父の助言、子供の気持ち | 女医がメンタルクリニック開業しました

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2024/3/1メンタルクリニック開業。前の先生は盛業していたのに、患者さんゼロの日も。地域の皆様に愛されるクリニックを目指して奮闘中です!

父は自営業者

成功したとは言い難い

今、80過ぎても仕事をしているが

正直、お金のかかる趣味だと諦めている

お金の管理が出来ない人で

どんなに稼いでも(そんなには稼いでいないが)

口癖のように


金がない!


と言っていた。(今でも言うが無視している)

そんな中でも、父本人は何とかなる、と思っていたらしく、子供には


ピアノをやれ

大学院へ行け


など言っていた。


収入はある程度あるのだから、支出を管理すれば良いだけの話だが、子供だった私はそんなことには気づかず、

うちは貧乏だ

と思っていたので、優雅な気持ちでピアノなど弾けるはずもなかった。

まあ、優雅な気持ちになれたところで、ピアノなんかは聴く専門だっただろうけど。

ちなみに、音大の偉い先生に習っていたので、『他人の演奏を聴かせると本人らしい演奏ができなくなるから聴かせるな』という指導をされていたが、全くそんなレベルではなかったので、せめて美しい音楽を聴かせて、『これが弾きたい!』ぐらいは思わせて欲しかった。

昔の習い事なので、バイエル、ソルフェージュ、ソナタなど、弾いてもちっとも楽しくない曲ばかり練習させられた。

あんなものでピアノが好きになる子がいたら見てみたい。


因みに、ピアノは練習も苦痛なら、うまくも弾けず

先生のところに行くと、ため息をつかれるレベル

それでも毎日母が横について

メトロノームがわりに自分の太ももを叩いて

ヤッタッタッタ!

ヤッタッタッタ!

とやっては、

『ママの太ももに青あざができるほど一生懸命教えているのに!』

と言われた。

いやいや、辞めさせてくれ!

が私と妹の意見だったが、聞き入れられることは無かった。


『あなたが3歳の時に、ピアノやりたい!って言うから習わせた。一度始めたことはやめるな。』


が親の言い分だったが、今なら分かる

3歳の子供が勝手にピアノやりたいなんていうはずもないことを。

そして、父が音楽が好きで、ピアニストやバイオリニストにならせたかったことを。


バカも休み休み言え


と今なら言えるが、子供の頃はそうは言えず

友達と遊ぶ大事な子供時代を

毎日2時間

自分の練習の1時間と

妹の練習の1時間

ピアノの横に座らされた

あれは誰の得になったのだろう


子育てでも、仕事でも

冷静な目を忘れてはいけないが

その渦中にいると忘れがちだ


うちはとても良い親とは言えない面もあったが

愛情だけは惜しみなくかけてくれたので許せている


とここまで書いて

朝からYouTubeで脊椎動物の分類を見させる自分を、将来子供はどう思うのだろう、と少し不安にはなるが、それでも、テストで10点ばかり取って高校に行けない、というのは避けたい。


いつの時代だって、親は子供のためを考えているけど、それが正しいかどうかなんて、やはり子供が成長してみないとわからない。

教育虐待にならないようにはしたいと思う。


そして、今週土曜日、父がクリニックにくるらしい

自分では、先輩経営者がチェックと助言をしているつもりらしいことは伝わってくるが、こちらとしては、自分の会社を大きく出来ない人の助言など必要ないし、


トイレを直せ

テレビを置け

など、確かに患者目線だが、お金のかかる助言ばかりされると、


個人経営でも、安定してるならまだしも、ほぼ非課税の貧乏会社をやっている人が他人に助言なんて、ちゃんちゃら可笑しいわ!


と腹黒い気持ちが湧いてくる。


ただ、80過ぎて、明日死なれた時に、最後にそんなことを言ってしまったとなると、自分が後悔してしまいそうで、ぐっと堪えている。未来の自分のために。


うちの親は反面教師としては一流である。