この新しい宗教の名は、〈徹底的に無関心な猫の教会〉という -4ページ目
 甘さというのは、ショートケーキが持つ重要な命題である。ショートケーキが甘すぎては、気持ち悪くなる。甘くなければ、ショートケーキではない。ショートケーキは、シンプルなゆえに難しい。だからこそ、ケーキ屋の試金石となるのである。
 アステリスクに通いだした時、私はいつも、名物のモンブランばかり食べていた。和栗を使った上品な甘さで、サイズも大きい。甘いものを食べたい時、この上なく適したメニューである。
しかし、私は一つ、大変なことに気がついたのである。こんなにモンブランが美味しいなら、ショートケーキもまた、美味しいのでないかと。この発見は、私の人生においても、かなり価値のあるものである。アステリスクのショートケーキは、モンブランに勝るとも劣らない旨さである。
 他のショートケーキと、アステリスクのものがどう違うのか。まずはやはり、甘さである。アステリスクのショートケーキは、どちらかといえば、甘いのだ。ずっと食べ続けたのなら、きっと気持ちの悪くなる甘さだ。それでいて美味しく食べられるのは、そのサイズ故だ。アステリスクのショートケーキは、比較的小さく作られている。だからこそ、美味しく食べられるのだ。
 それから、次に生地である。卵の味がふんだんにする上品な生地が、クリームの甘さを、うまい具合に抑えている。甘ったるいクリームに、それとは違う方面を向いた生地が生み出す味は、ショートケーキの一つの答えと言っていいのではなかろうか。