「内定出したらウチに決めてくれる?」と聞かれたら? | 就職面接攻略法 グループディスカッションも履歴書の出し方も教えます!

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覆面面接官Xことディーンが、面接の正しい受け方や履歴書・職務経歴書の出し方をお伝えします。 

企業の面接で『じゃぁ、内定だすから就活やめてくれる?』などと言われた場合どうやって対処

すれば良いのでしょうか?

「まだ就活つづけます」などと言ったら落とされてしまう可能性が増えてしまうのでしょう?

また、もしそこで「就活やめます!」と言って内定を頂いて、万が一のとき、あとで内定を取り消す

事は法的に可能なのでしょうか?

まだまだ先のことかもしれないのですが気になっているところなので、もし宜しければお答えください。(H.Tさん)



【ディーンの回答】

ボクが面接するときに、基本的にはしたくない質問事項ワースト3に入るやつだね(苦笑)。

「当社は第一志望ですか?」や「(女性に対しての)結婚したら仕事はどうしますか?」と同じです。


なぜなら本音を言いにくい質問だし、お互いに腹をさぐりあうような質問だと思うからです。

正直言って時間の無駄。

でもいまだにこんな質問をする面接官は多いんだよねぇ。


ボクもごくまれにするときはあるんだけど(クライアントの指示等で・・・)

できる限り軽い感じで茶化して聞くね。


「あのさぁ、もし今内定出したとしたら来る気あるの?」みたいな感じで笑いながらね。


でもこれは約束を取り付けたいわけじゃなくて、その反応をみたいだけ。

「結構志望度は高いな」とか「本気度は低いな」とかのちょっとした判断材料として使います。


だけど鵜呑みにはしないよ。


実際、「もう就活やめます!」とニコニコ宣言した学生が、翌週の合同説明会で会場をうろうろ

してたの発見したもの!

さすがにバツが悪そうで、「いろいろと業界を研究しようと思いまして・・・」だって。

そのリクルートスーツはなんじゃい!





「内定出したら就活やめてくれる?」と聞く面接官の事情とは、さっきのボクのケースの他に、



  1) 不人気業界かつ人数が必要な大企業の場合で、とにかく早く人数を確保したい

    (相当上司からあおられてます)担当者が、良い報告をしたいために学生へ強要する。


 
  2) どうしても欲しい学生で、思い入れが強いため、何とかあきらめさせたい。



  3) 採用人数がそれほど多くなく、かつ計画通りとらなければいけないため、志望度の高い
 
    学生を優先に採用する戦略を取っているから。

4) 毎年辞退者が多い企業で担当者は

    苦労しているため、学生からの明確な答えが欲しい。




といった場合がありますね。
どちらにしても、質問される皆さんにとっては答えにくいのも確か。



ではどうしたらいいのか?



このコーナーを読んでいる人はボクという人間が少しわかってきたはずだけど、やはり基本は

「本音で語ろう」ですよね。

志望度がそれほど高くないのに、内定を取るためにウソをつくのはどうかと思いますし、

ましてや自分の人生の大事なターニングポイントですから、その時のノリで決めてはやはり

まずいと思います。




過去の例を挙げると、その場で「必ず御社に行きます!」と言いながら後で断りの連絡を

入れてきた学生は何人もいました。


そしてそれは予想されたことでもあり、当たり前だとも思うのです。


なぜなら「採用面接」という場面はとても特殊なところだからなのです。

就職活動の最終段階という緊張感の中、「内定を出すよ」と言われて舞い上がっている状況の中で、

やはり人間は「ハイ!」と言いがちなものなのです。



バーゲンの名の下に、雰囲気とか値段に惑わされてあわてて買って家に帰り、じっくりと商品を

見てみたら「あれ?こんなのいらないよ・・・。」なんて思うのと同じですね。



どうしても答えを出さなければならないとしたら、「基本的には入社したいと思っておりますが、

まだ他社様も選考中ということもあり、途中でそちらを辞退するとしてもきちんと挨拶をして

参りたいと思っています。今しばらくお時間をいただくことは可能でしょうか?」などと切り返して

はいかがですか?
「いや、絶対に今返事が欲しい!」というような会社は入社しても問題が出て

くる可能性が高いですよ。


もし会社に自信と誇りがあるなら、そんなことをしなくても必ず入社してくれる学生はいるはず

ですからね。




ところで、内定を受諾した会社をその後に断ったら法的にはどうかという件ですが、これは知る

限りで言うと「法的に訴えられる可能性は非常に低い」ですね。


この件は時々話題になりまして、企業の採用活動に対する損害賠償とか契約不履行という

観点と、職業選択の自由という観点がぶつかりあったりしています。

そして明快な結論は出ていません。
企業側は内定承諾書とか保証人など様々な提出書類で

縛ろうとしていますが、実際は卒業してからの契約ですからまだ始まってもおらず、それなりの

事情があれば仕方のないことだと思いますね。




ましてやネット時代の今、学生への過剰な対応(内定の強要等)は掲示板等での企業批判ネタ

になりますから、採用側としてもあまり無茶はできません。



ただ大事にして欲しいことは、どんなケースでも礼を尽くすということです。


断るにしても何にしても、メールや電話一本ではなく、丁寧にお手紙を書くとか直接出向いて

頭を下げるとかね。



皆さんには後に続く後輩達もいます。

皆さんのせいで全く関係ない同じ大学の後輩が迷惑するとしたら辛い話ですから。