アベノミクスの仕掛け人と言われる山本幸三大臣が、国会中に何度も妙な事を口走ってます。

山本幸三大臣は、山本太郎議員の「何のために規制緩和をやっているんですか?」との質問に答えるかたちで「マクロ経済的に、価格が高止まりにある場合には、規制緩和すれば需要が増し、価格が下げられ、消費者の利益も増す。それが景気浮揚に繋がる」というようなことを言っています。

ん? なんかおかしくないですか?

今の日本は、需要が少ないから価格が低下していくデフレに陥ってるんですよね?

だからアベノミクスはデフレ脱却のために、一本目の矢では「”金融緩和”でお金を沢山作って、モノの価値を上げ」、

二本目の矢の「”財政出動”によってお金を各所に分配(公共投資)」して、

そして、三本目の矢の「”構造改革/規制緩和”で供給量(新規参入者)を増やして、価格を下げて」.....、

あれれ??

......アベノミクス自体が、おか...しい....だと?(笑)


これでは三本目の矢でデフレスパイラルに逆戻りしてしまいますよね?

デフレ状態からマイルドなインフレ(リフレ)にしなきゃいけないのに、供給量を増やして、モノの価値を下げようとしている...(笑)


私は「デフレ不況時に有効な需要が確立されていないなかで、サプライサイドで供給量を増やすとデフレスパイラルに陥る」と思うのですが、
アベノミクスの仕掛け人と言われる山本大臣が間違っているのでしょうか?

それとも私が間違っているのでしょうか?


昨年、安部首相が主催した「国際金融経済分析会合」でノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授はこう言っています。

需要が確立されていないデフレ下で、規制緩和して新規参入者を増やすと、失業を増加させるだけで、経済成長には寄与しない。 
供給は、それ自体の需要を作り出さないばかりか、実際にサプライサイドの改革は需要を弱め、GDPを低下させる

                                                                ジョセフ・スティグリッツ教授

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusaikinyu/dai1/gijisidai.html 

 

保守派の経済評論家・三橋貴明さんや多くの学者さんも同様のことを言っているので間違いないはず...。
もちろん、このようなことは2012年にアベノミクス三本の矢を提唱した時に指摘されていたことなのですが、山本大臣のあまりの自信満々な態度に恐れおののいたわけです。

そこで、ワタクシ、またもしつこく立命館大学の松尾匡教授に質問させてもらいました。
(松尾先生、いつもありがとうございます。 m(_ _)m )

松尾先生も「当面は、”デフレ不況時に有効な需要が確立されていないなかで、サプライサイドで供給量を増やすとデフレスパイラルに陥る”という答え方は、正面からの正しい答えだと思います」とお答えいただきました。
そのうえで、ハイエクが自由の障害として、政府介入を批判した理論を用いるなら、「国家戦略特区」自体が政府介入でありおかしなこととも言える、というようなことも教えていただきました。

うん、間違いないですね!
安倍首相の経済政策は、三本目の矢でデフレスパイラルを作り出しかねない!

構造改革/規制緩和/国家戦略特区は、さらなるデフレ化に繋がる、ということです。


ところがアダム山本大臣、とても往生際が悪いです。
あだむ山本 = アダム・スミスの「神の見えざる手」を引用し、「獣医師の需給状況はわからない、神のみぞ知る」とトンデモ発言したころからつけられた称号

アダム山本大臣は、民進桜井議員の「獣医学部を新設して価格を下げると言うが、それではデフレになりませんか?」との質問に対して「ミクロ経済とマクロ経済を混同しての議論だと思います」、「個別の事案の価格の引き下げとは違う」などと怒っているのです。

でも、これもおかしなことですよ。

一昨日安倍首相は「(加計学園)1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった。規制改革推進の立場から、速やかに全国展開を目指す!」と豪語しています。笑

う○こを漏らしたことがバレてしまったので、汚れたパンツを肥溜めに隠すみたいなことをやると言うのです。

「獣医学部の新設を一校に限る」としたなら、ミクロであるかもしれませんが、全国展開すると言うのですから、これはもうマクロですよね。

しかも構造改革派は、小泉竹中時代から今までに、派遣業、弁護士、宅配業界、タクシー運転手、保育士、バス業界、整体師、歯医者、薬剤師などなど、マクロレベルで規制緩和していっています。

アダム山本大臣の「ミクロ/マクロ論」は完全に論理破綻していませんか?



