トムソーヤーの冒険・・・じゃなかった、トム・ハンクスの冒険。
主演トム・ハンクスの海洋サバイバル。
監督はバックトゥザフューチャーやフォレストガンプのロバート・ゼメキス監督。
(あらすじ)
大手運送会社で働く主人公は世界各地を飛び回るシステムエンジニア。現地作業員の生産性を向上させるスペシャリストだ。
あまりにお堅いので、周りからは『荷物を届けるためなら子供の自転車を奪ってでも届ける』と揶揄されるが本人は否定しない。
多忙な日々を送っていたが、クリスマスは親族や彼女と過ごすために帰省する。が、マレーシアでトラブル解決のため急遽出張することになってしまった。出発の直前に彼女へプロポーズの指輪を贈る。『すぐ帰ってくるから』その言葉が最期の言葉となった。
・・・彼の乗る貨物機は悪天候のため太平洋上に墜落してしまう。沈む機内から一人脱出に成功しゴムボートで漂流。一夜明け気が付くとどこかの島に漂着していた。
ここからトム・ハンクスの無人島0円生活が始まります。無人島サバイバルは大好物なんです。誰だって一度は考えますよね!
【スペック】エリートなので地頭がいい。しかし肉体労働職ではないため体は太っている。あと虫歯持ち。
【装備】冬服(セーター、靴なし)。彼女からもらった懐中時計(ゼンマイ式)、ライト(電池式)、ゴムボート(一部破損)
【漂着物(貨物)】大量のビデオテープ(たぶんAV)、スケート靴、バレーボール、ドレス(女物)、段ボール箱、緩衝材。パイロット(死体)。
【島】主に火山岩でできている小島。砂浜に漂着し活動拠点とする。島の周りは岩礁地帯で遠浅だが波が高く脱出は難しい。
【環境】赤道に近く常夏。ヤシの木が自生している。魚や蟹が捕れる。野生動物はいない。水源は不明だが雨がよく降り雨水を飲むことができる。
【その他】漂着物が流れ着くことがある。墜落した飛行機から荷物とパイロットの死体が漂着した。
サバイバルで生き残るには常夏であることと水の確保が必須。冬が来るような寒いところでは冬を越せずに詰んでしまいます。
とはいえ、知識も技術もその辺のおっさんレベルなのでトライ&エラーを繰り返しながら命をつないでいくことになるわけです。
ケガや病気が文字通り命取りとなる環境で最初から死にかける主人公だったが、よくやっとるわ。
ヤシの実を割ろうと岩に投げつける。→石で同じ個所を叩き続ける。→砕けた石の鋭い部分を使って石器を作る。
火起こしをするために最初は木の棒でグリグリやる。→木の板に木の棒を擦りつける。→空気を取り入れる隙間を作り、ヤシの実の繊維を火口にする。
開封した荷物を改造して道具を作ったりと、サバイバル技術が上がっていくのが見てて楽しい。
ただ一つ、天使の羽が描かれた箱だけは開けなかった。(映画冒頭に工場の女性の出した荷物)何故かはよくわからんが宅配業者としての意地だろうか?
火を起こす時に手に負った怪我に怒り、ウイルソン製のバレーボールを投げつける。表面に付いた血痕を利用してボールに顔を描き、ウィルソンと名付け話友達とする。
みんな大好き。ウィルソンくん爆誕!
碌な食事をしていなくても虫歯は悪化する。耐えきれなくなった彼はスケート靴のブレードを利用して歯を抜くことを決意。決死の想いで虫歯を砕くことに成功するが、あまりの激痛に失神する。(そりゃそうだ)
ある夜、自分が見つかるには救助機はテキサス州の2倍の広さを捜索する必要があると判明し、救出の希望を失う。
・・・4年後・・・
木の棒を槍にして魚を突いたり、魚を生食したりとこの生活に順応している。
身体は引き締まり、伸び放題の髪と髭、日焼けした肉体に腰布のみといういで立ちからはかつてのエリートの面影はない。
ビフォー
アフター
ある日、漂着した簡易トイレの壁の半分が嵐で吹き飛ぶ様を見てマストの代わりになることを思いつく。
一度は救助を諦めた主人公だったが、筏を作って脱出することを決意する。唯一の友人ウィルソンと共に!
島の資源は限られている。今生えている木を伐採したら何も残らない。チャンスは一度きり。島から沖合に出たところで助かる可能性は万に一つもない。絶望的だ。
だが主人公は脱出に賭けた。筏の先には苦楽を共にしたウィルソンを配置し、最期まで開けなかった宅配物を抱えて。
結末は自分の目で確かめてください。
映画の半分はトム・ハンクスの一人芝居ですが、一人きりの無人島サバイバルを見事に演じ切っています。トム・ハンクスってスゲーんだな!(小並感)
俺が無人島サバイバルものが好きだということもありますが、すげー面白かったです。
「ウィルソーン!!」と思わず叫んでしまうくらいには感情移入してました。(嘘ですさすがに叫んだりはしません)
序盤がやや長く感じますが、結末を見て最初のシーンに戻ると、ちょっと感慨深いものがありますね。
火を起こすために時間と体力を消費し、手に怪我までしてようやく火を手に入れた主人公・・・現代社会ではライター使えば一瞬で手に入れることができる。
火だぁ!いやマジでちょっと感動する
魚や蟹を捕るために苦労しても必ず手に入るとも限らない。消費社会では取り寄せれば外に出ることなく食卓に並ぶ。
漁師が魚を捕り、輸送会社が魚を運び、料理人が調理し、小売業者が売る。
それぞれ専門のプロが行っている仕事を一人でやるなんてそりゃ無理な話だ。
しかし無人島ではそれをしないと死んでしまう。
俺らは恵まれてると思うわ。
名も知らない無関係そうな人も、どこかで自分の生活に関わっているかもしれない。
人は一人では生きられない。
感謝です。
5点中4点。
いい笑顔だぁ!ウィルソンもバージョンアップしとる。
ひなまつりにもこんなシーンありましたね。
今にして思えばパロだったんやな。見返すかー。