3/20に、共産党の志位委員長が、「中小企業にとって命綱であった持続化給付金や家賃支援金を、政府は一回こっきりで打ち切った。なんでそんな無慈悲なことをするのか?それは政策がバックにあるからです。読み上げるもの腹が立つが、財政審とアトキンソン氏が酷いことを言っています」として、上記のようなパネルを提示しました。

私をはじめとして、立命館大学・松尾匡教授、れいわ新選組・山本太郎代表、評論家の三橋貴明氏や政策アドバイザーの室伏謙一氏、または立憲民主党の日吉雄太議員や落合貴之議員も、「スガ政権は”意図的に”中小企業潰し政策」をとっていると糾弾してきましたが、とうとう共産党のトップまで同様の発言をするようになりました。

皆さんの中にも、私が「スガ政権が意図的に中小企業潰しをしている」等と言ったとき、「そんなわけはない。陰謀論もほどほどにしろよ」なんてことを思った方も少なくないと思いますが、公党、しかも二党の代表が同じようなことを発している事実を、真剣に考えてもらいたいです。

もちろん、スガらの「中小企業潰し」を現場でまざまざと感じてらっしゃる市民の中にも、これが「意図的」であると発する方もいます。

 

スガの「中小企業潰し政策」が意図的に進められていることを事実として、この反日売国奴らの日本破壊工作に徹底抗戦しなければならないと思います。
ボーっとしてたら敵に焼け野原にされてしまいます。

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さて、ではなんで彼らはこんなクソみたいな政策を進めるのでしょうか?

主な理由は大きく分けて三つあると思います。

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① 本当に「中小企業を大企業に合併させて大規模化すれば生産性があがり、経済成長する」と思い込んでいるから。
 例えば「マンキューの経済学の十大原理:第8原理」には「一国の生活水準は、財・サービスの生産性に依存している」とあって、かつての古い経済学の教科書レベルでも間違った解説がなされていますので、学生時代にまじめに勉強した人ほど誤った考えを持ちます。
 しかしながら、これはイエレン財務長官には「需要を増やし賃金を挙げないと労働生産性は上がらないし、供給力まで毀損される」と、また、IMFには「コロナ禍に便乗してM&Aすると経済が悪化する」と完全否定されています。

 日本の財政は危機的状況だと考えているため、「民間の需要創出が少ないのが問題だ」と誤った問題設定をしてしまい、どうにか政府が支出しなくて済むよう、緊縮財政政策を堅持したいから。
  また、その際には、懇意にする有力な大企業にだけ、規制緩和による利益や補助金をつけることで、官僚や自民党の政治家の天下り先の確保を優位に運ぼうとしているため。

 ①と②を口実としながら、中小企業を合併・株式会社化し、外資金融資本にM&Aで買収させ利益を供与したいから。そのことを通じグローバル化したいから。
  シンプルに、彼らは外国の当局やグローバル企業のエージェントであると考えられます。
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①と②については過去の記事で随分と説明しましたので、今回は③の「外国(企業)のエージェント説」についてお伝えしたいと思います。
外国というのは、主にアメリカと中国、また、ケースとしては少ないけどイギリスや韓国などのグローバリズム推進国家が含まれると思われます。

不況下における合併・再編過程では必ず不採算部門・人員の切り捨て、ハゲタカの買収劇が起こります。

以下の記事によると、コロナ禍で「隠れ倒産」は5万件に急増していて、不良債権漬けになった中小企業がハゲタカに狙われているとのストーリーが展開されています。

 

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▼ 「またハゲタカが来る」コロナ禍の株価3万円台でよぎるバブル崩壊の既視感
コロナ禍を支えてきた銀行の叫び
https://president.jp/articles/-/43608

三毛全国銀行協会会長の見方が披瀝される今、不良債権という死肉に群がるハゲタカが乱舞する可能性が指摘され始めている。

メガバンクの幹部によると、新型コロナウイルスの感染拡大により世界的に企業倒産が増加傾向にあり、破綻もしくは破綻予備軍の債権を買い取る不良債権ファンドの組成も相次いでいるという。

「不良債権ファンドと言えば聞こえがいいが、いわゆるハゲタカファンドです。1997~8年の金融危機、2008年のリーマンショック後もこうしたハゲタカファンドが大挙して日本に上陸し、金融機関の不良債権を破格の安値で買い取り、暴利をむさぼりました。コロナ禍の今年もその歴史が繰り返されそうです」(メガバンク幹部)

