うことはより一層の経済破壊を生むことが事実であり、逆に自分自身の首を絞める非合理的な行動となります。


ネオリベを廃棄処分することこそが経済発展に繋がりますので、ネオリベに騙されそうな人たちをなんとか救済していかなければなりません。

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早稲田大学講師で政治思想研究者の藤井達夫氏は、「新自由主義の社会では、誰もが企業家のようにならなければなりません。自己を磨いてリスクを管理し、競争し、投資し、打ち勝っていく。しかも、自己責任のもとで」、「いまの若者が物心のつく頃には、そんな新自由主義的なメンタリティーが当たり前になっていた。若者にとって新自由主義はデフォルト、初期設定なのです」と述べています。

▼ 行き詰まった新自由主義 若者は当たり前と信じ、冷たく投げ出される
https://www.asahi.com/articles/ASPDF3GRCPCLUPQJ00R.html

藤井氏は、「大学の授業で『貧困は自己責任では解決できない。社会構造の問題です。個人の努力だけでなく、社会全体で取り組む必要があります』と言うと、学生たちは驚きます」と発しています。

若者たちに新自由主義というワードが認識されているかはわかりませんが、彼らが政治に無関心で自己責任を基調として生きている雰囲気は強く感じるところです。

 


上記記事の梅沢氏の言う「政治家」とは与党のことでしょうが、当該ツイートをイイネした人の中には少なからず「政治全体に対する不信」があり共感した人もいると思います。

現在の日本社会では、公に頼れない、政治家や官僚は信用できないとして自己責任で何とかしようとする潮流が生まれていると考えられますが、それこそが日本人がネオリベに魅了される理由の大きな部分であるとも思います。

前首相のガースーは「自助」、つまり自己責任を軸とした政策を掲げる民主主義を全く理解しない人物だったので、この手のニヒリズムや諦めの境地もなおさら助長されたことでしょう。

 


ニュースを見てもホラ話か大本営プロパガンダばかり目に入りますので、上記ツイの彼のように無力感を感じる人も多いかもしれません。



 
上図はネオリベ化した日本人のここ20年くらい精神的土壌を表現したものですが、あくまで個人的な感覚をもとにしているため確証はありません。
しかし、下記まとめは世論調査を元にしているので、かなり精神的土壌がネオリベ汚染されていると確信できるに十分であろうと思います。
いずれの結論も世論調査において、日本人だけがだいぶ特異な性質を持っていることを示唆しています。詳細は下記リンクを確認ください。

▼ 選挙の振り返りと日本人の気質【「人助け指数」世界最下位】
https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12685633279.html
私はこの記事中で「日本人はまるでドラマやアニメの世界に住んでいるかのようだ」「心中で願っていれば民主主義は勝手に訪れると思っているようだ」と表現しました。

政治学者の丸山眞男は「民主主義とは永久革命だ」と形容しています。
国会議員に陳情しに行ったり、テレビ局や新聞社に電凸したり、行政、とくに財務省に請願しに行ったりと民主主義を日々行使しないと社会は荒廃してしまいますが、多くの人々は政治とのかかわりをを完全に放棄してしまっています。
頑なに社会参加せず、自己責任だけを生きる指針とするという様相です。


さて、ここまでお読みになると、だいぶ日本人の本性がわかってきた感覚になりませんか?
一言で言うと、日本人というのは極めてヤバい奴らです。

この荒廃した日本人の精神に、ネオリベという獣が住み着くのも必然的だったように思えます。

よく考えなくてもわかるでしょうけど、橋下やひろゆき、安倍や吉村みたいなホラ吹きのクズ野郎を支持するなんて、まともな人間のやることではありませんよね(笑)


本日はここまで。
次回は「自己責任と弱者排斥」の風潮が進む理由の主因、経済学的誤解を指摘していきます。

ではまた次回!

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