どうも、講師の山本です!数学科4年です。
 

なんとなんともう3回目!

 

ここまで見てくださっている皆様、大変ありがとうございます。

 

まだ前の記事見てないよって方は以下のリンクからぜひ訪れてみてください~♪

 

 

https://ameblo.jp/careerpath/entry-12973238508.html

 

さて本題です。

 

前回は、「日傘をどの向きで持つのがよいのか」という日常の疑問を、数学の問題として考えられる形にしました。

 

今回は、その続きを考えていきます。

 

数学では、いきなり計算を始めることはあまりありません。

 

まずは図を眺め、「どこに着目すれば求めたいものが分かるのか」を考えます。

 

今回は、その過程を一緒に体験してみましょう。

 

 


 

θの範囲を決める

 

最初に、θがどのような値をとるのかも決めておきます。

 

今回は地面より上に太陽がある場合だけ考えるので、

 

    a > 0

 

とします。

 

また、太陽の動きは南中を境に左右対称です。

 

したがって、東側に太陽がある場合だけを考えれば十分なので、 

 

    α ≦ 90 

 

とします。

 

つまり、

 

    0 < α ≦ 90

 

の範囲で議論します。

 

 

今回の目的は、体に当たる直射日光をできるだけ少なくすることです。

 

θ は地面から反時計回りに測る角度として定義しているので、今回は

 

0 < θ ≦ 90

 

の範囲で考えます。

 

数学では、変数を決めるだけでなく、「どの範囲で考えるのか」を最初に整理しておくことも大切です。

 


 

図の中に三角形を探す

 

ここで、いきなり式を書こうとしても難しそうです。

 

そこで数学では、図の中に使えそうな図形がないか探します。

 

ここで、図の中に注目してみます。

 

 

オレンジの三角形を見ると、

 

・日傘の長さ L
・柄の長さ S
・日傘の向き θ
・太陽光の向き α

 

など、この問題を解決するために必要な情報が関係しています。

 

ただし、これらの長さや角度がそのまま A(θ) になるわけではありません。

 

三角形の辺の長さや角度を三角比によって求めることで、最終的に体に当たる直射日光の長さ A(θ) を求めることができます。

 


 

三角比を使う

 

 

地面と AC が平行なので、錯角より 

 

    ∠BCA = α

 

です。

 

    A(θ) = H - AB

 

なので、 AB がわかれば A(θ) は求まります。

 

ここで、高校数学で学ぶ三角比が登場します。

 

    AB = ACtanα

 

より

 

    A(θ) = H - ACtanα ... ①

 

です。

 

では AC を求めましょう。

 

△ACE に注目します。

 

 

    AC = AD + CD ... ②

 

であり、

 

    AD = AEcosθ ... ③

 

です。

 

また、

 

    CDtanθ = ED

 

より

 

    CD = ED / tanθ ... ④

②~④より、

 

    AC = AEcosθ + ED / tanθ ... ⑤

 

となります。

 

 

さらに、

 

    AE = S - EG,

 

    FG = L / 2

 

で、 △EFG に注目すると、

 

    FGtanθ = EG

 

つまり

 

    EG = Ltanθ / 2

 

よって

 

    AE = S - Ltanθ / 2 ... ⑥

 

です。

 

また、

 

    ED = AEsinθ

         = ( S - Ltanθ / 2 ) sinθ ... ⑦

 

です。

 

⑤~⑦より、

 

    AC = ( S - Ltanθ / 2 ) cosθ 

            + ( S - Ltanθ / 2) sinθ / tanθ

 

でとなります。

 

これを整理すると、

 

    AC = 2Scosθ - Lsinθ

 

したがって、①より、

 

    AC = H - (2Scosθ - Lsinθ ) tanα

 

ついに、「日傘をどの向きで持てばよいのか」という日常の疑問が、一つの数式になりました。

 

途中では AE や ED といった新しい文字を導入しましたが、最終的には最初に定義した文字だけで表すことができました。

 


 

数式になると何がうれしいのか

 

ここまでは図形として考えてきましたが、一度数式になってしまえば、あとは数学の世界です。

 

図を何度も描き直さなくても、

 

θを変えたときにA(θ)がどのように変化するかを調べること

 

ができます。

 

つまり、「垂直がよいのか」「傾けた方がよいのか」という疑問は、

 

「A(θ)が最も小さくなるθを求める問題」

 

へと姿を変えました。

 

数学では、このように現実の問題を数式へ置き換えることで、答えを導いていきます。

 


 

次回予告

 

今回は、図を使って考え、「体に当たる直射日光の長さ」をA(θ)という数式で表すことができました。

 

次回は、この式を詳しく調べ、A(θ)が最も小さくなる角度を求めます。

 

果たして、日傘は垂直に持つのがよいのでしょうか。それとも、太陽側へ傾けた方がよいのでしょうか。

 

いよいよ、数学でその答えを導いていきます。

 


 

当塾では、このような「なぜ?」「どうして?」を大切にしながら学ぶ機会として、科学実験室を定期的に開催しています。

 

次回の科学実験室は、9月12日(土)午後を予定しています。

 

内容は、関数の式を入力するとグラフが出力されるWebサイトを用いて、「お絵かき」をするというものです。(高校生対象、中学生可)

 

この実験室に参加した暁には、ただ勉強する対象だった「関数」というものが、自分の一人一人の友達のように、個性のある色のついたキャラクターに見えてくることでしょう!

 

当日の講師は私が担当いたします。ぜひ一緒に議論しましょう!

 

 

また、毎週水曜日には英語自習室を開催しており、今後は金曜日に計算自習室を開催する予定です。金曜日の方は私が担当いたします。

 

 

科学実験室と自習室、両方合わせてご参加ください!

 

 

 

「答えを覚える」だけでなく、「自分で考える楽しさ」も、ぜひ一緒に体験してみませんか?