1990年代後半の不良債権処理の悪夢がよみがえるような光景だ。
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具体的な事例もすでに始まっています。

 

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▼ コロナ倒産「これから急増」という最悪シナリオ 資本増強で残れる会社と倒れる会社に分かれる
https://toyokeizai.net/articles/-/415164

ロイヤルHDの菊地会長は、不採算店の閉鎖や希望退職の募集といったリストラを進める一方で、自力再建するのか、他社と提携して資本増強を図るのか、2つの選択肢を同時に模索していた。

倒産が急増し、不良債権が増加する──。そうした事態を想定し、動き始めたプレーヤーたちも増えている。
アメリカの投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)傘下の豪ペッパー・グループは債権回収会社を買収、1月から日本における不良債権ビジネスに参入した。
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こういった外資ハゲタカの買収劇の演出を得意とするレントシーカー(政商)が、内閣府の成長戦略会議(旧・未来投資会議)の民間議員に二人います。

ご存じ竹中平蔵氏とデイヴィッド・アトキンソン氏です。

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竹中氏とアトキンソン氏が過去に何をやってきたのか振り返ってみましょう。

 

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▼ デービッド・アトキンソン――日本が成長できない本当の理由
https://hbol.jp/122527
※1「伝説のアナリスト」
バブル経済が終焉した’90年代初頭から、日本の金融機関は不良債権の「隠蔽」に走り、その被害の実態がどれほど大きいものかわからなくなっていた。
そんな中、アトキンソン氏が、’91年に「銀行の不良債権」と題したリポートを発表。
不良債権の総額が大蔵省の試算をはるかに上回る約20兆円と試算したことで、大きな反響を呼んだ。
日本政府は当初、従来から続く「護送船団方式」で乗り切ろうと考えていたが、信用不安が広がったことで方針を転換。
不良債権に対する貸倒引当金の積み増しを迫ったことを契機に、北海道拓殖銀行や日本長期信用銀行、さらには日本債券信用銀行など多くの金融機関が破綻した。
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バブル崩壊時にアトキンソン氏が何をやったのか、上記で端的に説明してくれています。

もうちょっと詳細に、アトキンソンが在籍したソロモン証券(~1992)やゴールドマンサックス(1992~2007)ら、外資ハゲタカがこの不良債権処理のタームにおいて、何をやってきたのか見てみましょう。

 

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▼ 峠を越えた不良債権問題と企業再生ビジネス
http://nsk-network.co.jp/031124.htm
ゴールドマンサックス証券のデービッド・アトキンソン氏は01年7月、全国預金取り扱いベースでの実質不良債権は170兆円と指摘した。
これは当時、大方の予測より厳しい数字として注目を集めたが、同氏は03年10月3日の日本経済新聞で不良債権は03年3月末現在、87.4兆円まで激減したと書いている。
(中略)

不良債権とその要処理額が減少した最大の理由は銀行が03年3月までに総額で66.8兆円もの累積不良債権損失を処理したからに他ならない。
例えば木村剛氏で有名になった「30社リスト」の借入金は03年3月末にはピークから45.2%減少していると指摘している。
(中略)

不良債権処理とビジネスチャンスの拡大を狙った企業再生会社のセットアップが大手銀行を中心に相次いでいる。
大手銀行は要注意先、要管理先の過剰債務の借り手企業を正常先にするための再生支援をすることで回収額を最大化できるインセンティブが働くため、企業再生の新会社を設立し、不良債権を銀行本体から分離して移管したり、専門部隊を01年頃から組織している。
別会社にすることで外資系投資銀行など外部ノウハウを利用しやすく、企業再生や資金回収が加速するという銀行側の狙いがある。
経営、法務に強い企業再生を専門とする経営コンサルタント会社にアウトソーシングしたり、外部のファンドを活用するケースもある。
(中略)

企業の再編・整理が進み、企業再生のビジネスチャンスが膨らんでいるため、国内勢が相次ぎ企業再生ファンドをセットアップした。
特に02年に入ってから外資系ファンド、国内資本のサービサー、RCCと入り乱れて競合し、補完しあう新たな不良債権ビジネスへ広がりを見せ始めた。
これまでの再生ビジネスは外資のプライベイト・エクイティ・ファンドにより不良債権ビジネスの一環として行われてきたが、再生ビジネスは、外資に加え、産業再生機構の創設やRCC、さらに銀行、証券、事業会社も子会社などを通じ再生ファンドへ参入しており、日本経済新聞社の調査では企業再生ファンドの投資件数は述べ400社強に達している。
(中略)