最後に、デフレ不況下で間違った規制緩和するとどういうことが起こるのか。
ある整体師さんの悲痛な叫びをお聞きいただきたいと思います。
 

■多すぎる整骨院、接骨院が乱立した理由 
とある整体師の戯言日記 

http://zaregotoseitaishi.com/seikotuinn-oosugirannritu/
【抜粋】
整骨院が乱立したのは、安易な規制緩和によって大量に学校が増えた事による弊害です。

それまでは全国に10校ほどしかなかった学校が、この規制緩和以降に急激に増えて100校近くになったんです。
その影響で整骨院の開業権を持つ資格者が激増したのです。

 しかし今までの数倍の人数が開業権を持って毎年誕生するわけですから、たった数年で整骨院の数は激増してしまい、その影響で整骨院同士の争いが激化しました。

しかし既にこの業界は飽和状態ですし、国が定める保険請求額だって今後更に減らされる可能性も濃厚です。
これから日本は世界のどの国も経験した事がない超高齢化社会に突入します。

昨今、社会保障費によって年金の減額や保険の一部負担金の値上げ、企業の保険組合の解散などが問題になっていますが、はっきり言ってまだ入り口でしかありません。
本当に厳しくなるのはこれからです。

整骨院の経営の柱は保険収入である事は間違いありませんので、国の社会保障費が増大していけば今以上に減額されるのは避けられないでしょう。

国が定める保険の請求額もどんどん減額されていって今日に至っています。
国が定める請求額も、私がこの業界に入った当初と比べれば大げさな表現抜きで半分近く減らされていますからね。

今では本当に厳しい業界になってしまいました。 
 


規制緩和により供給量(新規参入)を増やしたことにより、柔道整体師さんの数は1000人から7000人(毎年)に膨れ上がったといいます。

マクロ経済学的にもこんなにおかしなことをして、国民を苦しめるのはなぜなんでしょうか?

やはり安倍政権の構造改革/規制緩和が、年次改革要望書とアーミテージレポートの完コピだからなのでしょうか。
それとも純粋に「神の見えざる手」を期待したからなのでしょうか。

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さて、お知らせです。
ワタクシ激推しの二人、松尾匡先生と山本太郎議員のセッションがあります!

実はワタクシ、第一回目の講演を見てしまいましたが、本当に心震えるほどすばらしいものでした。
お近くにお住みの方には、ぜひぜひお勧めいたします!

▼ 山本太郎×ひとびとの経済政策研究会presents 「全てのひとびとのための経済学講座」第2回

https://economicpolicy.jp/2017/06/10/859/

 

自由党の山本太郎議員とひとびとの経済政策研究会とのコラボで予定しております連続講座の第二回を下記のように開催します。ご関心のあるかたは、リンク先の予約フォームより予約の上、ご参加下さい。

講師:山本太郎(参議院議員)、朴勝俊(関西学院大学教授)、松尾匡(立命館大学教授)、他
第2回 通貨の歴史と貿易
日時:2017年7月8日、13:30~16:30 
場所:京都テルサ(JR京都駅から約15分)、B・C会議室
   会場代表 075-692-3400, http://www.kyoto-terrsa.or.jp
参加費:500円(定員120人、要予約、学生無料)

主催: ひとびとの経済政策研究会・e未来の会
予約フォーム: https://ssl.form-mailer.jp/fms/092a0538516036
当日連絡(朴勝俊): 090-1149-4945

 


ご覧いただきありがとうございました。

また次回。

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