目次;
ベッセント「ドル安にするために、日本は利上げしろ!」
為替:なぜ円安になるのか?
インフレの原因は本当に円安なのか? → いいえ、原油高です
利上げすればインフレは止まる? → いいえ
利上げしちゃダメだって言うんなら、どうすんだ? → 財政を出しましょう。
ベッセント財務長官の会見を受けて、人々に混乱が拡がっているようです。
最初に一つ言いたいのが、「金融家のポジショントークをまともに聞くと騙されますよ」ということです。
ベッセントはソロスのファンドの社員として、ポンド危機やアジア通貨危機を起こした主犯格グループの一員です。
なぜ詐欺師の話を真面目に聞く人がいるのか、私には理解できません。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/62118
ついでに言えば、皆さんがご心配のトラスショックですが、これもトラスショックではなく、「金融屋ショック」でした。
考えてほしいんだけど、
— cargo 💴💶💵🌹🐾🍉 (@cargojp) July 19, 2026
「国の財政を懸念」してるはずの債権自警団≒ヘッジファンドらが、
国債・ポンド市場で空売りして、
市場を暴落させるべく売り浴びせた投機筋と
一緒に大儲けを企みますか??🤣
これが財政を懸念してる人達の姿?
だから金融屋さんの言う話はたいてい嘘なんですって。
1/8 https://t.co/QLdMsWwwPI
*トラスショックがなんだったのか知りたい方はこの二つのツリーを確認してください。
金融屋さんのポジショントークに騙されないようにしましょう。
さて本題に移りましょう。
今回の話題は、簡単には、金融屋ベッセントが日本に「利上げをしろ」と迫っているという話になります。
完全に同じ見立てだ。
— Keepon (@sincoscossin) August 5, 2026
僕もここ数日、同じ構図を書いてきたので、詳しく説明するまでもない。
今回の日米協調介入は、高市政権への無条件の救済ではない。
米国が円を支える代わりに、金融正常化を受け入れ、国債依存の積極財政を修正しろと迫ったものだ。… https://t.co/vscYRwJVNF
ベッセントの「日銀が急に利上げしたら日本国債が売られて、米国債も売られる」というわけのわからないロジックにも苦笑してしまいますが、このような荒唐無稽な脅しを真に受ける人間が多いのにも落胆せざるを得ません。
この話は、要するにベッセントが日本に「利上げをして、ドル安にしろ!」と迫っているということです。
これは従前からのトランプ政権の方針となり、「ドル安にしたら米国の輸出がはかどるんだからジャップは円高/ドル安にしろ!」という類の要求となります。
(そして「円安是正のための為替介入で米国債を売ったら米国債金利が上がるやろが!」とも言ってますが、このあたりのことは今回は割愛しましょう)
また、ベッセントが示唆する「財政を拡大すれば国債が売られる(金利が上がる)」なんてこともありません
(「財政支出したらインフレになる!」もウソです)
なぜ財政拡大している時期に金利が下がり、財政縮小している時期に金利が上がるのですか?
財政=財市場と国債市場は別ものなので、連関はほとんどないんです。
金融/財政/国債/為替はそれぞれ別の市場であり、その連動の強さは異なります。
「財政を出したら金利が上がって円安(円高)になるのだ!」とのよく聞く、混乱した話も成り立たないことが、上図からわかると思います。
為替は、"長期"では日米のGDPデフレーター差の域(≒PPPレート)に収束していきます。
これは簡単には日米の物価差のことです。
【もっと知られても良いと思う統計】
— 小川製作所 | 製造業x経済統計 (@OgawaSeisakusho) July 26, 2026
為替レートと購買力平価
統計データにおける、為替レート(Exchange rate)は実際に為替市場で取引される両国の為替の年平均値を計算したものです。
一方で、購買力平価(PPP: Purchasing Power… pic.twitter.com/MhroMydq3m
長期視点では、現在は、円高方面に収束する力が働いているところです。
そして為替は、"短期"では金利差に追随します。
(金利差縮小で円高、金利差拡大で円安に動きます)
https://pmam.co.jp/blog/post_3431/
しかし今、皆さんが目にしているのは、金利差が拡大したままであることから、投機筋が円キャリートレードで金儲けし続けるため、それがフィードバックして循環的に円安を助長している姿です。
(*例え金利差が少しばかり縮小方面に動いたとしても、日本の長期金利=2.7%/米国の長期金利=4.6%であるため、依然として広がったままです)
まとめると、長期では、為替は日米の物価差(PPP)を反映する水準へ近づく傾向があります。
短中期では、日米金利差やキャリートレードなどの資本移動が為替を大きく動かします。
現在は米国のインフレ率が日本より高いため、PPPの観点では長期的にはドル安・円高方向への調整圧力が生じます。
一方、日米金利差が大きい間は、その金利差が円安圧力として働き、PPPから乖離した状態が続くこともあります。
では円安を止めるのに利上げしなければならないのでしょうか?
いいえ、そうでもありません。
皆さんが心配しているのは、円安が輸入物価を押し上げ、インフレをもたらすということですよね?