企業再生のノウハウでは豊富なトラックレコードと人材で優ると言われている外資であるが、外資のなかにはメリルリンチ、米ゴールドマン・サックス、米モルガン・スタンレー、米リーマン・ブラザーズ、UBSウォーバーグ(スイス)などの外資系証券会社もあれば旧長銀買収で名を馳せ、バッシングも浴びたリップルウッドのような企業買収専門のファンドもある。
またゴールドマンサックス、サーベラスのように不良債権のデッドの投資とエクイテイの企業再建も行うファンドを持っているグループもあるがいずれも企業再生を強化している。
(中略)

外資進出の草創期、バルクセールで短期売買型の美味しいビジネスができた米系不動産ファンドも当時のような高いIRRの実現や投資魅力の高い案件の取得の機会は、減少している。もはや金鉱は採掘されつくされたからだ。
(中略)

(米国では)1980年代の貯蓄貸付組合(S&L)の大量破綻を契機にファンドの設立や活動が活発化した。
なかでも企業再生ファンドは、破綻企業や事業の一部を買い取り、経営者を派遣、ビジネスモデルを変え、リストラを断行して経営を改善し、第三者に売って利益を上げるという再生手法を駆使する。
成否の鍵は、投資先の業界に精通したインダストリアルパートナーの存在である。
そこから投資企業の収益力、技術力、キャッシュ・フロー、保有資産、リストラ余力をスクリーニングし、再生が可能か、再生のための具体的手法、さらにはM&Aやプライベート・エクイティの対象となりうるかなどの決断をする。
主な投資家は米国の年金基金や保険会社、投資信託などである。
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いかがでしょう?
上記記事の筆者は不良債権の解消にポジティブな方で、不良債権処理ビジネスをまるで良いことかのように扱っているので、詳細まで書いてくれています。

バブル崩壊後に不良債権を抱えた銀行や企業が、外資金融機関の食い物にされてきたことがうかがえますよね。
こうやってバブル崩壊後に日本の資産は外資に分捕られていきましたが、その渦中で不良債権ビジネスで大儲けしたのが、元ゴールドマンのアトキンソン氏なのです。

91年に「日本企業の不良債権は20兆円もある!」(01年には170兆)と大騒ぎし、銀行や企業に、実際には負ってもいない架空の借金の返済をさせ、その裏で大儲けしていたという、竹中平蔵風の「自演PDCAサイクル」を実施しています。

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このことをもう少し俯瞰してみてみたいと思います。

獨協大学経済学部教授の森永卓郎氏が、バブルはなぜ起こったのか、そして殆ど無意味だったどころか有害であったバブル後の不良債権処理は誰によって、なぜはじめられたのかを語っていますので、ぜひ見てください。

 

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▼ 森永卓郎が分析~なぜ日本だけが経済成長できないのか
By - NEWS ONLINE 編集部   2018-12-19
https://news.1242.com/article/163747

(前略)
 バブルは日銀が煽った可能性が高い
現にこのプラザ合意の後、輸出がガツンと落ちて、とんでもない円高不況が日本経済を襲うわけです。そこで政府はこの円高不況対策として思い切った財政出動をして、日銀は金融緩和をして景気対策をしたのだということになっているのですけれども、それで何が起こったかと言うとバブルが起きたわけです。それが1980年代後半のバブル。良く調べて見るとこのバブルは日銀がわざと煽った可能性が極めて高いのです。

どういうことかと言うと、昔は窓口指導と言って銀行に貸出枠を与えていました。これは役人が予算を消化するのと一緒で貸出枠までいっぱい貸さないと、次の年の貸出枠が減らされてしまう。ところが円高不況で銀行に貸し先なんて無かったのです。仕方がないので不動産融資に走って投機がどんどん進んで行った。

そしてバブルが崩壊する。このバブルの崩壊も、実は当時の大蔵省の総量規制、不動産融資を規制しようというものがきっかけだと言う人がいます。でも、きちんと歴史を見るとそうではないのです。バブルが崩壊した後締めに行っているのです。日銀の資金供給量を見ると日銀はバブルが崩壊してどんどん日本経済が悪化していくなかでも、どんどん金融を絞めて行く。つまり高い山とそこから先の深い谷を作ったのは大蔵省と日銀だったのです。どう考えても、わざとやったのです。

