女子学生が就職活動の会社選びで重要なこと | Career Doctor野津卓也の「賢者のキャリア」

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《自分らしさ》を活かして、社会に価値を提供し続けられる「ライフキャリア構築」のヒントを紹介しています

こんにちは、キャリアドクターの野津です。

現在、縁あって京都の大学のキャリアセンターで学生のキャリア支援をしています。

女子学生への就職支援で、必ず「結婚しても仕事は続けますか?また、出産しても育児と仕事を両立しながら継続していきますか?」と問いかけます。

特に、就職支援で女子学生が志望会社を選ぶ際に「仕事と育児を継続的に両立できる制度や運用など環境しっかりと整っている会社を選ぶ」ということを強く話しをしています。

多くの大学でこういった点を示唆する大学勤務のキャリアカウンセラーは、残念ながら非常に少ないです。

大学も女子学生は有名企業に就職できれば、何とかキャリアを築けるという発想がまだまだ強く残っているのではないかと思いますし、就職さえすれば後の人生は大学は関与しない、ということかも知れません。

私は、大学以外でも多くの女性のキャリア支援の経験を通して、「女性が出産や育児で一度キャリアを分断してしまうと、社会復帰しようとしても特別なキャリアや実績がないと派遣やパートの仕事しかない」ことを女性のキャリア課題として強く認識しています。

また、旦那さまが最悪亡くなったり、離婚したりするとシングルマザーになってしまうと、親や親戚などの支援がないと仕事と子育てが非常に難しく、止む無く生活保護を受けざるを得ないケースもあること等、女性もしっかりと自分の長期的なキャリアを考えて構築していかないと、まだまだキャリア構築において大変な障壁があることを理解しています。

>こういった現実について、しっかりと女子学生に伝えていくことが、大学のキャリアカウンセラーにとって重要な情報提供であろうと考えています。

最近こそ政府や企業が「女性活躍推進」を唱えていますが、全ての企業で女性社員が育児や仕事を両立しながら継続的に働いていける潤沢な環境が整っていません。

多くの企業では産休や育休で法的な制度はあるものの、運用面で自由に取得できない企業も実は多いと聞いています。

私は、重要な情報源として「CSR企業総覧(東洋経済新報社)」で実際に企業で産休や育休を何人取得しているのかを知るようにアドバイスしています。本書ではCSR活動を積極的に推進している上場企業で毎年何人が産休や育休を取得したかという実績数が明記されているからです。

また、本書に掲載されていない企業では、会社説明会でしっかりと産休・育休の取得など女性社員が働きやすい企業文化があるかどうか、について質問するようにアドバイスしています。

中小企業でも「アットホームな雰囲気」で、社員が協力し合って女性社員の育児と仕事との両立を支援する企業もたくさんありますので、OB・OGとの面談を通じて、応募企業で女性社員の育児と仕事の両立を積極的に支援している企業を「企業選びの最重要基準」と考える事が重要です。

これからの時代は、女性も社会とつながり、人や社会に役に立つ価値を提供していく時代です。過去の女性の生き方が当然ではなく、「一人の人間として、自分はどのようなキャリアや人生を歩んでいきたいのか」という基本的な想いが重要であろうと考えます。




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