どうも、講師の山本です!数学科4年です。
なんとなんともう3回目!
ここまで見てくださっている皆様、大変ありがとうございます。
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さて本題です。
前回は、「日傘をどの向きで持つのがよいのか」という日常の疑問を、数学の問題として考えられる形にしました。
今回は、その続きを考えていきます。
数学では、いきなり計算を始めることはあまりありません。
まずは図を眺め、「どこに着目すれば求めたいものが分かるのか」を考えます。
今回は、その過程を一緒に体験してみましょう。
θの範囲を決める
最初に、θがどのような値をとるのかも決めておきます。
今回は地面より上に太陽がある場合だけ考えるので、
a > 0
とします。
また、太陽の動きは南中を境に左右対称です。
したがって、東側に太陽がある場合だけを考えれば十分なので、
α ≦ 90
とします。
つまり、
0 < α ≦ 90
の範囲で議論します。
今回の目的は、体に当たる直射日光をできるだけ少なくすることです。
θ は地面から反時計回りに測る角度として定義しているので、今回は
0 < θ ≦ 90
の範囲で考えます。
数学では、変数を決めるだけでなく、「どの範囲で考えるのか」を最初に整理しておくことも大切です。
図の中に三角形を探す
ここで、いきなり式を書こうとしても難しそうです。
そこで数学では、図の中に使えそうな図形がないか探します。
ここで、図の中に注目してみます。
オレンジの三角形を見ると、
・日傘の長さ L
・柄の長さ S
・日傘の向き θ
・太陽光の向き α
など、この問題を解決するために必要な情報が関係しています。
ただし、これらの長さや角度がそのまま A(θ) になるわけではありません。
三角形の辺の長さや角度を三角比によって求めることで、最終的に体に当たる直射日光の長さ A(θ) を求めることができます。
三角比を使う
地面と AC が平行なので、錯角より
∠BCA = α
です。
A(θ) = H - AB
なので、 AB がわかれば A(θ) は求まります。
ここで、高校数学で学ぶ三角比が登場します。
AB = ACtanα
より
A(θ) = H - ACtanα ... ①
です。
では AC を求めましょう。
△ACE に注目します。
AC = AD + CD ... ②
であり、
AD = AEcosθ ... ③
です。
また、
CDtanθ = ED
より
CD = ED / tanθ ... ④
②~④より、
AC = AEcosθ + ED / tanθ ... ⑤
となります。
さらに、
AE = S - EG,
FG = L / 2
で、 △EFG に注目すると、
FGtanθ = EG
つまり
EG = Ltanθ / 2
よって
AE = S - Ltanθ / 2 ... ⑥
です。
また、
ED = AEsinθ
= ( S - Ltanθ / 2 ) sinθ ... ⑦
です。
⑤~⑦より、
AC = ( S - Ltanθ / 2 ) cosθ
+ ( S - Ltanθ / 2) sinθ / tanθ
でとなります。
これを整理すると、
AC = 2Scosθ - Lsinθ
したがって、①より、
AC = H - (2Scosθ - Lsinθ ) tanα
ついに、「日傘をどの向きで持てばよいのか」という日常の疑問が、一つの数式になりました。
途中では AE や ED といった新しい文字を導入しましたが、最終的には最初に定義した文字だけで表すことができました。
数式になると何がうれしいのか
ここまでは図形として考えてきましたが、一度数式になってしまえば、あとは数学の世界です。
図を何度も描き直さなくても、
θを変えたときにA(θ)がどのように変化するかを調べること
ができます。
つまり、「垂直がよいのか」「傾けた方がよいのか」という疑問は、
「A(θ)が最も小さくなるθを求める問題」
へと姿を変えました。
数学では、このように現実の問題を数式へ置き換えることで、答えを導いていきます。
次回予告
今回は、図を使って考え、「体に当たる直射日光の長さ」をA(θ)という数式で表すことができました。
次回は、この式を詳しく調べ、A(θ)が最も小さくなる角度を求めます。
果たして、日傘は垂直に持つのがよいのでしょうか。それとも、太陽側へ傾けた方がよいのでしょうか。
いよいよ、数学でその答えを導いていきます。
当塾では、このような「なぜ?」「どうして?」を大切にしながら学ぶ機会として、科学実験室を定期的に開催しています。
次回の科学実験室は、9月12日(土)午後を予定しています。
内容は、関数の式を入力するとグラフが出力されるWebサイトを用いて、「お絵かき」をするというものです。(高校生対象、中学生可)
この実験室に参加した暁には、ただ勉強する対象だった「関数」というものが、自分の一人一人の友達のように、個性のある色のついたキャラクターに見えてくることでしょう!
当日の講師は私が担当いたします。ぜひ一緒に議論しましょう!
また、毎週水曜日には英語自習室を開催しており、今後は金曜日に計算自習室を開催する予定です。金曜日の方は私が担当いたします。
科学実験室と自習室、両方合わせてご参加ください!
「答えを覚える」だけでなく、「自分で考える楽しさ」も、ぜひ一緒に体験してみませんか?