なぜ、そんなことをしたのかと言うと、1980年代アメリカはものすごく日本に対して怒っていました。石油ショックの後の日本が燃費性能の良い、高性能の小型車をバンバン輸出して、アメリカ車が売れなくなった。「ふざけんじゃねえぞ、日本叩き潰してやる」と、いまのトランプ大統領と同じようなことをもっと強烈に言っていたのです。そのアメリカが日本をやっつける為にどうしたらいいか、日本を乗っ取るのは難しいのですね。なぜかと言うと、株式の持ち合いをしていて、お互いに企業が株式を持ち合っているのでそう簡単に乗っ取れないのです。

 バブル崩壊によって暴落した地価~小泉内閣の不良債権処理
それから、メインバンクというものが付いていて、銀行が、ちょっと経営が悪くなるときちんと資金を融通してくれて、なおかつ本当に悪くなると銀行が役員を送り込んで来て経営再建をする。しかも系列間でお互いに取引する、例えば三菱グループだと生命保険は明治生命とか、車は三菱自動車とかグループ内でできるから、経営が安定するわけです。それをやっつけるのは難しい。どうしたらいいか、1つだけ方法があったのです。日本は不動産担保融資というものをしています。不動産を担保に取ってお金を貸す。これは銀行にとってリスクはないのです。返せなくなったら担保を処分して回収すればいいわけですから。しかし、ここに1つだけアキレス腱があるのです。
地価が暴落すると回らなくなるのです。担保を取っても、地価が暴落すると担保の価値がなくなってしまうので回収ができなくなってしまう。
普通土地は下がらないのですけれど、下げる手段というものがバブルを起こして、そこから奈落の底に突き落としてやるということです。そうすると下がるのです。

都心の一等地は、場所にもよりますけれど10分の1になった。そうすると全部担保割れになってしまう。それで担保割れを起こした企業を片っ端から潰せとやったのが、小泉内閣が行った不良債権処理です。

同時多発テロが起こった後、小泉総理はホワイトハウスにブッシュ大統領を訪ねたのですよ。当時小泉さんが「日本は自衛隊を派遣してでもこのテロとの戦争に参加します」と言ったら、ブッシュ大統領は「小泉総理、それは良いから日本は1日も早い不良債権処理を進めてくれ給え」と答えた。
アメリカはその同時多発テロで経済的に苦しんでいたのですね。それで、「不良債権処理を進めて日本の企業を二束三文でアメリカに全て受け渡せ」ということだったのだと思います。
そしてそこから不良債権処理が始まったのですけれども、この後もっと凄いことが起こります。

 ハゲタカの魔の手は企業だけでなく金融機関へ
なかなか不良債権処理が遅々として進まないなかで何をやったかと言うと、銀行を追い詰めれば融資先が一気に売りに出て来るぞということが分かるわけです。それでUFJ銀行がターゲットになった。UFJ銀行が大赤字を出して、三菱銀行が救済合併をしたという表面的な構図になっていますが、この赤字は実は金融庁が作り上げた逆粉飾決算だったというのが私の主張なのです。

 三菱UFJ銀行の戻り益
乗り込んで行って、不良債権でも何でもないものを、「これも不良債権だ、これも不良債権だ」というレッテルを張って行って大幅な赤字を出して経営を追い込んだのです。それがインチキだったと分かるのは、三菱と合併した後、三菱UFJ銀行に莫大な不良債権の戻り益が発生するのです。この戻り益というものは実は不良債権だと思ったのだけれど、実はそうではなかったというのが戻り益。これが7,000億円という、とてつもない額で発生するのです。それが、金融庁がインチキをしたという何よりの証拠だと私は思います。
UFJ銀行を追い詰めて、そこの融資先を二束三文でたたき売らせるためにやったことです。
竹中平蔵大臣は当時、「合併は認めるが合併をするまでに不良債権を綺麗にしろよ」と言ったという話なのです。

これで日本の資産がとてつもなく奪われたのです。イメージしやすいのはゴルフ場なのですが、いまはもう日本のゴルフ場ってハゲタカさん達の持ち物になってしまっています。これは作るのに100億円くらいかけて1億、2億、3億というとんでもない値段で売り飛ばされているのです。そういうことが企業レベルでもいっぱい起こったのですよ。
だから日本の企業が日本のものでなくなってしまったら、経済は失速する。
(後略)
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森永さんはおそらくリチャード・ヴェルナーの「円の支配者」の説を採用しているのだと思いますが、森永さんの言っている「戻り益」に関して、ヴェルナーの当該書籍から引用しみます。

 