問題は円安そのものではなく、インフレです。
しかし、実際は為替安→CPI上昇のパススルー効果は小さいんです。
皆さんが思っている「円安だからインフレになったんだ!」という感覚は正しくないということです。
佐々木百合教授のモデルによると、
— cargo 💴💶💵🌹🐾🍉 (@cargojp) June 16, 2026
為替→CPIのパススルー弾性値はドル円1%につきコアCPI0.02%です。
例え金利差を縮小させ160円→130円に円高にしたとしても、コアCPIは0.375%しか下がりません。
弾性値が予測最大値の0.04だとしてもコアCPIは▲0.75%です。 https://t.co/IiKF6TCfra pic.twitter.com/2rTBxOCw8q
つまり円高にしてもインフレはたいして是正されないということです。
安倍政権で、円は80→120円と急激に、50%も円安になりました(2012~2015年)が、その3年間のインフレ率は4%以下ですよ。(https://ecodb.net/country/JP/imf_inflation.html)
例えこのインフレの全てが円安パワーによるものだったとしても、たいしたことがないと肌感でわかりますよね?
物価高騰、インフレの主因は原油高です。
多くの人は、「現在の物価高騰の主因は円安だ」という認識ですが、それは事実とは言い難かったということです。
皆さんが問題にしてるのはインフレです。円安そのものじゃありません。
そして、そのインフレの主因は原油高だということもわかってもらえたと思います。
まず利上げの弊害は「不況になる」ことであり、金利差縮小→円安是正のメリットを上回る負の影響が襲います。
仮にガンガン利上げして円安を円高に変えても大してインフレは抑制できず、利上げにより不況になるのです。
イングランド銀行が説明するように、利上げでインフレを抑制するメカニズムは、需要を削って不況≒ディスインフレにすることです。
ええ、そうです。 「不況にしてインフレを抑える」というトンデモ策が利上げなのです。
繰り返しますが、皆さんが是正してほしいのは円安ではなく、インフレですね?
しかし、利上げしてもインフレの主因である原油高を是正できないことは言わずもがなです。
以下のように、欧州中央銀行総裁のラガルドの言う通りです。
ほんとこれ。
— cargo 💴💶💵🌹🐾🍉 (@cargojp) June 16, 2026
ラガルドのこれを貼っておこう。これが事実。
中銀は原油高騰に起因するコスト増インフレには成すすべがない。
日銀の利上げは庶民の生活コストを増加させ不況にするだけです。
その効果を知っていながら利上げを強行するのは、金融屋や富裕投資家の金融資産を増やしたいからなんですね。 https://t.co/gvfmcXuDDC pic.twitter.com/N46sdoWpJB
インフレは財政や税制で対応すべきものです。
例えばですが、現にガソリンは石油元売りへの補助金と暫定税率廃止でだいぶ抑制されています。

財政や税制は、上記のガソリン価格の例のようにピンポイントで価格を抑制できます。
ゆえに、インフレは財政や税制で対応すべきものなのです。
的を絞れず、経済全体を不況にしてしまう利上げは、やってはいけない策だということがわかりましたね。
私はこれを2022年から言っています。
さて、利上げすると不況になる、そして円安にしてもたいしてインフレが抑制されないことがわかりました。
ではどうやってインフレ抑制しましょうか?
繰り返しますが、答えは財政を出すことです。
長期:供給力を強化し、食料やエネルギー自給率を上げてインフレ耐性のある経済の体質を作る。
短期:財政・減税で暮らしを支える。補助金・減税等で原油高の影響を抑える。
こうなります。
え?財政を出したらインフレになるって?
それもよく聞く間違いです。
日本で起こっているインフレはこの50年間、すべてコストプッシュインフレです。
下記グラフ作りながらバブル期のこと再調査して気づいたんだけど、
— cargo 💴💶💵🌹🐾🍉 (@cargojp) August 1, 2026
①89年→3%消費増税
(物品税からの移行だったのでCPIへの波及は1%程度)
②90年→湾岸危機で原油価格が2倍に
(CPIへの波及は2%程度)
→結果3%インフレ
バブル崩壊前のインフレもほぼコストプッシュ型で説明できる。
つまり… https://t.co/33qw99PLnu pic.twitter.com/5WUVRUyPT1
まだまだ騙される人達が多いです。ため息ですね。
騙されて恥をかかないように、マクロ経済をしっかりと学びたいものです。
ソロスの右腕だった金融屋ベッセントの「おためごかし構文」ですね。
— cargo 💴💶💵🌹🐾🍉 (@cargojp) August 5, 2026
従前よりトランプ政権は輸出を伸ばすためにドル安/円高を目指してきた。
ゆえに「利上げしろ」と。
しかし利上げしてもただただ不況になるだけ。
米帝第一主義を、「お前のためだ」と言い換えただけの話。
騙されると奈落の底です https://t.co/F9qyanEMCR
以上。










