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【不良債権のほんとうの規模】
では、この三十三兆円で不良債権問題は解決したのだろうか?
そもそも、不良債権問題というのはどれくらいの規模だったのか?
不良債権の規模を推計するにあたって厄介なのは、その規模が景気循環の局面で変化することだ。
それに、銀行の状況にもよる。つまり、景気がよければ銀行のバランシートはきわめて良好でさらに改善するように見えるが、不景気になれば劣悪で、改善は見込めないように思われる。
したがって、景気循環が引き起こす不良債権(景気が悪ければ返済不能になるが、大部分は景気がよくなれば回収可能になる)と、基本的な不良債権を区別する必要がある。
後者が投機や非生産的な投資に使われた信用創造だ。
基本的な不良債権は八五年末から九三年末まで銀行が不動産、建設業、ノンバンクに貸し込んだ結果、生じた。
この三つの「バブル業種」への融資を総計すると、総額は八六年で五十八兆四千億円になる。
九三年には、百三十一兆九千億円に跳ね上がっていた。
八五年の貸出帳簿にあるバプル業種への貸出額を九三年の数字から差し引くと、非生産的な信用創造の推計額が約八十五兆円と出る。
もちろん、その他の業種への貸出の一部も投機的目的に使われただろう。
だが、三つのバプル業種への貸出が100パーセント、非生産的だったわけでもない。
なかには実質的なプロジェクトに使われたお金もある。
そこで両者がほぼ相殺されるとしよう。
もちろん投機に手を出さなかった多数の製造業者やサービス部門の企業でも、長期不況に苦しんだために融資が不良債権化したものもある。
しかし、こうした融資のかなりの部分は、景気が回復すれば回収できるだろう。
不良債権といっても、こちらは銀行が通常、勘定に入れておくべき不良債権にすぎない。
銀行融資の一部はつねに不良債権であって、それ自体は貸し出し活動に影響しないことを忘れてはならない。

            --  リチャード・ヴェルナー「円の支配者」(2001),P287
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森永さんは「小泉総理はホワイトハウスにブッシュ大統領を訪ねた時、ブッシュ大統領に『日本は1日も早い不良債権処理を進めてくれ給え』と言われたと書いています。加えて「それで、『不良債権処理を進めて日本の企業を二束三文でアメリカに全て受け渡せ』ということだったのだと思います」と、米国が「不良債権処理詐欺」の背後にいるんじゃないかと推測し、その詐欺的行為を遂行したのが竹中平蔵氏であったと述べています。

森永さんの書籍「なぜ日本だけが成長できないのか」の書評によると、この部分は、「(ブッシュ大統領の不良債権処理の要請にこたえて)小泉首相は『今後2、3年で処理する』と答える翌年9月の訪米で小泉首相は、外交評議会の席で不良債権処理の加速を表明した。この外交評議会は米国の新自由主義者の集まり。『誰がどう考えても、”問題企業”を米国に生贄として差し出すという宣言だった』と森永さんは振り返る」とされています。

上記の「外交評議会」とは、悪名高きネオコン・ネオリベの巣窟・ジャパンハンドラーの根城の「CFR」のことです。

当時のCFRとのやりとりの結果、日米両国でどのような取り決めがなされたかも少しふれておきます。

 

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参考: CFRに盲従する日本政府 - るいネット (rui.jp)

2001年6月30日の日米首脳会議で、日米の新たな経済的枠組みを設定する「成長のための日米経済パートナーシップ」が設立された。そこでは、電気通信、情報技術、エネルギー、医療機器を重点4分野として規制改革の推進が謳われた。商法改正、不良債権処理、M&Aの促進、雇用の流動化(首切りの自由化)等々が構造改革の中身として列挙されたのである。これはCFRによる「対日経済指針」の具体的適用である。

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昨年五月のことですが、不思議なことに、なぜか金融担当でもないスガ官房長官(当時)がわざわざ訪米し、「対日投資を促進するための方策について」話し合うため、Bank Of AmericaやS&Pなどのグローバル金融資本の代理人たちと会談しています。


画像出所:外務省


スガーリンは小泉元首相のように、米国の金融関係者から「企業を外資に売り飛ばすために、コロナ後は、90年代のバブル後みたいに不良債権処理しろ」とでも言われたのかのしれませんねえ。

グローバリストの出先機関である大本営マスコミが「不良債権が大変だ!」等と提灯記事を書くようになったら、私が上述したような危機が再び訪れるということになるでしょう。

とにかく、スガ、竹中、アトキンソンら、グローバリストのエージェントの動きは注視すべきでしょうね。


長文になりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

また次回!

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